ソフィア俳句会
令和六年二月例会報告
兼題 春時雨
2024年03月04日
二月例会は予定通り22日に開催され、会員相互の意見交換も活発に行われました。
句会代表の根来久美子氏、会員の後藤洋氏、くにしちあき氏による選句、及び自薦句は以下の通りです。
会場 |
上智大学ソフィアンズクラブ会議室B.C |
参加者 |
17名 |
兼題 |
「春時雨」「春驟雨」 |
五句出句 十句選 |
根来久美子 選 | |||
(特選) | |||
春時雨第二志望の門くぐる | 深雪 | ||
紙風船突けば青色空の音 | 幸子 | ||
透かし見る海苔の青さや厨窓 | ザザ虫 | ||
瞬きは人あたためり春の星 | 洋 | ||
紅梅も白梅も咲く一周忌 | 百合子 | ||
(並選) | |||
辻地蔵の供華一輪に初蝶来 | 克 | ||
荒ぶるも憎めぬ一日春一番 | 榮 | ||
あなたそこ土手に一声蕗の薹 | 怜子 | ||
春一番過ぎてうす紙昼の月 | 都代子 | ||
離婚記念日は今年も春驟雨 | 深雪 | ||
春時雨うすむらさきの靴を履く | ちあき | ||
三寒の谷戸を四温の水の音 | 洋 | ||
観音の頬のしづくや春時雨 | まつ子 | ||
後藤洋 選 | |||
(特選) | |||
とぎ汁のにごり美し水温む | ちあき | ||
夕日さす富士の裾野のふきのたう | 明子 | ||
観音の頬のしづくや春時雨 | まつ子 | ||
梅一枝添へて祝ひの書状かな | 久美子 | ||
(並選) | |||
透かし見る海苔の青さや厨窓 | ザザ虫 | ||
固き土柔らぐほどの春時雨 | ザザ虫 | ||
安曇野の湖を残して白鳥引く | ザザ虫 | ||
梅園の近しを悟るかをりかな | 海村 | ||
ふふみける紅き莟に春の雪 | 海村 | ||
音立てて眼張の骨をしやぶりけり | 海村 | ||
名残雪ワイパーゆるりローカル線 | 幸子 | ||
熊笹の揺れる音して名残雪 | 幸子 | ||
老幹の皮一枚の梅の花 | 榮 | ||
春時雨若き木戸番怨めし気 | さむ | ||
紅梅も白梅も咲く一周忌 | 百合子 | ||
あなたそこ土手に一声蕗の薹 | 怜子 | ||
くにしちあき 選 | |||
(特選) | |||
春時雨第二志望の門くぐる | 深雪 | ||
安曇野の湖を残して白鳥引く | ザザ虫 | ||
夕日さす富士の裾野のふきのたう | 明子 | ||
(並選) | |||
校門に紅梅二輪ひらきをり | 明子 | ||
来し方をほめられし日や春一番 | 百合子 | ||
ふんはりと雲を浮べて春の湖 | ザザ虫 | ||
髪の香のゆるく包まれ春時雨 | 久美子 | ||
鎌倉を落着かせたる春時雨 | 洋 | ||
春時雨縄文遺跡を息づかせ | 怜子 | ||
浄瑠璃の耳に残りて春時雨 | 幸子 | ||
ふふみける紅き莟に春の雪 | 海村 | ||
今日の一句(自薦) | |||
団子屋に杵のリズムや梅ふふむ | 久美子 | (根来久美子 80文国) | |
啓蟄や円空佛の彫る佛 | 克 | (五十嵐克至 60法法) | |
朝の道うつすら湿り春時雨 | 占爐 | (鈴木顕一 62文哲) | |
深酒の味ことさらの蜆汁 | 榮 | (鈴木榮 64経経) | |
透かし見る海苔の青さや厨窓 | ザザ虫 | (小池拓夫 64法法) | |
遠くより梅の香かよふ風の嵩 | 都代子 | (坂井都代子 66文英) | |
三毛猫は髭を舐めをり春時雨 | まつ子 | (中岡まつ子 67文教) | |
名残雪ワイパーゆるりローカル線 | 幸子 | (稲田幸子 67文教) | |
春めくやお返しは二個ゆで卵 | 怜子 | (和高怜子 67文新) | |
鎌倉を落着かせたる春時雨 | 洋 | (後藤洋 68理物) | |
梅園の近しを悟るかをりかな | 海村 | (畔柳文雄 68理物) | |
山麓の茶畑抱く霞かな | 明子 | (中村明子 70文史) | |
春一番川下りする野球帽 | さむ | (新山修 71経経) | |
春時雨うすむらさきの靴を履く | ちあき | (國司千晶 74文仏) | |
春泥や曳尾塗中の亀の行く | 百合子 | (門倉百合子 75文独) | |
告白にご免をくらふ春驟雨 | 深雪 | (岩瀬深雪 78外独) | |
雨戸開け眼射る朝日や春きざす | 香文 | (田中香文 79文国) |
次回例会
3月28日(第4木曜) 12時開場12時10分投句締切
場所:ソフィアンズクラブ会議室A.B
兼題:「椿」
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