ソフィア俳句会
令和三年七月例会(メール句会)報告
2021年08月12日
今月もメール句会となりました。多数の参加を得、名誉教授・大輪靖宏先生の丁寧なご指導、俳句会代表の根来久美子氏初め会員みなさまのご尽力により成立しました。先生方の選句及び自薦句は以下の通りです。
参加者 |
二十八名 |
兼題 |
涼し(朝涼 夕涼 晩涼 夜涼 涼風)三句出句七句選 |
大輪 靖宏 選 | ||
(特選) | ||
夜泣きの子あやし干梅匂ふ庭 | 幸子 | |
かな文字の軸涼し気に散らし書き | 幸子 | |
写経の座涼しき風を通しけり | 幸子 | |
絞り切る歯磨きチューブ梅雨の明 | 榮 | |
ホルダーの禿びし鉛筆敗戦忌 | 榮 | |
団扇風かたはらより来優しき夜 | 収子 | |
晩涼に歩急く高野の杉くらし | 収子 | |
下駄の音往き交ふ郡上水涼し | 陽花 | |
一瞬の貼り絵崩るる揚花火 | 陽花 | |
闘病の果ての言葉の涼しさよ | 久美子 | |
夕焼を孕み帆船外つ国へ | 久美子 | |
香水を一滴をんな取り戻す | 美音 | |
旅立ちの如き早起き風涼し | 健二 | |
朝凉し写経する墨すり終へて | 克 | |
梅雨明の証の雲は乱れをり | 占爐 | |
母想ふ謡聞こゆる夏座敷 | 啓子 | |
先生の句評短きほど涼し | 洋 | |
身の丈を向日葵空のいづこまで | 都代子 | |
大楠の影ふつくらと月涼し | まありい | |
養蚕農家越屋根抜ける風涼し | ザザ虫 | |
つぎ足しの垂れの染み込む渋団扇 | 海村 | |
涼風や手作りビーズの耳飾り | 弥生 | |
電柱の陰より出ずに汗を拭き | さむ | |
梅雨明けや岳南の川今日はやし | 明子 | |
(並選) | ||
朝涼し水音途切れぬ用水路 | 知子 | |
夕涼し浜風に乗りホームラン | 知子 | |
豆絞りきりりと絞めて涼新た | 知子 | |
大門の見返り柳夏の夢 | 剛 | |
風鈴の愛でし寺町金龍山 | 剛 | |
夕涼し句碑数多ある浅草寺 | 剛 | |
雨上がり下駄音涼し浅草寺 | ちあき | |
くれなゐの残像鮮やか蓮華散る | ちあき | |
あるがままふるまふ人の涼しさよ | 都代子 | |
もう一度戻りてなぞる文字摺草 | 都代子 | |
何事も無かつたやうに夏の空 | 深雪 | |
ビルも木も西日に向ふ流れ雲 | 深雪 | |
涼求め猫はながなが厨の床 | まつ子 | |
湿原にわたすげ群れて点描画 | まつ子 | |
八ヶ岳(やつ)涼しレタス農家の朝早し | ザザ虫 | |
涼風を座敷に入れて早夕餉 | 占爐 | |
涼風や北鎌倉を過ぎしころ | 啓子 | |
針に糸一度で通りあら涼し | 弥生 | |
朝涼や高き筋雲あをぞらに | 怜子 | |
百磴を詣で尼僧の笑み涼し | 久美子 | |
青田風水澄む里の子ら優し | 収子 | |
夕涼みがてら投句をポストまで | 海村 | |
初蝉の下校通路や黄の帽子 | 克 | |
家中を網戸で囲ひ籠の中 | 健二 | |
楽隊の去りて広場の夜涼かな | 陽花 | |
風涼し鯱天に尾を反りて | 洋 | |
不気味なり青柿落つる夜の庭 | 香文 | |
グラナダの城の噴水風を呼ぶ | まありい | |
目覚めよき朝涼まづは投句より | 美音 | |
根来久美子 選 | ||
(特選) | ||
病癒え涼しき風の中に立つ | 靖宏 | |
往時ただ茫々として冷奴 | 靖宏 | |
一瞬の貼り絵崩るる揚花火 | 陽花 | |
楽隊の去りて広場の夜涼かな | 陽花 | |
かな文字の軸涼し気に散らし書き | 幸子 | |
身の丈を向日葵空のいづこまで | 都代子 | |
ホルダーの禿びし鉛筆敗戦忌 | 榮 | |
(並選) | ||
絞り切る歯磨きチューブ梅雨の明 | 榮 | |
弁護士の廃業僧侶眼の涼し | 榮 | |
あるがままふるまふ人の涼しさよ | 都代子 | |
もう一度戻りてなぞる文字摺草 | 都代子 | |
旅立ちの如き早起き風涼し | 健二 | |
豆絞りきりりと絞めて涼新た | 知子 | |
つぎ足しの垂れの染み込む渋団扇 | 海村 | |
今日の一句(自薦) | ||
病癒え涼しき風の中に立つ | 靖宏 | (大輪靖宏名誉教授) |
香水を一滴をんな取り戻す | 美音 | (向瀬美音82外独) |
八ヶ岳(やつ)涼しレタス農家の朝早し | ザザ虫 | (小池拓夫64法法) |
炭屋より帰りし父のかき氷 | 節子 | (國島節子78外英) |
餡蜜や誰を憚ることもなく | 海村 | (畔柳文雄68物理) |
夕涼みここはアラビア甘きティー | さむ | (新山修71経経) |
雨上がり下駄音涼し浅草寺 | ちあき | (國司千晶74文仏) |
百磴を詣で尼僧の笑み涼し | 久美子 | (根来久美子80文国) |
何事も無かつたやうに夏の空 | 深雪 | (岩瀬深雪78外独) |
絞り切る歯磨きチューブ梅雨の明 | 榮 | (鈴木榮64経経) |
針に糸一度で通りあら涼し | 弥生 | (岩淵純子64外英) |
旅立ちの如き早起き風涼し | 健二 | (江澤健二60文英) |
涼風を座敷に入れて早夕餉 | 占爐 | (鈴木顯一62文哲) |
涼風や北鎌倉を過ぎしころ | 啓子 | (永井啓子67文新) |
あるがままふるまふ人の涼しさよ | 都代子 | (坂井都代子66文英) |
下駄の音往き交ふ郡上水涼し | 陽花 | (野地陽子69外英) |
朝凉し写経する墨すり終へて | 克 | (五十嵐克至60法法) |
坐禅会痺るる脚よ涼しさよ | 洋 | (後藤洋68物理) |
湿原の広きキャンバスあやめ咲く | まつ子 | (中岡昭子67文教) |
夜泣きの子あやし干梅匂ふ庭 | 幸子 | (稲田幸子67文教) |
草踏めば隠るる気配露涼し | 香文 | (田中香文79文国) |
朝涼し水音途切れぬ用水路 | 知子 | (山田知子79文国) |
大夕焼ダービーの球山脈へ | まありい | (吉迫まありい73国際) |
夏草にうもれし石にかはづの句 | 明子 | (中村明子70文史) |
ボサノバに小波も歌ふ浜夕焼け | 由貴 | (レイトン由貴80文国) |
大門の見返り柳夏の夢 | 剛 | (中村剛66文英) |
団扇風かたはらより来優しき夜 | 収子 | (堀収子80文国) |
朝涼や高き筋雲あをぞらに | 怜子 | (和高怜子67文新) |
次回例会
次回もメール句会になります
8月26 日(木)13時(締切厳守!) |
兼題:稲妻・稲光 |
以上
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