ソフィア俳句会
令和三年六月例会(メール句会)報告
2021年07月21日
今月もメール句会となりました。多数の参加を得、名誉教授・大輪靖宏先生の丁寧なご指導、俳句会代表の根来久美子氏初め会員みなさまのご尽力により成立しました。先生方の選句及び自薦句は以下の通りです。
参加者 |
二十八名 |
兼題 |
「新茶、ソーダ水、ラムネ、麦茶、甘酒、梅酒、焼酎、冷酒、ビールなど、夏の季語となっている飲物」三句出句七句選 |
大輪 靖宏 選 | ||
(特選) | ||
聖堂の柱ひんやり日の盛り | ちあき | |
二人して海の青さのソーダ水 | ちあき | |
バーベキューせつせせつせと若き父 | ちあき | |
庭掃いて手製梅酒のアペリティフ | 健二 | |
香水の通り過ぎたる傘の内 | 健二 | |
絵本読む幼き声や梅雨に入る | 明子 | |
天仰ぎ目を伏せ蟇は雨を待つ | 明子 | |
螢待つ肌に纏はる潤ふ闇 | 怜子 | |
もぎたての茄子の色艶きしきしと | 怜子 | |
膀胱癌まさかまさかの夏暑し | 剛 | |
どの夢を追ひ掛けてゐる夏の蝶 | 剛 | |
どの田にも訪れてをり夏の月 | 香文 | |
サイダーを一気飲みせし部活あと | 香文 | |
水平線見ゆるデッキやソーダ水 | 都代子 | |
あぢさゐの色を詰めたり花手水 | 克 | |
梅雨霧に白花浮かぶ殉教地 | 幸子 | |
黒文字の淡き手応へ水羊羹 | まありい | |
父の日にパパになる婿大ジョッキ | 深雪 | |
山小屋の甘酒熱きほど甘し | 洋 | |
麦湯には砂糖ひと匙祖母の味 | 知子 | |
梅酒漬け未来の時間醸し初む | 久美子 | |
すつぱりと恋捨てし日やソーダ水 | 収子 | |
柔き手に児の捕らへたる蛍かな | 由貴 | |
大いなる古鏡なり田水引く | 美音 | |
(並選) | ||
鰻屋の吐き出す煙梅雨に入る | 海村 | |
我知らず大胆になるサングラス | 海村 | |
待ちぼうけ気抜けのソーダ物言はず | 深雪 | |
サイダーのシュワで大人の仲間入り | 深雪 | |
吾が減らす母の遺せし古梅酒 | 洋 | |
おもむろに瑕疵を繕ふ雨後の蜘蛛 | 洋 | |
湯上りをきーんと一気黒ビール | 榮 | |
青春を曝す黴めく古手紙 | 榮 | |
石斛を宿す大杉沢の路 | 榮 | |
どうしてと子の問ひ止まぬソーダ水 | 久美子 | |
憂き世など笑ひ飛ばして生ビール | 久美子 | |
山背吹くたてがみ長き寒立馬 | 陽花 | |
漁火の沖は不夜城冷し酒 | 陽花 | |
閉店の張り紙破れ梅雨に入る | 幸子 | |
透ける赤恋に恋して紫蘇ジュース | 幸子 | |
縁台のへぼ碁にそつと冷麦茶 | 占爐 | |
ひと息にビール干したるきみは逝き | 知子 | |
銀の糸受けて紫陽花なほ青し | 由貴 | |
惜別の棺にダリアとビール券 | 剛 | |
遅れ来し言ひ訳は嘘ソーダ水 | 収子 | |
梅雨入りのホテルラウンジピアノの音 | 節子 | |
短夜のちかちか工事注意灯 | 都代子 | |
父の日や革の聖書の名をなぞる | まありい | |
美術館出て木陰のレモン水 | 明子 | |
井戸端に冷やす麦茶や大薬缶 | 怜子 | |
寂しさを埋める嘘なり額の花 | 美音 | |
ちびちびと母の梅酒を二十年 | さむ | |
蟄居してだんだん守宮になってゆく | 弥生 | |
根来久美子 選 | ||
(特選) | ||
病窓の外では夏が生きている | 靖宏 | |
聖堂の柱ひんやり日の盛り | ちあき | |
あぢさゐの色を詰めたり花手水 | 克 | |
銀の糸受けて紫陽花なほ青し | 由貴 | |
おもむろに瑕疵を繕ふ雨後の蜘蛛 | 洋 | |
青春を曝す黴めく古手紙 | 榮 | |
地下に電車ラムネの瓶にガラス玉 | 健二 | |
(並選) | ||
梅酒作る老婆の自負の揺るぎなき | 靖宏 | |
遅れ来し言ひ訳は嘘ソーダ水 | 収子 | |
冷し酒同床異夢の人といて | 収子 | |
短夜のちかちか工事注意灯 | 都代子 | |
閉店の張り紙破れ梅雨に入る | 幸子 | |
我知らず大胆になるサングラス | 海村 | |
蟄居してだんだん守宮になってゆく | 弥生 | |
今日の一句(自薦) | ||
病窓の外では夏が生きている | 靖宏 | (大輪靖宏名誉教授) |
大いなる古鏡なり田水引く | 美音 | (向瀬美音82外独) |
友逝きてはや十三年か冷し酒 | ザザ虫 | (小池拓夫64法法) |
和食やで見知らぬ言葉夏近し | 節子 | (國島節子78外英) |
鰻屋の吐き出す煙梅雨に入る | 海村 | (畔柳文雄68物理) |
苦きもの灰となる友待つ麦酒 | さむ | (新山修71経経) |
聖堂の柱ひんやり日の盛り | ちあき | (國司千晶74文仏) |
梅酒漬け未来の時間醸し初む | 久美子 | (根来久美子80文国) |
待ちぼうけ気抜けのソーダ物言はず | 深雪 | (岩瀬深雪78外独) |
石斛を宿す大杉沢の路 | 榮 | (鈴木榮64経経) |
ラムネ玉取り出したい子の思案顔 | 弥生 | (岩淵純子64外英) |
庭掃いて手製梅酒のアペリティフ | 健二 | (江澤健二60文英) |
縁台のへぼ碁にそつと冷麦茶 | 占爐 | (鈴木顯一62文哲) |
カメラ据ゑ今日も翡翠まつ湖畔 | 啓子 | (永井啓子67文新) |
水平線見ゆるデッキやソーダ水 | 都代子 | (坂井都代子66文英) |
将門の加護を頼みて一夜酒 | 陽花 | (野地陽子69外英) |
あぢさゐの色を詰めたり花手水 | 克 | (五十嵐克至60法法) |
吾が減らす母の遺せし古梅酒 | 洋 | (後藤洋68物理) |
会食を惜しむひと時シャーベット | まつ子 | (中岡昭子67文教) |
梅雨霧に白花浮かぶ殉教地 | 幸子 | (稲田幸子67文教) |
どの田にも訪れてをり夏の月 | 香文 | (田中香文79文国) |
ひと息にビール干したるきみは逝き | 知子 | (山田知子79文国) |
黒文字の淡き手応へ水羊羹 | まありい | (吉迫まありい73国際) |
絵本読む幼き声や梅雨に入る | 明子 | (中村明子70文史) |
銀の糸受けて紫陽花なほ青し | 由貴 | (レイトン由貴80文国) |
惜別の棺にダリアとビール券 | 剛 | (中村剛66文英) |
遅れ来し言ひ訳は嘘ソーダ水 | 収子 | (堀収子80文国) |
螢待つ肌に纏はる潤ふ闇 | 怜子 | (和高怜子67文新) |
次回例会
次回もメール句会になります
7月22日(木)13時(締切厳守!) |
兼題:涼し(朝涼 夕涼 晩涼 夜涼 涼風) |
以上
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