ソフィア俳句会
令和三年五月例会(メール句会)報告
2021年06月09日
今月もメール句会となりました。多数の参加を得、名誉教授・大輪靖宏先生の丁寧なご指導、俳句会代表の根来久美子氏初め会員みなさまのご尽力により成立しました。先生方の選句及び自薦句は以下の通りです。
参加者 |
二十五名 |
兼題 |
「初鰹」三句出句七句選 |
大輪 靖宏 選 | ||
(特選) | ||
手を冷やし俎冷やし初鰹 | 都代子 | |
ゆつくりと風を降りたり揚羽蝶 | 都代子 | |
しづけさの卯の花月夜封閉づる | 都代子 | |
湾凪ぐや丘に匂へる花蜜柑 | 陽花 | |
黒潮の滋味ふんだんに初鰹 | 陽花 | |
波のごと一尺皿へ初鰹 | 久美子 | |
神のわざなれば緑に万の色 | 久美子 | |
初鰹母は江戸つ子神田つ子 | 弥生 | |
新緑の光の渦を描き切れず | 弥生 | |
緑風今日まで生きて初かつを | 占爐 | |
藁で焼くあばれ鰹に茶碗酒 | 占爐 | |
こだはりの薬味たつぷり初鰹 | 幸子 | |
新緑に沈め込まれて古館 | 幸子 | |
甲羅干す亀の親子の初夏の池 | 啓子 | |
べく杯の辛口すすむ初鰹 | 榮 | |
流れ落つ京友禅の藤の房 | 由貴 | |
大蒜を効かせし父の初鰹 | 知子 | |
散骨の沖より寄する卯波かな | 健二 | |
糶声の沖までとどく初松魚 | 洋 | |
フランスの水を飲みつつ薔薇眺め | ちあき | |
でで虫やバブルを生きた道ひかる | まありい | |
尖塔へ日の燦燦と聖五月 | 海村 | |
新緑や盛り上がる山風をよぶ | 明子 | |
なほ傘を差し続けるや夕の虹 | 克 | |
(並選) | ||
月あかり銀の目高の夢如何に | 剛 | |
露の身の日捲り半分初鰹 | 剛 | |
菖蒲湯の父の匂ひと昭和かな | 剛 | |
街道の小さき老舗や柏餅 | ザザ虫 | |
大皿に土佐の潮風初鰹 | ザザ虫 | |
麦秋や筑波山背に野良の人 | まつ子 | |
釣れたのよお裾分けあり初鰹 | まつ子 | |
よくとほる声に乗せられ初鰹 | 海村 | |
万緑やいのちあるものみな光り | 海村 | |
初鰹土佐の潮風まとひ来る | 明子 | |
新茶淹れ最中いただき母偲ぶ | 明子 | |
もこもこと窮屈さうね八重桜 | 深雪 | |
臨月の娘に譲る鯉のぼり | 深雪 | |
良い出来と静岡新茶叔父より来 | 香文 | |
ピーヒョロに見上ぐれば山若葉なり | 香文 | |
シェパードと散歩夫人のサングラス | 榮 | |
愚図る児の特効薬の氷菓かな | 榮 | |
地下バーのカクテル赤く梅雨に入る | 陽花 | |
胡座組む祖父へ大皿初鰹 | 知子 | |
舟端にたゆたふ海月薄月夜 | 幸子 | |
鯉の夢なり天翔る水馬 | 久美子 | |
納骨の経終ヘ一匹道教へ | 克 | |
タヒチにも醤油売りをり初鰹 | さむ | |
薔薇ごしに仰ぎ見る先文士の館 | 啓子 | |
紫の花増えてきし梅雨入りかな | ちあき | |
根来久美子 選 | ||
(特選) | ||
手を冷やし俎冷やし初鰹 | 都代子 | |
ゆつくりと風を降りたり揚羽蝶 | 都代子 | |
べく杯の辛口すすむ初鰹 | 榮 | |
よくとほる声に乗せられ初鰹 | 海村 | |
こだはりの薬味たつぷり初鰹 | 幸子 | |
糶声の沖までとどく初松魚 | 洋 | |
(並選) | ||
ひとつ家に時差ある暮らし日日草 | 弥生 | |
散骨の沖より寄する卯波かな | 健二 | |
大蒜を効かせし父の初鰹 | 知子 | |
臨月の娘に譲る鯉のぼり | 深雪 | |
尖塔へ日の燦燦と聖五月 | 海村 | |
新緑や盛り上がる山風をよぶ | 明子 | |
今日の一句(自薦) | ||
波のごと一尺皿へ初鰹 | 久美子 | (根来久美子80文国) |
ヴェネチアであわてて買ひしサングラス | 節子 | (國島節子78外英) |
街道の小さき老舗や柏餅 | ザザ虫 | (小池拓夫64法法) |
二年振り帰国を祝ふ初鰹 | 深雪 | (岩瀬深雪78外独) |
甲羅干す亀の親子の初夏の池 | 啓子 | (永井啓子67文新) |
麦秋や筑波山背に野良の人 | まつ子 | (中岡昭子67文教) |
地下バーのカクテル赤く梅雨に入る | 陽花 | (野地陽子69外英) |
緑風今日まで生きて初かつを | 占爐 | (鈴木顯一62文哲) |
べく杯の辛口すすむ初鰹 | 榮 | (鈴木榮64経経) |
網元の二軒目の店初鰹 | 健二 | (江澤健二60文英) |
蟻踏みてごめんなさいとべその孫 | さむ | (新山修71経経) |
友嬉し土産の酒と初鰹 | 克 | (五十嵐克至60法法) |
手を冷やし俎冷やし初鰹 | 都代子 | (坂井都代子66文英) |
ひとつ家に時差ある暮らし日日草 | 弥生 | (岩淵純子64外英) |
よくとほる声に乗せられ初鰹 | 海村 | (畔柳文雄68物理) |
お斎とて箸の止まらぬ初鰹 | 香文 | (田中香文79文国) |
舟端にたゆたふ海月薄月夜 | 幸子 | (稲田幸子67文教) |
流れ落つ京友禅の藤の房 | 由貴 | (レイトン由貴80文国) |
酒飲めぬ妻は江戸つ子初鰹 | 洋 | (後藤洋68物理) |
雨上がり下駄をつつかけ初鰹 | ちあき | (國司千晶74文仏) |
鹿児島の新茶友より届く朝 | 怜子 | (和高怜子67文新) |
胡座組む祖父へ大皿初鰹 | 知子 | (山田知子79文国) |
初鰹土佐の潮風まとひ来る | 明子 | (中村明子70文史) |
月あかり銀の目高の夢如何に | 剛 | (中村剛66文英) |
悲しさを喜びに変へ毛虫這ふ | まありい | (吉迫まありい73国際) |
次回例会
次回もメール句会になります
締切:6月24日(木)13時(締切厳守!) |
兼題:新茶、ソーダ水、ラムネ、麦茶、甘酒、梅酒、焼酎、冷酒、ビールなど、 夏の季語となっている飲物。 |
以上
ソフィア俳句会の最新情報
2025年01月08日 |
|
2024年12月09日 |
|
2024年11月08日 |
|
2024年10月04日 |
|
2024年09月04日 |