ソフィア俳句会
令和三年三月例会(メール句会)報告
2021年04月16日
今月もメール句会となりました。多数の参加を得、名誉教授・大輪靖宏先生の丁寧なご指導、俳句会代表の根来久美子氏のご尽力により成立しました。先生方の選句及び自薦句は以下の通りです。
参加者 |
二十七名 |
兼題 |
「水温む」(みづぬるむ)「温む水」三句出句七句選 |
大輪靖宏選 | ||
(特選) | ||
ドロップの淡き草色水温む | 陽花 | |
薔薇の芽や門出近づく十八歳 | 陽花 | |
母牛に子牛まとはり花菜風 | 陽花 | |
水温む河ゆるやかに蛇行して | 久美子 | |
さん付けで呼び合ふ夫婦春深し | 久美子 | |
何処より木琴の音水温む | ちあき | |
桜草いもうと欲しき頃のこと | ちあき | |
水温むしぶき飛ばして厨ごと | 知子 | |
水温むアボカドやつと芽を出せり | 知子 | |
カーテンの形に踊る春の風 | 剛 | |
花吹雪駆け来る子らの声眩し | 剛 | |
手水舎の水の温さや檀那寺 | 克 | |
洗ひ場の飯食む真鯉水温む | 榮 | |
ベランダの籠の中より囀れる | 健二 | |
野辺の香のほのと土筆の卵とぢ | 都代子 | |
丹沢もあめふり山も笑ひ初む | 洋 | |
仰ぎ見る十勝の陽光春スキー | 啓子 | |
米を研ぐ手先に伝ふ水温む | 占爐 | |
石鹸玉はじけて稚(やや)のまんまる目 | 幸子 | |
はしやぎ来る仔犬のやうに雪解川 | 深雪 | |
風信子香を吹くラッパ並びけり | まありい | |
薪はぜる陶芸窯に春の雷 | 由貴 | |
剪定の響き心を弾ませて | 怜子 | |
(並選) | ||
万物の蠢く響き水温む | 美音 | |
月ヶ瀬の流れゆるやか谷朧 | 美音 | |
謹呈と師の直筆や暖かし | ザザ虫 | |
古井戸は今も現役水温む | ザザ虫 | |
蟹歩きの耕人ふたり麦畑 | 榮 | |
SPの尖る眼差し冴返る | 榮 | |
デイケアの迎へ待つ間に丁字の香 | 香文 | |
ひたすらに坂道ダッシュ春休み | 香文 | |
黄水仙光の庭にすくと立ち | 明子 | |
富士を背にしらす初漁波しづか | 明子 | |
病より友治り来て水温む | 深雪 | |
別れの日花見る母の小さき背 | 深雪 | |
夕空を二つに割つて春の虹 | 克 | |
久々の包丁研ぎや水温む | 占爐 | |
水温む親子でズボンたくしあげ | 海村 | |
春うれし自走掃除機ルンルンと | さむ | |
部屋清め草餅つまむふたつみつ | 節子 | |
靴はけばもう駆け出す子水温む | 弥生 | |
川底に何かの気配水温む | ザザ虫 | |
水温む金色の鯉まつたりと | 怜子 | |
一番星瀬戸の磯回の汐温む | 剛 | |
物干して丹沢眺むよなぐもり | まつ子 | |
小魚らの思ひさまざま水温む | 由貴 | |
根来久美子選 | ||
(特選) | ||
あらためて酒呑み直す花疲れ | 靖宏 | |
水温みをらむ故郷は過疎なれど | 靖宏 | |
何処より木琴の音水温む | ちあき | |
桜草いもうと欲しき頃のこと | ちあき | |
ドロップの淡き草色水温む | 陽花 | |
花吹雪駆け来る子らの声眩し | 剛 | |
石鹸玉はじけて稚(やや)のまんまる目 | 幸子 | |
(並選) | ||
春雨や家出る用も無きままに | 靖宏 | |
謹呈と師の直筆や暖かし | ザザ虫 | |
甲羅干す亀のかんばせ水温む | 都代子 | |
靴はけばもう駆け出す子水温む | 弥生 | |
SPの尖る眼差し冴返る | 榮 | |
蘖やニセアカシアと呼ばれても | 健二 | |
みちのくの復興十年水温む | 洋 | |
今日の一句(自薦) | ||
あらためて酒呑み直す花疲れ | 靖宏 | (大輪靖宏名誉教授) |
水温む河ゆるやかに蛇行して | 久美子 | (根来久美子80文国) |
あの頃は見合ひの席で桜の湯 | 節子 | (國島節子78外英) |
万物の蠢く響き水温む | 美音 | (向瀬美音82外独) |
謹呈と師の直筆や暖かし | ザザ虫 | (小池拓夫64法法) |
はしやぎ来る仔犬のやうに雪解川 | 深雪 | (岩瀬深雪78外独) |
水温む保育園児の海散歩 | 啓子 | (永井啓子67文新) |
波頭光散りばめ水温む | まつ子 | (中岡昭子67文教) |
ドロップの淡き草色水温む | 陽花 | (野地陽子69外英) |
久々の包丁研ぎや水温む | 占爐 | (鈴木顯一62文哲) |
蟹歩きの耕人ふたり麦畑 | 榮 | (鈴木榮64経経) |
池の杙鳥が取り合ひ水温む | 健二 | (江澤健二60文英) |
春うれし自走掃除機ルンルンと | さむ | (新山修71経経) |
手水舎の水の温さや檀那寺 | 克 | (五十嵐克至60法法) |
甲羅干す亀のかんばせ水温む | 都代子 | (坂井都代子66文英) |
水牛の草喰む岸辺水温む | 弥生 | (岩淵純子64外英) |
南洲像の背向くる花の東叡山 | 海村 | (畔柳文雄68物理) |
池覗き動かぬ子ゐて水温む | 香文 | (田中香文79文国) |
雛あられ色も甘みも妻好み | 幸子 | (稲田幸子67文教) |
薪はぜる陶芸窯に春の雷 | 由貴 | (レイトン由貴80文国) |
辿り来て温む水辺やとぐろ蛇 | 洋 | (後藤洋68物理) |
何処より木琴の音水温む | ちあき | (國司千晶74文仏) |
剪定の響き心を弾ませて | 怜子 | (和高怜子67文新) |
水温むしぶき飛ばして厨ごと | 知子 | (山田知子79文国) |
黄水仙光の庭にすくと立ち | 明子 | (中村明子70文史) |
カーテンの形に踊る春の風 | 剛 | (中村剛66文英) |
大福にくちびる埋む花の茶屋 | まありい | (吉迫まありい73国際) |
次回例会
次回もメール句会になります
締切:4月22日(木)13時(締切厳守!) |
兼題:「蝶」 |
以上
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