ソフィア俳句会
令和三年二月例会(メール句会)報告
2021年03月11日
今月もメール句会となりました。多数の参加を得、名誉教授・大輪靖宏先生の丁寧なご指導、俳句会代表の根来久美子氏のご尽力により成立しました。先生方の選句及び自薦句は以下の通りです。
参加者 |
二十七名 |
兼題 |
「下萌」「草萌」「草青む」三句出句七句選 |
大輪靖宏選 | ||
(特選) | ||
小流の日の差す側の草萌ゆる | 海村 | |
炊きたてのご飯と海苔とたくあんと | 海村 | |
早春やあれこれ選ぶ種袋 | ザザ虫 | |
下萌や土竜の動く土動く | ザザ虫 | |
草萌や自転車寝かせ遠筑波 | 陽花 | |
春の雷鳴き竜の眼の光りけり | 陽花 | |
しくじりの末のゑくぼや草青む | 都代子 | |
菜飯喰みこころ平らに箸置けり | 都代子 | |
鬼ごつこの鬼は先生草萌ゆる | ちあき | |
柔らかき土の匂ひや青き踏む | ちあき | |
春一番フルートを吹く羊飼ひ | 美音 | |
日本地図広げてをりぬ草青む | 美音 | |
草青む倒木に跳ぶ子山羊かな | 由貴 | |
春光をまとふ湖水の青深し | 由貴 | |
おにぎりの中身いろいろ草青む | 久美子 | |
夜の雪崩かすかに揺るる玻璃障子 | 幸子 | |
芝青みビバルディ聴く午後三時 | まつ子 | |
春風をこの身に纏ひ畦を行く | さむ | |
ものの芽が土をほぐして今朝の雨 | 怜子 | |
下萌に坐せば土の香上りくる | 知子 | |
母を呼ぶ幼児言葉や春障子 | 克 | |
下萌えや目蓋重たき牧の牛 | ふえり | |
日に光り撫でてほし気に猫柳 | 香文 | |
水源を尋ねる山路草青む | 剛 | |
(並選) | ||
春浅し食断ち灰の水曜日 | 弥生 | |
出かけよう香り漂ふ梅日和 | 弥生 | |
気立てよき少女のやうにスイートピー | まありい | |
ジグザグに煉瓦ひび割れ下萌ゆる | まありい | |
梅が香に誘はれ道の庚申塚 | 怜子 | |
草青む上水沿ひの歩数伸び | 怜子 | |
水仙にそつと触れ嗅ぐ一歳半 | 香文 | |
下萌を見るたび力湧きにけり | 香文 | |
大空へこぐブランコや草萌ゆる | 明子 | |
まだ鳴かぬ鶯来たり陽をまとひ | 明子 | |
金色の花粉に塗れ紋白蝶 | 美音 | |
朝散歩五感目覚めて草青む | 深雪 | |
梅の花嘗て憶へし盛衰記 | 海村 | |
暮紛れ忌服の家の沈丁花 | 幸子 | |
下萌の土手駆け上るスニーカー | 知子 | |
挿木の芽膨らみて薔薇新たなる | 剛 | |
春の泥跳ね上げ駈ける草競馬 | ザザ虫 | |
せせらぎを破調で渡る紋白蝶 | 健二 | |
白梅やふつと今生忘れたり | 都代子 | |
香煙や一筋揺れて春兆す | 克 | |
もぐら塚崩さんとして猫の子ら | さむ | |
草青む明日の温みを土に秘め | 洋 | |
リード解き子犬小走り草青む | まつ子 | |
農道の遠富士白し梅日和 | 陽花 | |
根来久美子選 | ||
(特選) | ||
かげろふの招く地の涯見に行かむ | 靖宏 | |
紅梅の今日は美人によく遇ふ日 | 靖宏 | |
しくじりの末のゑくぼや草青む | 都代子 | |
菜飯喰みこころ平らに箸置けり | 都代子 | |
草萌や自転車寝かせ遠筑波 | 陽花 | |
春の雷鳴き竜の眼の光りけり | 陽花 | |
せせらぎを破調で渡る紋白蝶 | 健二 | |
(並選) | ||
草萌ゆる地球あまたの戦火秘め | 靖宏 | |
鬼ごつこの鬼は先生草萌ゆる | ちあき | |
柔らかき土の匂ひや青き踏む | ちあき | |
気立てよき少女のやうにスイートピー | まありい | |
白梅やふつと今生忘れたり | 都代子 | |
水源を尋ねる山路草青む | 剛 | |
春光をまとふ湖水の青深し | 由貴 | |
今日の一句(自薦) | ||
かげろふの招く地の涯見に行かむ | 靖宏 | (大輪靖宏名誉教授) |
啓蟄の土手に集合鼓笛隊 | 久美子 | (根来久美子80文国) |
雪退けば蕗の薹あり下萌ゆる | 占慮 | (鈴木顯一62文哲) |
盆栽の松の根切りや下萌ゆる | 栄 | (鈴木榮64経経) |
挿木の芽膨らみて薔薇新たなる | 剛 | (中村剛66文英) |
春浅し食断ち灰の水曜日 | 弥生 | (岩淵純子64外英) |
春風をこの身に纏ひ畦を行く | さむ | (新山修71経経) |
梅の花嘗て憶へし盛衰記 | 海村 | (畔柳文雄68物理) |
下萌やがさと飛び立つ番鳥 | 克 | (五十嵐克至60法法) |
早春やあれこれ選ぶ種袋 | ザザ虫 | (小池拓夫64法法) |
草萌えや輪廻の地球うたがはず | 洋 | (後藤洋68物理) |
暮紛れ忌服の家の沈丁花 | 幸子 | (稲田幸子67文教) |
草萌えや畑に撒かれし消石灰 | 健二 | (江澤健二60文英) |
しくじりの末のゑくぼや草青む | 都代子 | (坂井都代子66文英) |
水仙にそつと触れ嗅ぐ一歳半 | 香文 | (田中香文79文国) |
ぬか漬けの酸つぱきに醒む春炬燵 | ふえり | (廣野ふえり82文社) |
大空へこぐブランコや草萌ゆる | 明子 | (中村明子70文史) |
芝青みビバルディ聴く午後三時 | まつ子 | (中岡昭子67文教) |
ものの芽が土をほぐして今朝の雨 | 怜子 | (和高怜子67文新) |
草萌や自転車寝かせ遠筑波 | 陽花 | (野地陽子69外英) |
朝散歩五感目覚めて草青む | 深雪 | (岩瀬深雪78外独) |
草青む犬もはずむよ朝散歩 | 節子 | (國島節子78外英) |
白梅や二輪寄り添ひ照れ笑ひ | 由貴 | (レイトン由貴80文国) |
気立てよき少女のやうにスイートピー | まありい | (吉迫まありい73国際) |
金色の花粉に塗れ紋白蝶 | 美音 | (向瀬美音82外独) |
下萌の土手駆け上るスニーカー | 知子 | (山田知子79文国) |
踏みしめし大地のぐらり春の闇 | ちあき | (國司千晶74文仏) |
次回例会
今月同様メール句会となります。
締切:3月25日(木)13時(締切厳守!) |
兼題:「水温む(みづぬるむ)」「温む水」 |
以上
ソフィア俳句会の最新情報
2024年10月04日 |
|
2024年09月04日 |
|
2024年08月02日 |
|
2024年07月05日 |
|
2024年06月03日 |