ソフィア俳句会
令和二年十二月例会(メール句会)報告
2021年01月14日
今月もメール句会となりました。多数の参加を得、名誉教授・大輪靖宏先生の丁寧なご指導、俳句会代表の根来久美子氏のご尽力により成立しました。先生方の選句及び自薦句は以下の通りです。
参加者 |
二十七名 |
兼題 |
「クリスマス」(降誕祭・聖誕節・聖樹・クリスマスツリー・聖夜・聖菓・クリスマスケーキ・サンタクロース・クリスマスイブなど)三句出句七句選 |
大輪靖宏選 | ||
(特選) | ||
冬銀河滴り前庭に聖樹 | 久美子 | |
売物は気つ風と縁起年の市 | 久美子 | |
魚河岸の朝餉掻つ込む寒卵 | 陽花 | |
大寺の古釘のごと枯蟷螂 | 陽花 | |
湯上りの乳(ち)吸ふ初孫柚子かをる | 幸子 | |
三線の遠より流れ冬銀河 | 幸子 | |
木々の間のあかるさに冬整ひぬ | 都代子 | |
わらふ子の目鼻ばらばら冬うらら | 都代子 | |
「あ」と孫の指さす一輪冬椿 | 香文 | |
四層の聖歌に揺るるチャペルの灯 | 香文 | |
枯葉踏み寄せ合ふ肩に舞ふ枯葉 | 剛 | |
靴下に幼き夢や聖し夜 | 剛 | |
手袋を脱いで畳んで実はねえ | ちあき | |
教会の天井高し聖夜ミサ | ちあき | |
吊し柿八ヶ岳(やつ)の影絵に昏むとす | ザザ虫 | |
コロナ禍にさみしき聖誕深夜弥撒 | 占爐 | |
ポインセチア赤子すやすや生まれたて | 弥生 | |
幸せの雫あふるる聖夜ミサ | 啓子 | |
夜咄をしたく聞きたく部屋温し | まつ子 | |
母となる娘と祝ふクリスマス | ふえり | |
枯葦の透ける夕日の沼鏡 | 榮 | |
サイレンの遠く近くに凍つる夜 | 由貴 | |
もう少し黄落葉の道御堂まで | 明子 | |
セザンヌの画に入るや吾冬木立 | 深雪 | |
(並選) | ||
クリスマスミサは地球をひとまはり | 深雪 | |
イヴの夜天使のやうに雪の舞ふ | 深雪 | |
横丁の静けさ辿る聖夜かな | 健二 | |
灯や待降節の飼葉桶 | 健二 | |
はやぶさ2(ツー)次のミツションへ星冴ゆる | 怜子 | |
樅ヒバの小枝小林檎リースの香 | 怜子 | |
年の瀬や人情噺ふえて来し | 海村 | |
聖夜劇ひつじの一人あくびして | 海村 | |
父親のサンタ姿に気付かぬ児 | 占爐 | |
コロナ禍に聖誕祭のネットミサ | 占爐 | |
鐘の音の響くフィレンツェ聖夜ミサ | 弥生 | |
腕白も今日だけ天使聖夜劇 | 弥生 | |
面長の辻の地蔵も年用意 | 明子 | |
御堂出で聖夜の星を仰ぎけり | 明子 | |
くるぶしを擽られゆく落葉道 | 洋 | |
信心のうすき者とて聖夜ミサ | さむ | |
Gパンにガウンまとひて降誕歌 | 香文 | |
雪催ひ空合問ひたし摩崖仏 | 由貴 | |
冬帝の居座る書庫の大辞典 | 榮 | |
悴める両手に拝む観世音 | ふえり | |
聖夜の宴翌日静かに逝きし母 | 啓子 | |
幼侍者褒美はバーガー聖夜弥撒 | 幸子 | |
締切を一つ抱へて日向ぼこ | 久美子 | |
聖夜更くミラボー橋の靴の音 | 陽花 | |
園児らのパントマイムの聖夜劇 | まありい | |
根来久美子選 | ||
(特選) | ||
富士遠く三浦の丘に大根引く | 靖宏 | |
病む友の窓いつぱいの冬日和 | 靖宏 | |
魚河岸の朝餉掻つ込む寒卵 | 陽花 | |
大寺の古釘のごと枯蟷螂 | 陽花 | |
冬帝の居座る書庫の大辞典 | 榮 | |
手袋を脱いで畳んで実はねえ | ちあき | |
サイレンの遠く近くに凍つる夜 | 由貴 | |
(並選) | ||
木々の間のあかるさに冬整ひぬ | 都代子 | |
母となる娘と祝ふクリスマス | ふえり | |
イヴの夜天使のやうに雪の舞ふ | 深雪 | |
子も孫も会へぬコロナ禍クリスマス | 靖宏 | |
聖夜劇ひつじの一人あくびして | 海村 | |
教会の天井高し聖夜ミサ | ちあき | |
園児らのパントマイムの聖夜劇 | まありい | |
今日の一句(自薦) | ||
富士遠く三浦の丘に大根引く | 靖宏 | (大輪靖宏名誉教授) |
冬銀河滴り前庭に聖樹 | 久美子 | (根来久美子80文国) |
コロナ禍に聖誕祭のネットミサ | 占爐 | (鈴木顯一62文哲) |
冬帝の居座る書庫の大辞典 | 榮 | (鈴木榮64経経) |
磔刑像に縁なき衆生の聖し夜 | 剛 | (中村剛66文英) |
ポインセチア赤子すやすや生まれたて | 弥生 | (岩淵純子64外英) |
信心のうすき者とて聖夜ミサ | さむ | (新山修71経経) |
シュトーレンの二切れをもて聖夜とす | 海村 | (畔柳文雄68物理) |
聖樹の灯も店の灯も消え空の闇 | 克 | (五十嵐克至60法法) |
吊し柿八ヶ岳(やつ)の影絵に昏むとす | ザザ虫 | (小池拓夫64法法) |
くるぶしを擽られゆく落葉道 | 洋 | (後藤洋68物理) |
湯上りの乳(ち)吸ふ初孫柚子かをる | 幸子 | (稲田幸子67文教) |
横丁の静けさ辿る聖夜かな | 健二 | (江澤健二60文英) |
木々の間のあかるさに冬整ひぬ | 都代子 | (坂井都代子66文英) |
Gパンにガウンまとひて降誕歌 | 香文 | (田中香文79文国) |
悴める両手に拝む観世音 | ふえり | (廣野ふえり82文社) |
面長の辻の地蔵も年用意 | 明子 | (中村明子70文史) |
夜咄をしたく聞きたく部屋温し | まつ子 | (中岡昭子67文教) |
はやぶさ2(ツー)次のミツションへ星冴ゆる | 怜子 | (和高怜子67文新) |
魚河岸の朝餉掻つ込む寒卵 | 陽花 | (野地陽子69外英) |
クリスマスミサは地球をひとまはり | 深雪 | (岩瀬深雪78外独) |
幸せの雫あふるる聖夜ミサ | 啓子 | (永井啓子67文新) |
父若しカーディガン着てギター弾く | 節子 | (國島節子78外英) |
雪催ひ空合問ひたし摩崖仏 | 由貴 | (レイトン由貴80文国) |
クリスマス犬も揃ひのパジャマ着て | まありい | (吉迫まありい73国際) |
やはらかき根深の熱き思ひ知る | 純子 | (梅本純子82文仏) |
聖夜待つ壁の銅鍋磨き込み | ちあき | (國司千晶74文仏) |
次回例会
今月同様メール句会となります。
締切:1月28日(水)13時(時間厳守) |
兼題:「春待つ」「待春(たいしゅん)」 |
以上
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