ソフィア俳句会 令和二年十月例会(メール句会)報告
2020年11月11日
今月もメール句会となりました。多数の参加を得、名誉教授・大輪靖宏先生の丁寧なご指導、俳句会代表の根来久美子氏のご尽力により成立しました。先生方の選句及び自薦句は以下の通りです。
参加者 |
二十九名 |
|
兼題 |
「栗」 | 三句出句七句選 |
大輪靖宏選 | ||
(特選) | ||
鳥渡る農夫の磨く神楽面 | 陽花 | |
からまつの針踏む小径秋のこゑ | 陽花 | |
栗熱しセーヌ河畔に襟立てて | 陽花 | |
栗爆ずる朝の小径にリスの影 | 深雪 | |
願掛の如く栗剥く里の母 | 深雪 | |
栗剥く手休めて思ふ母のこと | まつ子 | |
ななかまどなほ夕映えに身をさらし | まつ子 | |
乱れ咲くままに千草の百花園 | ふえり | |
休肝日ひと日ずらして月見酒 | ふえり | |
さしあたり箪笥二段の冬支度 | 海村 | |
冬瓜の熱きを食みてはへひほふ | 海村 | |
栗を剥く我が手父の手そつくりに | 怜子 | |
不ぞろひの小芋ほつこり椀に盛る | 怜子 | |
日の匂ひ添へて新米届きけり | ちあき | |
穭田や畔一列に小学生 | ちあき | |
錆鮎の濃き肌色の濡れ具合 | 洋 | |
刈り終へて二段三段高き稲架 | 洋 | |
一枝の栗をいただき篭に挿す | 明子 | |
空青し球根植うる小さき手 | 明子 | |
草臥れし夕日まみれの栗の毬 | 都代子 | |
濃りんだう先へと誘ふ那須の岳 | 幸子 | |
曼殊沙華の同時多発の火の手かな | 健二 | |
秋高し大和三山定まりぬ | 栄司 | |
秋深し余白のおほき詩集かな | 剛 | |
畑にてさあひと休みきのこ汁 | 節子 | |
雨上がり落栗拾ふ児らの声 | 占爐 | |
(並選) | ||
止め石の先は結界秋の蝶 | 久美子 | |
笑栗に化けたるロストボールかな | 久美子 | |
栗を剥くことも行事や寮暮し | 久美子 | |
秋麗や白猫集ふ田原坂 | 美音 | |
栗名月かひなの傷のやや癒えぬ | 美音 | |
ふくよかな息吹漂ふ今年米 | 美音 | |
浪人の子に勝栗の一袋 | 克 | |
蔓引くや梢の莢に種の音 | 克 | |
落栗の笑みて羅漢の泣きし顔 | 克 | |
秋の池風なき朝を映しゆく | 知子 | |
栗ご飯となれば放課後栗拾ひ | 知子 | |
喰む顔を浮かべて剥くや栗の皮 | 知子 | |
金木犀月の雫をまき散らす | 弥生 | |
長き夜の句作の友や電子辞書 | 弥生 | |
紫蘇の実をしごく母の背小さくなり | 香文 | |
落栗を横目で探せし通学路 | 香文 | |
秋晴れや庭好き友のもんぺかな | 啓子 | |
花寺の蔓梅擬に会ふ小路 | 啓子 | |
鱗立つ白龍速し紅葉川 | まありい | |
甘き香の栗のポタージュ帰宅待つ | まありい | |
朝まだき風止むを待ち栗拾ふ | ザザ虫 | |
雍容と喜寿を迎へて栗おこは | 洋 | |
片恋の文挟みあり雨月の書 | 剛 | |
十三夜炉端に埋めし栗のはぜ | 占爐 | |
透明の衝立越しの秋思かな | 榮 | |
一面にかそけき花の蕎麦畑 | まつ子 | |
栗ご飯一汁のみでみな笑顔 | さむ | |
鵯もどる樹間を縫つて飛び叫び | 怜子 | |
山々も錦を競ふ運動会 | 深雪 | |
大使館蔦もみぢして国旗映ゆ | 幸子 | |
襟立てて焼栗抱へジャンギャバン | ちあき | |
根来久美子選 | ||
(特選) | ||
毬栗のごと天性を隠しけり | まありい | |
鱗立つ白龍速し紅葉川 | まありい | |
巫女の朱の袴さばきや菊日和 | 靖宏 | |
休肝日ひと日ずらして月見酒 | ふえり | |
曼殊沙華の同時多発の火の手かな | 健二 | |
秋深し余白のおほき詩集かな | 剛 | |
襟立てて焼栗抱へジャンギャバン | ちあき | |
(並選) | ||
冬瓜の熱きを食みてはへひほふ | 海村 | |
さしあたり箪笥二段の冬支度 | 海村 | |
焼栗を一つ配られ中華街 | 健二 | |
栗買ひて無沙汰の友を尋ねみむ | 靖宏 | |
透明の衝立越しの秋思かな | 榮 | |
蔓引くや梢の莢に種の音 | 克 | |
不ぞろひの小芋ほつこり椀に盛る | 怜子 | |
今日の一句(自薦) | ||
巫女の朱の袴さばきや菊日和 | 靖宏 | (大輪靖宏名誉教授) |
止め石の先は結界秋の蝶 | 久美子 | (根来久美子80文国) |
いが栗を蹴る児のお頭まんまるく | 占爐 | (鈴木顯一62文哲) |
摘み菜の朝どり椀の生気汲む | 榮 | (鈴木榮64経経) |
片恋の文挟みあり雨月の書 | 剛 | (中村剛66文英) |
金木犀月の雫をまき散らす | 弥生 | (岩淵純子64外英) |
熟れ柿を選りつ黒々大鴉 | さむ | (新山修71経経) |
さしあたり箪笥二段の冬支度 | 海村 | (畔柳文雄68物理) |
浪人の子に勝栗の一袋 | 克 | (五十嵐克至60法法) |
朝まだき風止むを待ち栗拾ふ | ザザ虫 | (小池拓夫64法法) |
雍容と喜寿を迎へて栗おこは | 洋 | (後藤洋68物理) |
笑栗や記録更新万歩計 | 幸子 | (稲田幸子67文教) |
焼栗を一つ配られ中華街 | 健二 | (江澤健二60文英) |
草臥れし夕日まみれの栗の毬 | 都代子 | (坂井都代子66文英) |
紫蘇の実をしごく母の背小さくなり | 香文 | 田中香文79文国) |
乱れ咲くままに千草の百花園 | ふえり | (廣野ふえり82文社) |
秋の池風なき朝を映しゆく | 知子 | (山田知子79文国) |
毬栗のごと天性を隠しけり | まありい | (吉迫まありい73国際) |
わたされし赤き落葉を書に挿む | 明子 | (中村明子70文史) |
栗剥く手休めて思ふ母のこと | まつ子 | (中岡昭子67文教) |
栗を剥く我が手父の手そつくりに | 怜子 | (和高怜子67文新) |
鳥渡る農夫の磨く神楽面 | 陽花 | (野地陽子69外英) |
栗爆ずる朝の小径にリスの影 | 深雪 | (岩瀬深雪78外独) |
秋晴れや庭好き友のもんぺかな | 啓子 | (永井啓子67文新) |
漬物の定食うまし柿日和 | 栄司 | (仲英司82外独) |
朔日や金木犀のかくれをり | 純子 | (梅本純子82文仏) |
秋麗や白猫集ふ田原坂 | 美音 | (向瀬美音82外独) |
栗いがをそつと触るは子猫かな | 節子 | (國島節子78外英) |
日の匂ひ添へて新米届きけり | ちあき | (國司千晶74文仏) |
次回例会
今月同様メール句会となります。
締切: | 11月26日 | (木曜)13時 | (時間厳守) |
兼題: | 「帰り花」 |
以上
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