ソフィア俳句会 令和二年九月例会(メール句会)報告
2020年10月13日
今月もメール句会となりました。多数の参加を得、名誉教授・大輪靖宏先生の丁寧なご指導、俳句会代表の根来久美子氏のご尽力により成立しました。先生方の選句及び自薦句は以下の通りです。
参加者 |
三十名 |
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兼題 |
「爽やか」 | (爽涼・さやけし・さやか)「三句出句七句選 |
大輪靖宏選 | ||
(特選) | ||
店頭の立体絵本小鳥来る | 榮 |
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松手入小鉤脚絆の身の軽さ | 榮 |
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この小道どこまで続く猫じやらし | ちあき |
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コスモスや借り手のつかぬ駐車場 | ちあき |
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爽涼や手足に風を寄せ歩く | 都代子 |
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あいまいな学期始めや草の絮 | 都代子 |
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爽やかや穂先触れ来る遊歩道 | 知子 |
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爽涼や茶の葉ゆつくり開きたり | 知子 |
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子ら帰りジャングルジムに秋茜 | 幸子 |
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添ひ寝せし児(やや)はや夢見つくつくし | 幸子 |
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爽やかや川面を過ぐる風の跡 | 克 |
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峡谷の深さ縁取る初紅葉 | まありい |
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爽やかに竿いつぱいの濯ぎ物 | まつ子 |
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秋灯や土曜の夜のテレワーク | 栄司 |
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表札の隠るるばかり乱れ萩 | ザザ虫 |
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爽朝の湖上釣り船五六隻 | 啓子 |
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神木に命震はせ秋の蝉 | ふえり |
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蒼空にうすくかかりし下弦月 | 怜子 |
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舫ひ綱しつかと伊根の野分雲 | 陽花 |
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爽やかに老いゆく母と高笑ひ | 深雪 |
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稲妻や螺鈿の櫛に古き傷 | 久美子 |
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衣被ぎするりと剥けて彼岸入り | 弥生 |
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エイト漕ぐ波蹴るリズム爽やかに | 占爐 |
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血を吸ひ上ぐるごとじわじわ紅葉づ箒草 | 香文 |
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さやけしやシーツと遊ぶ風の色 | 哲 |
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(並選) | ||
空の秋三振まへの大ファウル | さむ |
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さはやかな笑顔の遺影兄おくる | さむ |
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素粒子論わからぬままの本の秋 | さむ |
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爽やかや気をつけ直れ消防士 | ザザ虫 |
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秋爽やハーレ列なす高速道 | ザザ虫 |
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名月やまつすぐ見つむ片想ひ | 純子 |
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実るほど腰かがめをり葡萄棚 | 純子 |
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爽やかや超難問のパズル解け | 海村 |
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通夜の席辞すれば闇の虫時雨 | 海村 |
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爽やかに喜寿の峠を越えにけり | 弥生 |
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玄関に珍客の蝦蟇秋彼岸 | 弥生 |
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さはやかにマスクのなおみ命問ふ | 陽花 |
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とんぼふゆ信濃の駅の発車ベル | 陽花 |
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爽やかに誓ふ言葉や新夫婦 | ふえり |
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風に聞く小諸馬子唄そばの花 | ふえり |
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稽古了へふと秋風に取りまかれ | 哲 |
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脇下の体温計に今朝の秋 | 哲 |
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爽やかな風に合はせて浜辺ヨガ | 啓子 |
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アマカメラマン落暉待ち受け秋の海 | 啓子 |
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風さやか口衝く古き忘れ歌 | 剛 |
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ATM無き町なれど星月夜 | 剛 |
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爽やかや絆強まるウェブ句会 | 久美子 |
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やうやくと朝夕散歩さはやかに | 幸子 |
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遥かなる色なき風の平城京 | 美音 |
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鳳仙花爆ぜて喜ぶ村の子ら | 節子 |
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預かりし児の泣き笑ふ虫の夜 | 深雪 |
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さはやかな調べ弓手のピアニスト | 榮 |
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さやけしや一葉落ちて時節(トキ)を知る | 占爐 |
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人にそれぞれ遠き道あり草は実に | 洋 |
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谷わたる鐘の音さやか時つげる | 明子 |
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圏外表示金木犀の香のなかに | 栄司 |
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母子馬添ひて草喰むさやかなり | まつ子 |
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秋爽や白内障の手術の日 | 克 |
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鰯網一目一目が日を返す | 都代子 |
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爽やかやステンドグラスより朝日 | ちあき |
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風爽か画伯の好む朽葉色 | まありい |
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根来久美子選 | ||
(特選) | ||
店頭の立体絵本小鳥来る | 榮 |
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峡谷の深さ縁取る初紅葉 | まありい |
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火の残る秋刀魚さしだす路地の店 | 靖宏 |
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神木に命震はせ秋の蝉 | ふえり |
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とんぼふゆ信濃の駅の発車ベル | 陽花 |
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舫ひ綱しつかと伊根の野分雲 | 陽花 |
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コスモスや借り手のつかぬ駐車場 | ちあき |
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(並選) | ||
爽やかに目覚め生命の湧き出づる | 靖宏 |
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この小道どこまで続く猫じやらし | ちあき |
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爽涼や手足に風を寄せ歩く | 都代子 |
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表札の隠るるばかり乱れ萩 | ザザ虫 |
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今日の一句(自薦) | ||
高原の風渡り来る今朝の秋 | 靖宏 | (大輪靖宏名誉教授) |
稲妻や螺鈿の櫛に古き傷 | 久美子 | (根来久美子80文国) |
竹の寺青きの残り爽かに | 占爐 | (鈴木顯一62文哲) |
松手入小鉤脚絆の身の軽さ | 榮 | (鈴木榮64経経) |
ATM無き町なれど星月夜 | 剛 | (中村剛66文英) |
爽やかに喜寿の峠を越えにけり | 弥生 | (岩淵純子64外英) |
素粒子論わからぬままの本の秋 | さむ | (新山修71経経) |
独酌のもう馴れつこに新走り | 海村 | (畔柳文雄68物理) |
爽やかや川面を過ぐる風の跡 | 克 | (五十嵐克至60法法) |
爽やかや気をつけ直れ消防士 | ザザ虫 | (小池拓夫64法法) |
人にそれぞれ遠き道あり草は実に | 洋 | (後藤洋68物理) |
添ひ寝せし児(やや)はや夢見つくつくし | 幸子 | (稲田幸子67文教) |
爽やかに雲の消えゆく朝かな | 健二 | (江澤健二60文英) |
爽涼や手足に風を寄せ歩く | 都代子 | (坂井都代子66文英) |
巷での騒ぎをよそに栗笑ふ | 香文 | (田中香文79文国) |
神木に命震はせ秋の蝉 | ふえり | (廣野ふえり82文社) |
爽やかに襁を替へる若きパパ | 知子 | (山田知子79文国) |
峡谷の深さ縁取る初紅葉 | まありい | (吉迫まありい73国際) |
本を閉ぢ外に出でよと風さやか | 明子 | (中村明子70文史) |
爽やかに竿いつぱいの濯ぎ物 | まつ子 | (中岡昭子67文教) |
さはやかに若き歯科医と義歯合はせ | 怜子 | (和高怜子67文新) |
さはやかにマスクのなおみ命問ふ | 陽花 | (野地陽子69外英) |
とうきびを茹でずチンする令和かな | 深雪 | (岩瀬深雪78外独) |
さやけしやシーツと遊ぶ風の色 | 哲 | (松尾哲94理機) |
爽やかな風に合はせて浜辺ヨガ | 啓子 | (永井啓子67文新) |
爽やかに赤子の手足ぴくぴくと | 栄司 | (仲英司82外独) |
かたかなの花の名おぼえ道さやか | 純子 | (梅本純子82文仏) |
遥かなる色なき風の平城京 | 美音 | (向瀬美音82外独) |
うちカフェで友に愚痴りて胡桃食む | 節子 | (國島節子78外英) |
コスモスや借り手のつかぬ駐車場 | ちあき | (國司千晶74文仏) |
次回例会
今月同様メール句会となります。
締切: | 10月22日 | (木曜)13時 | (時間厳守) |
兼題: | 「栗」 |
以上
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