ソフィア俳句会 令和二年八月例会(メール句会)報告
2020年09月11日
今月もメール句会となりました。多数の参加を得、名誉教授・大輪靖宏先生の丁寧なご指導、俳句会代表の根来久美子氏のご尽力により成立しました。先生方の選句及び自薦句は以下の通りです。
参加者 |
二十九名 |
兼題 |
「残暑」「秋暑し」三句出句七句選 |
大輪靖宏選 | ||
(特選) | ||
ぶぶ漬で済ます昼餉や秋暑し | 海村 | |
炎帝の居据る構へ大八洲 | 海村 | |
明滅の息揃ふとき恋蛍 | 海村 | |
暑さまだ残りて秋のただ暮れて | 占爐 | |
山間に激辛中華の残暑なる | 占爐 | |
鎌倉に夏残りゐて麦藁帽 | 占爐 | |
ウェブ会議にまじる雑音終戦日 | 栄司 | |
マニュアルに略語の多き残暑かな | 栄司 | |
自粛して八月十五日長し | 栄司 | |
鉄棒の錆の移り香秋暑し | 榮 | |
虫送り灯影波打つ千枚田 | 榮 | |
オン・ザ・ロック氷崩るる秋暑し | 剛 | |
若き父また帰り来る原爆忌 | 剛 | |
泣き声を競ふ産院夜の秋 | 陽花 | |
手庇で眺む石庭残暑かな | 克 | |
父の臥す部屋に居残る暑さかな | 知子 | |
雷去りてかなかなの声湧き出ずる | 明子 | |
天命を果たして静か桐一葉 | 久美子 | |
朝顔の葉の切先のすこやかさ | 都代子 | |
Tシャツの首よれよれと秋暑し | ふえり | |
脚摩り腰たたきおり冷房中 | 啓子 | |
まづこれをここにかうして盆用意 | 純子 | |
丈揃ひ野地蔵に添ひ曼珠沙華 | 幸子 | |
子育てのはるかに遠し砂日傘 | まつ子 | |
送り火や鐘の音響く京五山 | 弥生 | |
工場のダクトに夕陽蚊喰鳥 | 洋 | |
白き道のこる暑さに揺らめいて | 怜子 | |
南洋に残る遺骨や白芙蓉 | 由果 | |
(並選) | ||
ままごとのすし屋でつまむミント巻 | 深雪 | |
秋暑し首の手拭さまになり | 深雪 | |
湯上りにタヲル三枚残暑かな | 深雪 | |
残暑とて朝の紅茶の香に気づく | 怜子 | |
上水の鯉をつかむと裸足の子 | 怜子 | |
宿題をまへにため息残暑かな | さむ | |
はらからのまた一人へり秋の寺 | さむ | |
ブラウスを出してはしまふ秋暑し | 純子 | |
手花火やおててにのせてと目輝く | 純子 | |
医者の日の往きも戻りも秋暑し | 都代子 | |
錆鮎を釣りぬと卓の電子音 | 都代子 | |
ネオン管ショートしさうに熱帯夜 | ふえり | |
流灯会読経流るる水の上 | ふえり | |
トタン屋根残暑一気に引き受けて | 幸子 | |
到来の桃の香家を占領す | 幸子 | |
蟷螂や草刈し間にぬつと出づ | 香文 | |
朝のうち外で遊ぶ子秋暑し | 香文 | |
ぬか床の天地をかへす休暇明 | まありい | |
初秋や絹糸のこま結ぶ指 | まありい | |
ラジオより玉音終り残暑雲 | 克 | |
子の通す小さき片意地花のうぜん | 克 | |
夕虹や先のことなどわからねど | ちあき | |
白波の沖まで立ちて原爆忌 | ちあき | |
赤錆の門扉開け閉て盆帰省 | 知子 | |
日は暮れて献立浮かばぬ残暑かな | 知子 | |
秋暑し火焔土器見る考古館 | ザザ虫 | |
丸の内ビルからビルへ秋暑し | ザザ虫 | |
風を見て我慢続ける残暑かな | 健二 | |
晩夏光開拓の地のマリア像 | 陽花 | |
鶏舎より残暑の風の吹き来る | 哲 | |
線香花火波乱の生を全うす | 久美子 | |
太宰府の礎石の列に飛蝗とぶ | 明子 | |
根来久美子選 | ||
(特選) | ||
大川を老の棹さす残暑かな | 靖宏 | |
古里の夜の深さに天の河 | 靖宏 | |
鉄棒の錆の移り香秋暑し | 榮 | |
天空に群れなす魚影秋来る | 榮 | |
ウェブ会議にまじる雑音終戦日 | 栄司 | |
マニュアルに略語の多き残暑かな | 栄司 | |
Tシャツの首よれよれと秋暑し | ふえり | |
明滅の息揃ふとき恋蛍 | 海村 | |
子の通す小さき片意地花のうぜん | 克 | |
若き父また帰り来る原爆忌 | 剛 | |
(並選) | ||
炎帝の居据る構へ大八洲 | 海村 | |
はらからのまた一人へり秋の寺 | さむ | |
子育てのはるかに遠し砂日傘 | まつ子 | |
送り火や鐘の音響く京五山 | 弥生 | |
到来の桃の香家を占領す | 幸子 | |
今日の一句(自薦) | ||
古里の夜の深さに天の河 | 靖宏 | (大輪靖宏名誉教授) |
天命を果たして静か桐一葉 | 久美子 | (根来久美子80文国) |
暑さまだ残りて秋のただ暮れて | 占爐 | (鈴木顯一62文哲) |
天空に群れなす魚影秋来る | 榮 | (鈴木榮64経経) |
若き父また帰り来る原爆忌 | 剛 | (中村剛66文英) |
送り火や鐘の音響く京五山 | 弥生 | (岩淵純子64外英) |
甲子園走者一掃秋暑し | さむ | (新山修71経経) |
炎帝の居据る構へ大八洲 | 海村 | (畔柳文雄68物理) |
手庇で眺む石庭残暑かな | 克 | (五十嵐克至60法法) |
残暑かな火焔土器見る考古館 | ザザ虫 | (小池拓夫64法法) |
手枕の寝釈迦の眠る残暑かな | 洋 | (後藤洋68物理) |
トタン屋根残暑一気に引き受けて | 幸子 | (稲田幸子67文教) |
風を見て我慢続ける残暑かな | 健二 | (江澤健二60文英) |
朝顔の葉の切先のすこやかさ | 都代子 | (坂井都代子66文英) |
灼熱の墓地考へ話すも手短に | 香文 | (田中香文79文国) |
流灯会読経流るる水の上 | ふえり | (廣野ふえり82文社) |
父の臥す部屋に居残る暑さかな | 知子 | (山田知子79文国) |
ぬか床の天地をかへす休暇明 | まありい | (吉迫まありい73国際) |
昼下り開かぬ踏み切り残暑なほ | 明子 | (中村明子70文史) |
世に有リてジレンマの中秋暑し | まつ子 | (中岡昭子67文教) |
残暑とて朝の紅茶の香に気づく | 怜子 | (和高怜子67文新) |
ステイホーム残る暑さの不協和音 | 陽花 | (野地陽子69外英) |
ままごとのすし屋でつまむミント巻 | 深雪 | (岩瀬深雪78外独) |
戦闘機山の向かうに秋の風 | 哲 | (松尾哲94理機) |
脚摩り腰たたきおり冷房中 | 啓子 | (永井啓子67文新) |
ウェブ会議にまじる雑音終戦日 | 栄司 | (仲英司82外独) |
手花火やおててにのせてと目輝く | 純子 | (梅本純子82文仏) |
戸をこつとやんまに祖々のけはひかな | 由果 | (小谷由果04文国) |
白波の沖まで立ちて原爆忌 | ちあき | (國司千晶74文仏) |
次回例会
今月同様メール句会となります。
締切: | 9月24日(木曜)13時(時間厳守) |
兼題: | 「爽やか」(爽涼・さやけし・さやか) |
以上
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