ソフィア俳句会 令和二年七月例会(メール句会)報告
2020年08月06日
今月もメール句会となりました。多数の参加を得、名誉教授・大輪靖宏先生の丁寧なご指導、俳句会代表の根来久美子氏のご尽力により成立しました。先生方の選句及び自薦句は以下の通りです。
参加者 |
三十一名 |
兼題 |
「風鈴」三句出句七句選 |
大輪靖宏選 | ||
(特選) | ||
風鈴や二人のしじま満たされて | 美音 | |
父の香の残る書斎や梅雨晴間 | 美音 | |
風鈴や終の住処は海の町 | ザザ虫 | |
風鈴や醤油の匂ふ佃島 | ザザ虫 | |
風鈴の錆もて深む音色かな | 海村 | |
入日まで少し間のあり藍浴衣 | 海村 | |
水羊羹曲がつたことがきらひなの | 海村 | |
潮風を纏ひ風鈴鈍き音 | 啓子 | |
風鈴を吊るせば風の立ちにけり | 健二 | |
荒梅雨の朝は鴉の声ばかり | 健二 | |
風鈴の音透きとほる日照雨あと | 陽花 | |
扉また扉の火蛾や歌舞伎町 | 陽花 | |
風鈴のかぜ澄みこころ澄む刹那 | 洋 | |
店仕舞ひ風鈴の音続きをり | まありい | |
貝風鈴そつと近づく眠気かな | まありい | |
風鈴の屋台ゆるゆる坂登る | 明子 | |
風鈴の独り言聞く留守居かな | 榮 | |
公園に眠る機関車大西日 | 榮 | |
風鈴や思ふ人くる気配あり | 怜子 | |
荷をほどき先ず風鈴を吊るしけり | ちあき | |
風鈴市潜れば魔法にかかりゆく | 哲 | |
寝姿も西瓜の食べ方も親子 | 久美子 | |
風鈴や魔除けの紙片ひらひらと | ふえり | |
よく来たね笑顔の祖母の冷素麺 | さむ | |
風鈴を出して仕舞ひて都会の夜 | 知子 | |
火取虫自粛自粛といはれても | 栄司 | |
(並選) | ||
平等院天の音譜の如く蓮 | 久美子 | |
風鈴の恋へば涼風よく笑ふ | 久美子 | |
雲海や切れ目に夜景旅の空 | 深雪 | |
地下鉄に響く風鈴北の街 | 深雪 | |
喰ひ逃げの一匹に焚く蚊遣香 | 榮 | |
南部風鈴玄関に下げ客を待つ | 弥生 | |
湯上りに冷やし甘酒峡の宿 | 弥生 | |
駄菓子屋の婆うたた寝し江戸風鈴 | 幸子 | |
風鈴やひとつふたつの風を知る | 幸子 | |
団扇もてゆるりと赤子寝かしつけ | 幸子 | |
梅雨晴れに青き揚羽の乱舞かな | 怜子 | |
散らばってまた固まって水遊び | ちあき | |
墨の香と江戸風鈴に迎へられ | ちあき | |
夕風を待ちて繰り出す風鈴市 | 知子 | |
手花火のうはさ話の途中果つ | 栄司 | |
裏窓の江戸風鈴の音たしか | 栄司 | |
風鈴やうごきだす朝みつめをり | 純子 | |
緋色なるまほろば大和夏至ゆふべ | 美音 | |
風鈴に煩悩ひとつ預けけり | まつ子 | |
手水鉢廊下に吊るす京風鈴 | 占爐 | |
昼寝より醒むれば風鈴鳴りゐたり | 占爐 | |
風鈴に猫も縁側好み来し | 啓子 | |
君逝くや愛せし月山雲の峰 | 啓子 | |
妻愛でし南部風鈴今年また | 克 | |
蜩の輪唱止まぬ箱根古道 | 由貴 | |
競ひ合ふ風鈴多数浅草寺 | 由貴 | |
砂打ちて笑ひ弾ける西瓜割 | さむ | |
バス降りてマスク外して新呼吸 | 明子 | |
いまなんじおやつ待つ子の汗ひかる | 明子 | |
「なんじゃもんじゃ」その名に引かれ鉢を買ふ | ザザ虫 | |
艶やかな茄子の漬物母偲ぶ | 節子 | |
夏のれん白粉匂ふ楽屋口 | 陽花 | |
風鈴の短冊に夢書いてみる | 剛 | |
風鈴の艶めき家の音となり | 哲 | |
根来久美子選 | ||
(特選) | ||
風鈴の独り言聞く留守居かな | 榮 | |
扉また扉の火蛾や歌舞伎町 | 陽花 | |
吊ればすぐ風鈴風と遊びけり | 靖宏 | |
水羊羹曲がつたことがきらひなの | 海村 | |
火取虫自粛自粛といはれても | 栄司 | |
(並選) | ||
夏帽子かぶり散歩の人となる | 靖宏 | |
喰ひ逃げの一匹に焚く蚊遣香 | 榮 | |
風鈴や醤油の匂ふ佃島 | ザザ虫 | |
風鈴の錆もて深む音色かな | 海村 | |
店仕舞ひ風鈴の音続きをり | まありい | |
散らばってまた固まって水遊び | ちあき | |
手花火のうはさ話の途中果つ | 栄司 | |
水の丈だけの身の丈未草 | 洋 | |
公園に眠る機関車大西日 | 榮 | |
風鈴を出して仕舞ひて都会の夜 | 知子 | |
今日の一句(自薦) | ||
夏帽子かぶり散歩の人となる | 靖宏 | (大輪靖宏名誉教授) |
平等院天の音譜の如く蓮 | 久美子 | (根来久美子80文国) |
錆て猶妣の風鈴鳴り続く | 占爐 | (鈴木顯一62文哲) |
風鈴の短冊に夢書いてみる | 剛 | (中村剛66文英) |
湯上りに冷やし甘酒峡の宿 | 弥生 | (岩淵純子64外英) |
よく来たね笑顔の祖母の冷素麺 | さむ | (新山修71経経) |
入日まで少し間のあり藍浴衣 | 海村 | (畔柳文雄68物理) |
雨空に籠る晩鐘箸風鈴 | 克 | (五十嵐克至60法法) |
「なんじゃもんじゃ」その名に引かれ鉢を買ふ | ザザ虫 | (小池拓夫64法法) |
風鈴の風と戯る機嫌かな | 洋 | (後藤洋68物理) |
風鈴やひとつふたつの風を知る | 幸子 | (稲田幸子67文教) |
風鈴を吊るせば風の立ちにけり | 健二 | (江澤健二60文英) |
満目の空の青さや大夏野 | 都代子 | (坂井都代子66文英) |
ねだりし風鈴吹きて扇ぎて走りし日 | 香文 | (田中香文79文国) |
梅雨晴れ間窓全開にくさや焼く | ふえり | (廣野ふえり82文社) |
夕風を待ちて繰り出す風鈴市 | 知子 | (山田知子79文国) |
貝風鈴そつと近づく眠気かな | まありい | (吉迫まありい73国際) |
いまなんじおやつ待つ子の汗ひかる | 明子 | (中村明子70文史) |
風鈴や風が教へし昼下がり | まつ子 | (中岡昭子67文教) |
風鈴や思ふ人くる気配あり | 怜子 | (和高怜子67文新) |
艶やかな茄子の漬物母偲ぶ | 節子 | (國島節子78外英) |
風鈴の音透きとほる日照雨あと | 陽花 | (野地陽子69外英) |
地下鉄に響く風鈴北の街 | 深雪 | (岩瀬深雪78外独) |
風鈴を遠音にしたる涅槃かな | 哲 | (松尾哲94理機) |
風鈴に猫も縁側好み来し | 啓子 | (永井啓子67文新) |
思ひ出を広げては畳む虫干の日 | 由貴 | (レイトン由貴80文国) |
火取虫自粛自粛といはれても | 栄司 | (仲英司82外独) |
天瓜粉上を向いたり下見たり | 純子 | (梅本純子82文仏) |
父の香の残る書斎や梅雨晴間 | 美音 | (向瀬美音82外独) |
荷をほどき先ず風鈴を吊るしけり | ちあき | (國司千晶74文仏) |
次回例会
今月同様メール句会となります。
締切: | 8月27日(木曜)13時(時間厳守) |
兼題: | 兼題残暑(秋暑し、残る暑さ) |
以上
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