ソフィア俳句会 令和二年三月例会(メール句会)報告
2020年04月13日
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、予定されておりました句会は、初めてメールによるネット句会となりました。多数の参加を得、名誉教授・大輪靖宏先生の丁寧なご指導、俳句会代表の根来久美子氏のご尽力により成立しました。先生方の選句及び自薦句は以下の通りです。
参加者 |
二十八名 |
兼題 |
「東風」三句出句五句選 |
大輪 靖宏 選 | ||
(特選) | ||
目印は屋根越すミモザ友の家 | 香文 | |
信号待ちの皆同じ向き東風荒らし | 香文 | |
啓蟄や人は家居の日の続く | 香文 | |
醍醐寺を隈なく染めし桜東風 | 久美子 | |
亀鳴くや埴輪ぽかんと口を開け | 久美子 | |
花菜漬散らす弁当大と小 | 久美子 | |
引鴨や終の別れとなるものも | 海村 | |
強東風に鈴の途切るる札所道 | 海村 | |
来てみればいつも梅東風父の墓 | 弥生 | |
梅東風や烈公揮毫の寺の門 | 弥生 | |
蝌蚪の尾の気儘気紛れ水任せ | 洋 | |
この水を遊び尽くして鴨帰る | 洋 | |
梅東風や古都の香りを連れてくる | 美音 | |
どこまでが雲どこまでが花朧 | 美音 | |
桜東風庭掃く夫の手の止まず | 占爐 | |
東風日和園児と砂場に無我の刻 | 占爐 | |
勇ましく飛ぶは雉鳩春一番 | 健二 | |
東風吹いて八百屋に並ぶ地物かな | 健二 | |
春の雪色づく花芽(かが)に紗をかけて | 怜子 | |
願わくば日々安らかに水温む | 節子 | |
木道の日差しの先や小灰蝶 | 克 | |
生まれたて蒲公英のいろ空にのび | 純子 | |
強東風にマストの音が忙しく | まつ子 | |
強東風や海山迫る小樽線 | 陽花 | |
ものの芽のほぐれて紅く透きとほる | まありぃ | |
おまけだよこごみを貰ひたらの芽も | 幸子 | |
(並選) | ||
はなむけの文書き居れば春の雪 | ふえり | |
菜の花を荒ぐくりして無人店 | ふえり | |
記念樹の上は大空雲雀東風 | ふえり | |
パンジーのスープいただくおままごと | 明子 | |
富士そびゆ笑ふ山々従へて | 明子 | |
ヘウ柄のオバチャン笑ひ街に春 | さむ | |
東風吹きて湯島の絵馬のカラコロン | さむ | |
石仏十二並んで東風祝ふ | 剛 | |
指貫や春光虚ろ母恋し | 剛 | |
あちこちで愚痴聞く日なり東風強し | 占爐 | |
月おぼろ尼さま手箱ひらきけり | 陽花 | |
作業場のニッカボッカに東風強し | 幸子 | |
梅東風や絵馬に二文字希望校 | ザザ虫 | |
強東風やばつと両手をひろげ受く | 純子 | |
白絵具ひとすじ刷けり春の空 | まありぃ | |
人の声みなこころよし春眠し | 弥生 | |
東風受けて小さく波たて杜の池 | まつ子 | |
東風吹きてセーラー服の襟の立つ | 知子 | |
東風吹けば黒髪に目の流さるる | 哲 | |
諍ひて春の苺の酸つぱくて | 克 | |
花の幹人の往還見つづけて | 怜子 | |
春の雪戦時の逸話読みゐれば | 都代子 | |
ものの芽や皆一斉に上を向き | 美音 | |
根来 久美子 選 | ||
(特選) | ||
豪農の七段飾り享保雛 | 靖宏 | |
はなむけの文書き居れば春の雪 | ふえり | |
この水を遊び尽くして鴨帰る | 洋 | |
(並選) | ||
来てみればいつも梅東風父の墓 | 弥生 | |
人の声みなこころよし春眠し | 弥生 | |
朝東風や迂回おほきく渡し舟 | 海村 | |
引鴨や終の別れとなるものも | 海村 | |
月おぼろ尼さま手箱ひらきけり | 陽花 | |
二時四十六分みちのくに春の虹 | ちあき | |
的を射し上馬一騎の花の道 | 榮 | |
蕗の薹採りて今宵は妻と酒 | 靖宏 | |
虚深き大樹千年告ぐる花 | 榮 | |
啓蟄や人は家居の日の続く | 香文 | |
ものの芽のほぐれて紅く透きとほる | まありぃ | |
花の幹人の往還見つづけて | 怜子 | |
今日の一句(自薦) | ||
豪農の七段飾り享保雛 | 靖宏 | (大輪靖宏名誉教授) |
亀鳴くや埴輪ぽかんと口を開け | 久美子 | (根来久美子80文国) |
東風日和園児と砂場に無我の刻 | 占爐 | (鈴木顕一62文哲) |
虚深き大樹千年告ぐる花 | 榮 | (鈴木榮64経経) |
徒桜春に背いて散り惜しめ | 剛 | (中村剛66文英) |
来てみればいつも梅東風父の墓 | 弥生 | (岩淵純子64外英) |
ヘウ柄のオバチャン笑ひ街に春 | さむ | (新山修71経経) |
朝東風や迂回おほきく渡し舟 | 海村 | (畔柳文雄68理物) |
端々に国の訛りや土匂ふ | 克 | (五十嵐克至60法法) |
梅東風や絵馬に二文字希望校 | ザザ虫 | (小池拓夫64法法) |
ベランダへ東風くる頃の世に暮らす | 洋 | (後藤 洋68物理) |
花吹雪姉やの棺遠く消ゆ | 幸子 | (稲田幸子67文教) |
東風吹いて八百屋に並ぶ地物かな | 健二 | (江澤健二60文英) |
多羅の木のつんと突つ立ち芽のつんと | 都代子 | (坂井都代子66文英) |
目印は屋根越すミモザ友の家 | 香文 | (田中香文79文国) |
はなむけの文書き居れば春の雪 | ふえり | (廣野ふえり82文社) |
東風吹くや仕事帰りの鯛焼屋 | 知子 | (山田知子79文国) |
白絵具ひとすじ刷けり春の空 | まありい | (吉迫まありい73国際) |
光満ち窓が大きく見える朝 | 明子 | (中村明子70文史) |
神の意思何処にあるのか桜咲く | まつ子 | (中岡昭子67文教) |
花の幹人の往還見つづけて | 怜子 | (和高怜子67文新) |
東風吹きて我踊るなり赤い靴 | 節子 | (國島節子78外英) |
月おぼろ尼さま手箱ひらきけり | 陽花 | (野地陽子69外英) |
悍ましきコロナ負かせむ東風よ吹け | 深雪 | (岩瀬深雪78外独) |
ものの芽や皆一斉に上を向き | 美音 | (向瀬美音82外独) |
強東風やばつと両手をひろげ受く | 純子 | (梅本純子82文仏) |
東風吹きて埋立の丘海へいず | 哲 | (松尾哲94理機) |
二時四十六分みちのくに春の虹 | ちあき | (國司千晶74文仏) |
次回例会
今月同様メール句会となります。
投句締切: | 4月23日(木)13時 |
投句数 : | 兼題「朧月」または「月おぼろ」を含む3句(自薦句を明記) |
以上
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