ソフィア俳句会 令和元年十二月例会報告
2020年01月10日
名誉教授・大輪靖宏先生のご指導のもと、かながわ県民センター 会議室にて開催されました。
俳句会代表の根来久美子氏の選も併せてお届けします。
令和元年十二月例会報告
日 時 |
十二月二十六日(木 |
句会場 |
かながわ県民センター 会議室 |
参加者 |
二十名 |
兼題 |
「年用意」 |
大輪 靖宏 選 | ||
(特選) | ||
地下足袋を干して庭師の大晦日 | 弥生 | |
柚子採りし時の傷もて柚子湯かな | 香文 | |
母ひとり離れて老いぬ冬至粥 | 洋 | |
一病を温めて居り冬至風呂 | ふえり | |
追ひ焚きに柚子の揺れ出す冬至風呂 | 健二 | |
年ごとに手抜きの増えて年用意 | 占爐 | |
競る声の鰤跳ね起きる威勢かな | 剛 | |
マフラーに編み込まれたる暖炉の香 | 久美子 | |
何枚か新札に換へ年用意 | ザザ虫 | |
隠沼の暮行く中の浮寝鳥 | 榮 | |
(並選) | ||
外套のボタン補強し被災地へ | 久美子 | |
菰被り積みて大社の年用意 | 海村 | |
青い火の石油ストーブ捨て難し | さむ | |
予防接種予約するのも年用意 | ちあき | |
陽の匂ひ乗せてお揃ひ冬帽子 | 幸子 | |
風呂吹きや煮崩れさうで食べごろで | 弥生 | |
輪島塗りの夫婦箸買ひ年用意 | 弥生 | |
年用意禿(ち)びる鉛筆捨もして | 克 | |
芝浜を聞きつゆるりと年用意 | さむ | |
肩力ませて紙面読む母寒き朝 | 香文 | |
根来 久美子 選 | ||
(特選) | ||
一病を温めて居り冬至風呂 | ふえり | |
簡略と省略多き年用意 | 海村 | |
机上の書置き換へただけ年用意 | 靖宏 | |
(並選) | ||
煤を逃れ桃源郷に遊ぶかな | 洋 | |
菰被り積みて大社の年用意 | 海村 | |
柚子採りし時の傷もて柚子湯かな | 香文 | |
相輪のみなまで見ゆる冬木立 | 海村 | |
亡き友の書簡捨て得ぬ年用意 | 靖宏 | |
テーブルを倍の長さに年用意 | 純子 | |
競る声の鰤跳ね起きる威勢かな | 剛 | |
今日の一句(自薦) | ||
移り行く季を愛で過ごす冬至かな | 靖宏 | (大輪靖宏名誉教授) |
マフラーに編み込まれたる暖炉の香 | 久美子 | (根来久美子80文国) |
年用意老いし男手邪魔とせず | 占爐 | (鈴木顕一62文哲) |
家族してタオル包むも年用意 | 榮 | (鈴木榮64経経) |
競る声の鰤跳ね起きる威勢かな | 剛 | (中村剛66文英) |
地下足袋を干して庭師の大晦日 | 弥生 | (岩淵純子64外英) |
青い火の石油ストーブ捨て難し | さむ | (新山修71経経) |
菰被り積みて大社の年用意 | 海村 | (畔柳文雄68理物) |
天狼の真下の闇や瀬音して | 克 | (五十嵐克至60法法) |
文系か理系か迷ふ漱石忌 | ザザ虫 | (小池拓夫64法法) |
母ひとり離れて老いぬ冬至粥 | 洋 | (後藤 洋68物理) |
冬夕焼鴉お前も見惚れたか | 幸子 | (稲田幸子67文教) |
追ひ焚きに柚子の揺れ出す冬至風呂 | 健二 | (江澤健二60文英) |
年用意主婦の三ツ星ランキング | 深雪 | (岩瀬深雪78外独) |
年用意うつすら残る母のメモ | 陽花 | (野地陽子69外英) |
跳ねかへる壁打ちボール冬菫 | 都代子 | (坂井都代子66文英) |
柚子採りし時の傷もて柚子湯かな | 香文 | (田中香文79文国) |
テーブルを倍の長さに年用意 | 純子 | (梅本純子82文仏) |
一病を温めて居り冬至風呂 | ふえり | (廣野ふえり82文社) |
煖炉の火消えて城主の杖の音 | ちあき | (國司千晶74文仏) |
次回例会
一月二十三日(木)十三時~十八時(出句締め切り十三時十分)
句会場 | かながわ県民センター 一五〇一会議室 |
兼題 | 「若菜」「七種」「七草」五句出句十句選 |
以上
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