ソフィア俳句会 令和元年十月例会報告
2019年11月06日
名誉教授・大輪靖宏先生のご指導のもと、かながわ県民センター会議室にて開催されました。
俳句会代表の根来久美子氏、俳句専門誌「俳句界」の編集長で同窓の河内静魚氏の選も併せてお届けします。
令和元年十月例会報告
日 時 |
十月二十四日(木) |
句会場 |
かながわ県民センター 会議室 |
参加者 |
二十一名 |
兼題 |
「新酒」「古酒」 |
大輪 靖宏 選 | ||
(特選) | ||
秋深し火の気の失せし登り窯 | ちあき | |
肩書の無き名刺刷る十三夜 | 久美子 | |
裏木戸を茗荷の花の仄明り | 榮 | |
ぐい飲みの新酒に浮かぶ旧き悔い | 剛 | |
新酒酌む灰に煤けし田楽屋 | 知子 | |
薪を割る音のなかなる柿の秋 | ザザ虫 | |
黄落や果たせぬことの降りつもる | 扇冶 | |
粧ひは山懐の一樹より | 海村 | |
露の身の今日ありてこそ新酒酌む | 剛 | |
前のめりしてそのままの枯鶏頭 | 静魚 | |
(並選) | ||
ほどけゆく飛行機雲に秋夕焼 | まつ子 | |
故郷の川は厳しや鮭の鼻 | 克 | |
テレビより昭和の演歌新酒酌む | 榮 | |
古酒の酔ひ兄と昔の話して | ザザ虫 | |
爽やかや気分のみにて生くること | 静魚 | |
懸命に生きし遺影に古酒ささぐ | まつ子 | |
杉玉を見る頃合と越の旅 | 占爐 | |
障子貼りをへて飲む茶の温かさ | さむ | |
新酒酌む時は故郷想ふ時 | 弥生 | |
交番の留守預かつて柿たわわ | 久美子 | |
秋深しあきらめること覚えけり | ちあき | |
鳥突く前に採りたし庭の柿 | 香文 | |
根来 久美子 選 | ||
(特選) | ||
鳥渡る地上にいくつマリア像 | ちあき | |
(並選) | ||
お越しやす新酒どすえと若女将 | 靖宏 | |
雁わたる感情の尾を曳くやうに | 静魚 | |
降るごとき想を求めて星月夜 | 靖宏 | |
薪を割る音のなかなる柿の秋 | ザザ虫 | |
秋寒し使ひ捨てではない地球 | 弥生 | |
黄落や果たせぬことの降りつもる | 扇冶 | |
粧ひは山懐の一樹より | 海村 | |
盃に新酒と齢重ねけり | 扇冶 | |
行平の把手かたかた轡虫 | 都代子 | |
河内 静魚 選 | ||
(特選) | ||
ぐい呑みの肌理はなやぎて新酒酌む | 扇冶 | |
黄落や果たせぬことの降りつもる | 扇冶 | |
懸命に生きし遺影に古酒ささぐ | まつ子 | |
栗ごはん赤子寝る間に炊きあがり | 幸子 | |
鳥渡る地上にいくつマリア像 | ちあき | |
(並選) | ||
お越しやす新酒どすえと若女将 | 靖宏 | |
古酒に酔ふ如し胡王の赤ら面 | 洋 | |
鶴来る寝台特急停まる駅 | 海村 | |
新酒酌む灰に煤けし田楽屋 | 知子 | |
繰り返す父の話や古酒の盃 | 克 | |
新酒嬉し古酒で締めるはなほ嬉し | 久美子 | |
升縁にひよつとこ口で新酒酌む | まつ子 | |
故郷に古酒を味はふ遊行僧 | 靖宏 | |
新蕎麦や空にくつきり八ヶ岳 | 久美子 | |
台風一過柿は無事かと雨戸開く | 香文 | |
耳鳴りは通奏低音秋深し | 弥生 | |
今日の一句(自薦) | ||
故郷に古酒を味はふ遊行僧 | 靖宏 | (大輪靖宏名誉教授) |
肩書の無き名刺刷る十三夜 | 久美子 | (根来久美子80文国) |
前のめりしてそのままの枯鶏頭 | 静魚 | (河内房夫74文新) |
雲移り天の抜けたり烏瓜 | 都代子 | (坂井都代子66文英) |
新酒酌み闘球(ラグビ)の笛に酔ひゐたり | 占爐 | (鈴木顕一62文哲) |
飛蝗とぶ大河は海へ二十余里 | 榮 | (鈴木榮64経経) |
露の身の今日ありてこそ新酒酌む | 剛 | (中村剛66文英) |
新酒酌む時は故郷想ふ時 | 弥生 | (岩淵純子64外英) |
台風一過柿は無事かと雨戸開く | 香文 | (田中香文79文国) |
友来る新酒携へ五年振り | さむ | (新山修71経経) |
粧ひは山懐の一樹より | 海村 | (畔柳文雄68理物) |
故郷の川は厳しや鮭の鼻 | 克 | (五十嵐克至60法法) |
「棚纏め」とて一家総出のぶだう摘む | ザザ虫 | (小池拓夫64法法) |
古酒に酔ふ如し胡王の赤ら面 | 洋 | (後藤 洋68物理) |
新酒酌む灰に煤けし田楽屋 | 知子 | (山田知子79文国) |
ほどけゆく飛行機雲に秋夕焼 | まつ子 | (中岡昭子67文教) |
栗ごはん赤子寝る間に炊きあがり | 幸子 | (稲田幸子67文教) |
盃に新酒と齢重ねけり | 扇冶 | (児山智明86文新) |
漆黒をなぐさめたまへ星月夜 | 純子 | (梅本純子82文仏) |
蔵人の唄は祈りや新走り | ちあき | (國司千晶74文仏) |
次回例会
十一月二十八日(木)十三時~十八時(出句締め切り十三時十分)
句会場 | かながわ県民センター 一五〇一会議室 |
兼題 | 「小春」五句出句十句選 |
以上
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