ソフィア俳句会 令和元年七月例会報告
2019年08月09日
名誉教授・大輪靖宏先生のご指導のもと、かながわ県民センター 会議室にて開催されました。
俳句会代表の根来久美子氏、俳句専門誌「俳句界」の編集長で同窓の河内静魚氏の選も併せてお届けします。
令和元年七月例会報告
日 時 |
七月二十五日(木) |
句会場 |
かながわ県民センター 会議室 |
参加者 |
二十一名 兼題「ビール」 |
大輪 靖宏 選 | ||
(特選) | ||
この星の鼓動ことこと泉湧く | 久美子 | |
生ビール言ひたきことは泡の下 | 克 | |
風鈴売歩く拍子を音にして | 海村 | |
島の子に手をふりつづけ土用凪 | まありい | |
不発弾忘れられけり草茂る | 健二 | |
三十六峰夏うぐひすの音のこだま | 陽花 | |
昼寝覚豆腐屋喇叭流れゆく | 幸子 | |
泡消えしビールに口つけ通夜の客 | ちあき | |
ベネチアングラスの重み夜の秋 | 静魚 | |
地ビールを旅の記憶とともに飲む | 香文 | |
(並選) | ||
飲み干すやすぐ潰す癖缶ビール | 海村 | |
免許返上知らせる友や半夏生 | 弥生 | |
また一艘小舟消えゆく梅雨霞 | ちあき | |
空蝉や糺の森の夜はさやぎ | 陽花 | |
カレー屋に男ばかりの極暑かな | 静魚 | |
田圃からあふれ出す水夏の音 | 知子 | |
草むしり終へ諍ひの種忘る | 久美子 | |
触れ難く花びら数へ難く薔薇 | 健二 | |
枝豆を外す鋏の音青し | 都代子 | |
神わざの泡愛でてより生ビール | 久美子 | |
根来 久美子 選 | ||
(特選) | ||
触れ難く花びら数へ難く薔薇 | 健二 | |
(並選) | ||
菅抜や逢魔が時を忍ぶ猫 | 剛 | |
片陰を歩く右利き左利き | 健二 | |
老鶯とチェロの音響く覚園寺 | 香文 | |
生きていれば共白髪かな朝の虹 | 剛 | |
泡消えしビールに口つけ通夜の客 | ちあき | |
大西日ビルの大窓ぐらりとす | さむ | |
ビアホールペンをグラスに持ちかへて | 都代子 | |
枝豆を外す鋏の音青し | 都代子 | |
病葉や地球次第に傷みをり | 靖宏 | |
河内 静魚 選 | ||
(特選) | ||
生ビール言ひたきことは泡の下 | 克 | |
浜夜風ビールの旨き外野席 | 靖宏 | |
大暑かな墨池の底の墨の跡 | 克 | |
再会を金の麦酒が祝ひけり | まありい | |
水平線燃やし尽くして夏果てり | 久美子 | |
(並選) | ||
ハンバーガー辛子よく効き夏の雲 | 陽花 | |
乾杯も締めも地ビール里帰り | 久美子 | |
風鈴売歩く拍子を音にして | 海村 | |
栗花落雨(ついりあめ)ゆつくり流るる隅田川 | 弥生 | |
ベルリンに今は壁なくビール干す | ザザ虫 | |
触れ難く花びら数へ難く薔薇 | 健二 | |
梅雨寒し格天井の絵のほつれ | 榮 | |
神わざの泡愛でてより生ビール | 久美子 | |
地ビールを旅の記憶とともに飲む | 香文 | |
今日の一句(自薦) | ||
故郷は人無きままに喜雨の中 | 靖宏 | (大輪靖宏名誉教授) |
この星の鼓動ことこと泉湧く | 久美子 | (根来久美子80文国) |
涼しさやグラスとグラス映り合ひ | 静魚 | (河内房夫74文新) |
三十六峰夏うぐひすの音のこだま | 陽花 | (野地陽子69外英) |
逆上がりできたよぼくも雲の峰 | 都代子 | (坂井都代子66文英) |
一日暮れ一切忘れビール呑む | 占爐 | (鈴木顕一62文哲) |
講演を前に演者の黒ビール | 榮 | (鈴木榮64経経) |
レース編むシスター一人受付に | 幸子 | (稲田幸子67文教) |
菅抜や逢魔が時を忍ぶ猫 | 剛 | (中村剛66文英) |
免許返上知らせる友や半夏生 | 弥生 | (岩淵純子64外英) |
老鶯とチェロの音響く覚園寺 | 香文 | (田中香文79文国) |
大西日ビルの大窓ぐらりとす | さむ | (新山修71経経) |
不発弾忘れられけり草茂る | 健二 | (江澤健二60文英) |
南座にまだ日を残す川床仕度 | 海村 | (畔柳文雄68理物) |
生ビール言ひたきことは泡の下 | 克 | (五十嵐克至60法法) |
田圃からあふれ出す水夏の音 | 知子 | (山田知子79文国) |
こまやかな泡の結界ビール注ぐ | まありい | (吉迫まありい73国際) |
ベルリンに今は壁なくビール干す | ザザ虫 | (小池拓夫64法法) |
万緑や神々の棲む森に入る | 深雪 | (岩瀬深雪78外独) |
友ありて世界をつなぐビールかな | 基靖 | (小泉 基靖 69経経) |
また一艘小舟消えゆく梅雨霞 | ちあき | (國司千晶74文仏) |
次回例会
八月二十二日(木)十三時~十七時(出句締め切り十三時十分)
句会場 | かながわ県民センター 一五〇一会議室 |
兼題 | 「夜の秋」 五句出句十句選 |
以上
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