ソフィア俳句会 令和元年五月例会報告
2019年05月30日
名誉教授・大輪靖宏先生のご指導のもと、ソフィアンズクラブ会議室にて開催されました。
俳句会代表の根来久美子氏、俳句専門誌「俳句界」の編集長で同窓の河内静魚氏の選も併せてお届けします。
令和元年五月例会報告
日 時 |
五月二十三日(木) 十三時∼十七時 |
句会場 |
ソフィアンズクラブ会議室 |
参加者 |
参加者 二十二名 兼題「菖蒲」「あやめ」 |
大輪 靖宏 選 | ||
(特選) | ||
花の名に歩をとどめつつ菖蒲苑 | 幸子 | |
若鮎の骨端正にはづれけり | 都代子 | |
陽光を捕らへてみせる若葉かな | 健二 | |
菖蒲生け正客の席定まりぬ | 占爐 | |
ガラス戸をぐいつと開けて夏に入る | 久美子 | |
歌ふ子を運ぶママチャリ初夏の町 | 剛 | |
花あやめ一本すつくと掛花瓶 | ザザ虫 | |
新緑の山迫り来る窓の外 | 深雪 | |
夏の風星をゆらしてゆきにけり | 静魚 | |
砂浜に残る足跡夏の月 | 美音 | |
(並選) | ||
華やぎを滲ませて咲くあやめかな | 健二 | |
遥かまで麦の穂続く巡礼路 | 明子 | |
雲裂きし山の日差や花あやめ | 静魚 | |
万象の呼吸なりけりみどりの日 | 美音 | |
地下鉄の穴より出でて街薄暑 | 海村 | |
新緑のそよげば翼生るる背ナ | 久美子 | |
放たれし稚魚の光りて夏兆す | 陽花 | |
東寺展出れば涼し昼の風 | 克 | |
真つ直ぐに生きて子に苅る菖蒲かな | 久美子 | |
しんしんと茶釜沸いたり夏座敷 | 克 | |
根来 久美子 選 | ||
(特選) | ||
夏の風星をゆらしてゆきにけり | 静魚 | |
渡し舟菖蒲にそつと女の手 | 靖宏 | |
(並選) | ||
若鮎の骨端正にはづれけり | 都代子 | |
陽光を捕らへてみせる若葉かな | 健二 | |
あやめ挿す門前仲町奈良茶飯 | ザザ虫 | |
朗読の抑揚に艶麦の秋 | 健二 | |
放たれし稚魚の光りて夏兆す | 陽花 | |
万緑やゆりかごの如ロープウェイ | まつ子 | |
すくと立つ菖蒲水辺の時を止め | 怜子 | |
砂浜に残る足跡夏の月 | 美音 | |
河内 静魚 選 | ||
(特選) | ||
地下鉄の穴より出でて街薄暑 | 海村 | |
東寺展出れば涼し昼の風 | 克 | |
あぢさゐの藍濃し逢瀬一度きり | 陽花 | |
あめんぼうぽかんと浮いて夏をまつ | 東耀 | |
匠の手遺る古寺花あやめ | 陽花 | |
砂浜に残る足跡夏の月 | 美音 | |
(並選) | ||
脚腰をきたえて孫と三社祭 | 東耀 | |
公園の広きを抱いて首都緑夜 | 久美子 | |
女には詩があり菖蒲に句の欲しき | 靖宏 | |
フルートの音色甘きは初夏の庭 | 節子 | |
ガラス戸をぐいつと開けて夏に入る | 久美子 | |
あやめ草茜の空の広きこと | 都代子 | |
放たれし稚魚の光りて夏兆す | 陽花 | |
光満つ谷間を埋める桐の花 | まつ子 | |
駿河路や茶畑の波夏めきぬ | 明子 | |
新緑の山迫り来る窓の外 | 深雪 | |
茶畑をよぎる新幹線五月 | 都代子 | |
母の日や知らず知らずに母に似て | 幸子 | |
かの国の武装ますます葱坊主 | 弥生 | |
すくと立つ菖蒲水辺の時を止め | 怜子 | |
赤くなるまでの輝き青トマト | 健二 | |
今日の一句(自薦) | ||
水面の張力に乗りあめんぼう | 靖宏 | (大輪靖宏名誉教授) |
ガラス戸をぐいつと開けて夏に入る | 久美子 | (根来久美子80文国) |
夏の風星をゆらしてゆきにけり | 静魚 | (河内房夫74文新) |
放たれし稚魚の光りて夏兆す | 陽花 | (野地陽子69外英) |
若鮎の骨端正にはづれけり | 都代子 | (坂井都代子66文英) |
紫も白も譲らずあやめ池 | 占爐 | (鈴木顕一62文哲) |
母の日や知らず知らずに母に似て | 幸子 | (稲田幸子67文教) |
満月や咲き誇る薔薇は眠らず | 剛 | (中村剛66文英) |
屋根のせて小屋の完成夏に入る | 弥生 | (岩淵純子64外英) |
山麓の鱒池照らす白あやめ | 明子 | (中村明子70文史) |
菖蒲一葉よき湯加減の肩に触れ | 洋 | (後藤洋68理物) |
蟻の列しやがみ込む子を待つあひだ | さむ | (新山修71経経) |
陽光を捕らへてみせる若葉かな | 健二 | (江澤健二60文英) |
島人の建てし御堂や聖五月 | 海村 | (畔柳文雄68理物) |
東寺展出れば涼し昼の風 | 克 | (五十嵐克至60法法) |
万緑やゆりかごの如ロープウェイ | まつ子 | (中岡昭子67文教) |
新緑の山迫り来る窓の外 | 深雪 | (岩瀬深雪78外独) |
あめんぼうぽかんと浮いて夏をまつ | 東耀 | (鄭東耀69文史) |
えごの花さく日はかりて友と会ふ | 怜子 | (和高怜子67文新) |
フルートの音色甘きは初夏の庭 | 節子 | (國島節子78外英) |
砂浜に残る足跡夏の月 | 美音 | (向瀬美音82外独) |
あやめ咲く村の診療所医師ひとり | ザザ虫 | (小池拓夫64法法) |
次回例会
六月二十七日(木)十三時∼十七時
句会場 | かながわ県民センター 三〇四号室 |
兼題 | 「蝿」 五句出句十句選 |
以上
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