ソフィア俳句会 平成三十一年三月例会報告
2019年04月10日
名誉教授・大輪靖宏先生のご指導のもと、ソフィアンズクラブ会議室にて開催されました。
俳句会代表の根来久美子氏、俳句専門誌「俳句界」の編集長で同窓の河内静魚氏の選も併せてお届けします。
平成三十一年三月例会報告
日 時 |
三月二十八日(木)十三時~十七時 |
句会場 |
ソフィアンズクラブ会議室 |
参加者 |
二十四名 兼題「春の雨」「春雨」 |
大輪 靖宏 選 | ||
(特選) | ||
牛の鈴鳴り来て牧の春動く | 陽花 | |
いたづらに歩み速めず春の雨 | 扇冶 | |
あたたかや友おだやかに語る予後 | 久美子 | |
春雨の奈良の古刹を黒く染め | 占爐 | |
若者の尖る靴先青き踏む | ザザ虫 | |
花守の問はず語りにその由来 | 海村 | |
しやぼん玉立山連峰廻しけり | 陽花 | |
風止んで風を待つ間の糸櫻 | 洋 | |
会釈して角を曲がれば初櫻 | 幸子 | |
初蝶は眼をまばたかせゐるならむ | 静魚 | |
(並選) | ||
ふらここに一人残りて夕茜 | 幸子 | |
俗にして亀鳴くをまだ聞きそびれ | 海村 | |
良きところ人それぞれに沈丁花 | さむ | |
宿坊の固き枕や遠蛙 | 海村 | |
抜くべきか見知らぬ新芽春の土 | 香文 | |
春の雨大地ゆつくり目を覚ます | 久美子 | |
ゆるやかに春を流れる神田川 | 弥生 | |
喪の家の明かり洩れくる春の雨 | 陽花 | |
花曇破り正午のミサの鐘 | 健二 | |
マリアの眼濡らせり春の通り雨 | 静魚 | |
春の雨富士あの辺り箱根旅 | 幸子 | |
瞬きが母との会話春の雨 | 怜子 | |
根来 久美子 選 | ||
(特選) | ||
瞬きが母との会話春の雨 | 怜子 | |
慣らしたる眼に開帳の奥の闇 | 海村 | |
(並選) | ||
牛の鈴鳴り来て牧の春動く | 陽花 | |
春愁や回転椅子をひとひねり | 健二 | |
春一番水面一面角を立て | 怜子 | |
春めくやシャネルの赤の一刷を | 怜子 | |
風止んで風を待つ間の糸櫻 | 洋 | |
杖を投げ両手で受ける花片よ | 怜子 | |
さくさくと包丁唄ふ春キャベツ | 弥生 | |
初蝶は眼をまばたかせゐるならむ | 静魚 | |
にはたづみ空の欠片を飲む仔猫 | 美音 | |
河内 静魚 選 | ||
(特選) | ||
俗にして亀鳴くをまだ聞きそびれ | 海村 | |
芽吹きたる森分け入れば我も鳥 | 靖宏 | |
喪の家の明かり洩れくる春の雨 | 陽花 | |
観音の御手に水瓶春の雨 | 久美子 | |
料峭やずらりと並ぶ兵馬俑 | 美音 | |
(並選) | ||
朝採りのレタスしやきつと新社員 | 榮 | |
水揺れてきて三月の鯉現るる | 洋 | |
しやぼん玉立山連峰廻しけり | 陽花 | |
平成の空広々と辛夷咲く | ザザ虫 | |
宿坊の固き枕や遠蛙 | 海村 | |
春の雨大地ゆつくり目を覚ます | 久美子 | |
さくさくと包丁唄ふ春キャベツ | 弥生 | |
かんばせに受くる平手や比良八荒 | 美音 | |
今日の一句(自薦) | ||
芽吹きたる森分け入れば我も鳥 | 靖宏 | (大輪靖宏名誉教授) |
あたたかや友おだやかに語る予後 | 久美子 | (根来久美子80文国) |
初蝶は眼をまばたかせゐるならむ | 静魚 | (河内房夫74文新) |
牛の鈴鳴り来て牧の春動く | 陽花 | (野地陽子69外英) |
折れ傘に身を縮めたり春の雨 | 都代子 | (坂井都代子66文英) |
春雨を来て友と酌む月旦評 | 占爐 | (鈴木顯一62文哲) |
花疲れなほも一樹と奥醍醐 | 榮 | (鈴木榮64経経) |
会釈して角を曲がれば初櫻 | 幸子 | (稲田幸子67文教) |
紅よ紅セーラー服の春や春 | 剛 | (中村剛66文英) |
さくさくと包丁唄ふ春キャベツ | 弥生 | (岩淵純子64外英) |
コスプレの中国娘花おぼろ | ちあき | (國司千晶74文仏) |
抜くべきか見知らぬ新芽春の土 | 香文 | (田中香文79文国) |
平成の空広々と辛夷咲く | ザザ虫 | (小池拓夫64法法) |
ゆらゆらと島並うかぶ春の海 | 明子 | (中村明子70文史) |
風止んで風を待つ間の糸櫻 | 洋 | (後藤洋68理物) |
母に添ひ柩に入りし明治雛 | さむ | (新山修71経経) |
花曇破り正午のミサの鐘 | 健二 | (江澤健二60文英) |
俗にして亀鳴くをまだ聞きそびれ | 海村 | (畔柳文雄68物理) |
「カレー市民」の首縄や春雨水の粒 | 克 | (五十嵐克至60法法) |
糸を引く粒まろやかに春の雨 | 扇冶 | (児山智明86文新) |
春の雨ふんわり開く傘の花 | 東耀 | (鄭東耀69文史) |
瞬きが母との会話春の雨 | 怜子 | (和高怜子67文新) |
料峭やずらりと並ぶ兵馬俑 | 美音 | (向瀬美音82外独) |
弥生月スイスのチョコに歳祝ふ | 節子 | (國島節子78外英) |
次回例会
四月二十五日(木)十三時~十七時
(出句締切十三時半 十三時以前は、会場に入れませんのでお気を付けください)
句会場 | かながわ県民会館 1501会議室 |
兼題 | 「長閑」五句出句十句選 |
以上
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