ソフィア俳句会 平成三十一年二月例会報告
2019年03月06日
名誉教授・大輪靖宏先生のご指導のもと、かながわ県民センター会議室にて開催されました。
俳句会代表の根来久美子氏、俳句専門誌「俳句界」の編集長で同窓の河内静魚氏の選も併せてお届けします。
平成三十一年二月例会報告
日 時 |
二月二十八日(木)十三時~十七時 |
句会場 |
かながわ県民センター 会議室 |
参加者 |
二十名 兼題「雪崩」 |
大輪 靖宏 選 | ||
(特選) | ||
待春の街角クレープ焼き上がる | ちあき | |
繭蔵に残る白壁春日差 | 海村 | |
田の神の目覚めし頃や遠雪崩 | 陽花 | |
淡雪や身支度の間に止みにけり | 幸子 | |
煙あげ過去を絡げて雪なだれ | 香文 | |
陸橋のふいにさびしき春の雨 | 静魚 | |
人知れず月山の雪なだれ落つ | 知子 | |
こらへてもふるへる肩や遠雪崩 | 久美子 | |
薄氷のほどけて縄文人の骨 | 陽花 | |
海や母春の胎動打ち寄する | 洋 | |
(並選) | ||
猟犬の耳ぴんと立つ遠雪崩 | ザザ虫 | |
薄氷解けて木の葉を放ちたり | さむ | |
独り酌む夜の雪崩の音遠し | 占爐 | |
蒔絵箱開けば朱塗春の宵 | 久美子 | |
浮御堂白くしてやむ春の雪 | 静魚 | |
茅葺きの宿にひびきし遠雪崩 | まありい | |
耳うちをしたりされたりシクラメン | 静魚 | |
初蝶の白く現れ黄に替はる | 健二 | |
合格の子と積み上げる寿司の皿 | 健二 | |
アルプスの谿を響(どよ)もす雪崩かな | 海村 | |
山鳩の白き舵羽桜東風 | まありい | |
根来 久美子 選 | ||
(特選) | ||
慣らしたる眼に開帳の奥の闇 | 海村 | |
(並選) | ||
パスポートの期限切れたり鳥雲に | 克 | |
独り酌む夜の雪崩の音遠し | 占爐 | |
執着を無くす修行やなだれ雪 | まありい | |
紅枝垂梅魔女の呪ひのまだ解けず | ちあき | |
列を詰め口つむぎゆく雪崩跡 | 都代子 | |
見なれたる顔なつかしく雛飾る | 靖宏 | |
電動の如き小走り雀の子 | 健二 | |
雪崩あと越えたどり着く父祖の村 | 靖宏 | |
泣ききつて赤子手を出すしやぼん玉 | 幸子 | |
河内 静魚 選 | ||
(特選) | ||
薄氷解けて木の葉を放ちたり | さむ | |
山の湯に遠き雪崩の音を聴く | 靖宏 | |
蒲公英のジャムぬる朝は鳥うたふ | 明子 | |
合格の子と積み上げる寿司の皿 | 健二 | |
手袋をはめて外すや春の朝 | 知子 | |
(並選) | ||
田の神の目覚めし頃や遠雪崩 | 陽花 | |
一粒の真珠外してより朧 | 都代子 | |
子らのせてカート賑やか春はこぶ | 明子 | |
記者叫ぶ画面いつぱい雪崩かな | ザザ虫 | |
シャガールの馬の影あり春の月 | 弥生 | |
あけぼのの嶺耐へかぬる雪崩かな | 洋 | |
いつも目のわらつてゐる人桃の花 | ちあき | |
シンバルの出番はここぞ大雪崩 | 弥生 | |
電動の如き小走り雀の子 | 健二 | |
泣ききつて赤子手を出すしやぼん玉 | 幸子 | |
山鳩の白き舵羽桜東風 | まありい | |
今日の一句(自薦) | ||
見なれたる顔なつかしく雛飾る | 靖宏 | (大輪靖宏名誉教授) |
こらへてもふるへる肩や遠雪崩 | 久美子 | (根来久美子80文国) |
浮御堂白くしてやむ春の雪 | 静魚 | (河内房夫74文新) |
薄氷のほどけて縄文人の骨 | 陽花 | (野地陽子69外英) |
列を詰め口つむぎゆく雪崩跡 | 都代子 | (坂井都代子66文英) |
遠雪崩怒鳴る親父の今はなく | 占爐 | (鈴木顯一62文哲) |
弔問客見送る角に梅真白 | 幸子 | (稲田幸子67文教) |
滝つぼへ雪崩を打つて春の水 | 剛 | (中村剛66文英) |
シャガールの馬の影あり春の月 | 弥生 | (岩淵純子64外英) |
雪崩音チーズフォンデュの匂ひ満つ | ちあき | (國司千晶74文仏) |
煙あげ過去を絡げて雪なだれ | 香文 | (田中香文79文国) |
ものの芽を小枝でそつと囲みけり | ザザ虫 | (小池拓夫64法法) |
蒲公英のジャムぬる朝は鳥うたふ | 明子 | (中村明子70文史) |
海や母春の胎動打ち寄する | 洋 | (後藤洋68理物) |
登山隊振りむかす雪崩遠くに | さむ | (新山修71経経) |
合格の子と積み上げる寿司の皿 | 健二 | (江澤健二60文英) |
山鳩の白き舵羽桜東風 | まありい | (吉迫まありい73国際) |
手袋をはめて外すや春の朝 | 知子 | (山田知子79文国) |
繭蔵に残る白壁春日差 | 海村 | (畔柳文雄68物理) |
屋根雪崩の道たたく音次々と | 克 | (五十嵐克至60法法) |
次回例会
三月二十八日(木)十三時~十七時
句会場 | ソフィアンズクラブ会議室 |
兼題 | 「春の雨」「春雨」 五句出句十句選 |
以上
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