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ソフィア俳句会 平成三十年十二月例会報告

2019年01月11日

名誉教授・大輪靖宏先生のご指導のもと、かながわ県民センター会議室にて開催されました。
俳句会代表の根来久美子氏、俳句専門誌「俳句界」の編集長で同窓の河内静魚氏の選も併せてお届けします。

平成三十年十二月例会報告

日 時

十二月二十日(木)十三時~十七時

句会場

かながわ県民センター 会議室

参加者

十八名 兼題「十二月」「師走」
五句出句十句選

大輪 靖宏 選

(特選)

凍雲に光る切れ目や奥貴船

久美子

赤ばかり減るクレヨンや十二月

由果

山茶花や鶏遊ばせて隠れ里

陽花

凍星や遠寺の鐘は澄み渡り

幸子

飛ぶ鳥に方角のあり十二月

静魚

師走とて月の一つとままに生き

占爐

障子貼る築四十年の積み重ね

噴水の崩るる先に冬の月

冬の水影を均して流れけり

冬の蝶とふあやふやに揺るるもの

(並選)

カーディガン羽織れば丸くなる背中

久美子

触れてみて湖のひろさや冬の水

静魚

書き込みの余地の消えゆく十二月

久美子

柊の花散り初めて咲くを知り

海村

なればこそお茶を一服十二月

久美子

小舟みな舫つてありぬ神渡

海村

『俳句界』立読みしたる十二月

ザザ虫

冬眠や玄武めきたる亀と蛇

由果

烏兎怱々障子の桟の綿埃

着膨れて故国を語る老司祭

幸子

寒の水ちよろり佃のポンプ井戸

陽花

根来 久美子 選

(特選)

枯れきりしもの枯れゆけるものの中

(並選)

いくつもの画鋲の穴や暦果つ

ザザ虫

足裏より寒さ沁み来る京の寺

靖宏

冬の水影を均して流れけり

烏兎怱々障子の桟の綿埃

着膨れて故国を語る老司祭

幸子

着ぶくれてをれば結論出しがたく

靖宏

冬の蝶とふあやふやに揺るるもの

絶版の書を求め得て冬ぬくし

靖宏

削ぎ捨てて媚びずひつそり冬薔薇

ちあき

河内 静魚 選

(特選)

浮世絵に似しボナールや冬ぬくし

弥生

ぽちぽちと老いの手仕事十二月

陽花

枯れきりしもの枯れゆけるものの中

着ぶくれてをれば結論出しがたく

靖宏

(並選)

赤ばかり減るクレヨンや十二月

由果

なればこそお茶を一服十二月

久美子

小舟みな舫つてありぬ神渡

海村

『俳句界』立読みしたる十二月

ザザ虫

噴水の崩るる先に冬の月

園児には髭のなじまぬ聖夜劇

靖宏

着膨れて故国を語る老司祭

幸子

絶版の書を求め得て冬ぬくし

靖宏

今日の一句(自薦)

着ぶくれてをれば結論出しがたく

靖宏

(大輪靖宏名誉教授)

凍雲に光る切れ目や奥貴船

久美子

(根来久美子80文国)

水鳥は遠見る水に浮くときも

静魚

(河内房夫74文新)

山茶花や鶏遊ばせて隠れ里

陽花

(野地陽子69外英)

霊場の海の痕跡山眠る

(鈴木榮64経経)

烏兎怱々障子の桟の綿埃

克克

(五十嵐克至60法法)

着膨れて故国を語る老司祭

幸子

(稲田幸子67文教)

金色の入日掻寄せ銀杏散る

(中村剛66文英)

浮世絵に似しボナールや冬ぬくし

弥生

(岩淵純子64外英)

愛でる人のゐて冬薔薇ゐなくとも

ちあき

(國司千晶74文仏)

はしやぐ子ら影長くして日短し

香文

(田中香文79文国)

遠き山近づいてくる師走朝

占爐

(鈴木顯一62文哲)

柊の花散り初めて咲くを知り

海村

(畔柳文雄68理物)

いくつもの画鋲の穴や暦果つ

ザザ虫

(小池拓夫64法法)

潮の香にふるさと想ふ冬の旅

明子

(中村明子70文史)

冬の水影を均して流れけり

(後藤洋68理物)

風なくも落葉ひとへに地をめざす

さむ

(新山修71経経)

雪舟(そり)の条フィンランドからあの人と

由果

(小谷由果04文国)

*そりの「そ」、フィンランドの「フィ」あの人の「あ」で、「ソフィア」を組み入れた挨拶句とのことです!

次回例会

一月二十四日(木)十三時~十七時
(出句締切十三時半 十三時以前は、会場に入れませんのでお気を付けください)

句会場

かながわ県民センター1501会議室

兼題

「初」のつく新年関連 五句出句十句選

以上

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