ソフィア俳句会 平成三十年八月例会報告
2018年09月05日
名誉教授・大輪靖宏先生のご指導のもと、かながわ県民センター会議室にて開催されました。
俳句会代表の根来久美子氏、俳句専門誌「俳句界」の編集長で同窓の河内静魚氏の選も併せてお届けします。
日 時 |
: |
八月二十三日(木) 十三時~十七時 |
句会場 |
: |
かながわ県民センター1501会議室 |
参加者 |
: |
二十二名 |
兼 題 |
: |
「墓参」五句出句十句選 |
大輪靖宏先生選
(特選)
蜻蛉の水面打ちたる音を聴く |
秀 |
(内海秀夫60経経) |
風鈴の一音物のやうに落つ |
静魚 |
(河内房夫74文新) |
その刻に箸をやすめる原爆忌 |
海村 |
(畔柳文雄68理物) |
陽の眩し市電の軋む広島忌 |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
俗名をやさしく撫でて墓洗ふ |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
暑がりの考水たつぷりと墓洗ふ |
香文 |
(田中香文79文国) |
根菜の転がる厨秋夕焼 |
まありい |
(吉迫まありい73国際) |
物言はぬ友を見舞ひて秋暮るゝ |
さむ |
(新山修71経経) |
髪留をするりと解いて今朝の秋 |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
道々の影の濃き踏み墓参り |
静魚 |
(河内房夫74文新) |
(並選)
前に海後ろに山の墓参り |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
源氏名を探し遊女の墓参 |
まありい |
(吉迫まありい73国際) |
手花火に燃やし尽くせぬ闇なりき |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
羅に花もて過ぎる墓参道 |
占爐 |
(鈴木顯一62文哲) |
夕べこそ明るさよけれ百日紅 |
静魚 |
(河内房夫74文新) |
青空を音なき機影原爆忌 |
知子 |
(山田知子79文国) |
黒牛のどつかと島の大西日 |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
掃苔や喜寿の来し方ふと思ひ |
榮 |
(鈴木榮64経経) |
ひつそりと径ありけり秋は来ぬ |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
白波の海をくすぐる秋日和 |
まありい |
(吉迫まありい73国際) |
報告は佳きことばかり墓参 |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
根来久美子選
(特選)
風鈴の一音物のやうに落つ |
静魚 |
(河内房夫74文新) |
(並選)
入らぬと決めゐて父母の墓洗ふ |
海村 |
(畔柳文雄68理物) |
夕顔や清らに住みし未亡人 |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
師の墓に参りて逢ひし旧き友 |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
曲り角違ふことなき墓参 |
海村 |
(畔柳文雄68理物) |
暑がりの考水たつぷりと墓洗ふ |
香文 |
(田中香文79文国) |
蜩や座禅の僧の眉静か |
さむ |
(新山修71経経) |
初孫に祖父の眉毛や秋団扇 |
純子 |
(梅本純子82文仏) |
現世来世どちらが良きか問ふ墓参 |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
道々の影の濃き踏み墓参り |
静魚 |
(河内房夫74文新) |
河内静魚選
(特選)
蜻蛉の水面打ちたる音を聴く |
秀 |
(内海秀夫60経経) |
鎌倉をひとまたぎして天の川 |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
曲り角違ふことなき墓参 |
海村 |
(畔柳文雄68理物) |
亡きひとを背負ひて帰る墓参り |
純子 |
(梅本純子82文仏) |
白波の海をくすぐる秋日和 |
まありい |
(吉迫まありい73国際) |
報告は佳きことばかり墓参 |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
(並選)
その刻に箸をやすめる原爆忌 |
海村 |
(畔柳文雄68理物) |
俗名をやさしく撫でて墓洗ふ |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
仁王像の間や極暑の風の道 |
克 |
(五十嵐克至60法法) |
墓洗ふ豊かに汲める井戸の水 |
秀 |
(内海秀夫60経経) |
黒牛のどつかと島の大西日 |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
松籟の裏道抜けて墓参り |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
物言はぬ友を見舞ひて秋暮るゝ |
さむ |
(新山修71経経) |
父の墓手合はす母のうなじかな |
剛 |
(中村剛66文英) |
今日の一句(自薦)
鎌倉をひとまたぎして天の川 |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
髪留をするりと解いて今朝の秋 |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
風鈴の一音物のやうに落つ |
静魚 |
(河内房夫74文新) |
蜻蛉の水面打ちたる音を聴く |
秀 |
(内海秀夫60経経) |
墓に水沢乃井捧げ香を炊く |
楽酔 |
(石田順之助60経商) |
拗ねてゐる子と手をつなぎ墓参り |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
白波の海をくすぐる秋日和 |
まありい |
(吉迫まありい73国際) |
仁王像の間や極暑の風の道 |
克 |
(五十嵐克至60法法) |
白塗りの横浜ローズ街灼くる |
ちあき |
(國司千晶74文仏) |
物言はぬ友を見舞ひて秋暮るゝ |
さむ |
(新山修71経経) |
菩提樹の香る路ゆくまはり道 |
喜久子 |
(徳丸喜久子64外英) |
掃苔や喜寿の来し方ふと思ひ |
榮 |
(鈴木榮64経経) |
母の歳まであと幾つ墓参り |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
入らぬと決めゐて父母の墓洗ふ |
海村 |
(畔柳文雄68理物) |
墓詣彼岸を此岸に引き戻し |
占爐 |
(鈴木顯一62文哲) |
父の墓手合はす母のうなじかな |
剛 |
(中村剛66文英) |
亡きひとを背負ひて帰る墓参り |
純子 |
(梅本純子82文仏) |
青空を音なき機影原爆忌 |
知子 |
(山田知子79文国) |
陽の眩し市電の軋む広島忌 |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
暑がりの考水たつぷりと墓洗ふ |
香文 |
(田中香文79文国) |
墓参りされる日過るちぎれ雲 |
小園 |
(粕谷滋夫60外西) |
家中を開け放ちたる涼新た |
健二 |
(江澤健二60文英) |
次回例会
九月二十七日(木)十三時~十七時
句会場 ソフィアンズクラブ会議室
兼題「月」他当季雑詠計五句
以上
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