ソフィア俳句会 平成三十年七月例会報告
2018年08月03日
名誉教授・大輪靖宏先生のご指導のもと、かながわ県民センター会議室にて開催されました。
俳句会代表の根来久美子氏、俳句専門誌「俳句界」の編集長で同窓の河内静魚氏の選も併せてお届けします。
平成三十年七月例会報告
日 時 |
: |
七月二十六日(木) 十三時~十七時 |
句会場 |
: |
かながわ県民センター1501会議室 |
参加者 |
: |
二十二名 |
兼 題 |
: |
五句出句十句選 |
大輪靖宏先生選
(特選)
鎌倉の夏炉を囲むみぞれ酒 |
占爐 |
(鈴木顯一 62文哲) |
曲り家に聞き入る民話夏の炉辺 |
秀 |
(内海秀夫 60経経) |
地球の芯貫かむとて滝落つる |
久美子 |
(根来久美子 80文国) |
ハンカチに遅刻の詫びを畳みけり |
榮 |
(鈴木榮 64経経) |
溽暑かな朱肉の滲む回覧板 |
ザザ虫 |
(小池拓夫 64法法) |
呼び鈴を押して外せりサングラス |
都代子 |
(坂井都代子 66文英) |
風死んで廃墟を統ぶる炎暑かな |
久美子 |
(根来久美子 80文国) |
火の色をあげて淋しき夏炉かな |
静魚 |
(河内房夫 74文新) |
山小屋の夏炉に恋を焼べてをり |
陽花 |
(野地陽子 69外英) |
明朝は頂き目指す夏炉端 |
都代子 |
(坂井都代子 66文英) |
(並選)
新樹光赴任大使の馬車が行く |
岩渕 |
(岩渕純子 64外英) |
夏の炉や種火の灰の白々と |
克 |
(五十嵐克至 60法法) |
廃線を渡る日傘の白さかな |
さむ |
(新山修 71経経) |
人混みを抜けて町の端遠花火 |
知子 |
(山田知子 79文国) |
山背の音絶えぬ疏開の夜の夏炉 |
剛 |
(中村剛 66文英) |
夕暮れに西空燃やす大暑かな |
香文 |
(田中香文 79文国) |
夏の炉を囲み尽きせぬ山談義 |
岩渕 |
(岩渕淵純子 64外英) |
ドライブは湘南と決め夾竹桃 |
まありい |
(吉迫まありい 73国際) |
夏なれど炉の在ることの懐しき |
占爐 |
(鈴木顯一 62文哲) |
一番星光りて夏炉焚く時間 |
陽花 |
(野地陽子 69外英) |
昼餉終へ烏賊干す路地の長話 |
幸子 |
(稲田幸子 67文教) |
山宿の火種絶やさぬ夏炉かな |
海村 |
(畔柳文雄 68理物) |
根来久美子選
(特選)
山小屋の夏炉に恋を焼べてをり |
陽花 |
(野地陽子 69外英) |
(並選)
手鏡のやうにてのひら開き夏 |
静魚 |
(河内房夫 74文新) |
燃ゆる薔薇萎れるなかれ崩れかし |
剛 |
(中村剛 66文英) |
ホームから一線越えて冷房車 |
健二 |
(江澤健二 60文英) |
土を誉め水を誉め食ぶ夏野菜 |
ザザ虫 |
(小池拓夫 64法法) |
なめくぢや世に役立たぬ生を生く |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
白扇の光揃へて本舞台 |
陽花 |
(野地陽子 69外英) |
河童忌や人なき渕に魚籠と竿 |
克 |
(五十嵐克至 60法法) |
ブーケごと天道虫は宙を舞ふ |
まありい |
(吉迫まありい 73国際) |
火の色をあげて淋しき夏炉かな |
静魚 |
(河内房夫 74文新) |
河内静魚選
(特選)
なめくぢや世に役立たぬ生を生く |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
呼び鈴を押して外せりサングラス |
都代子 |
(坂井都代子 66文英) |
良きことの続きて赤き百日紅 |
都代子 |
(坂井都代子 66文英) |
涼しげや夏炉の灰の均されて |
占爐 |
(鈴木顯一 62文哲) |
仏壇に鬼灯添へし母のゐて |
香文 |
(田中香文 79文国) |
(並選)
燃ゆる薔薇萎れるなかれ崩れかし |
剛 |
(中村剛 66文英) |
ハンカチに遅刻の詫びを畳みけり |
榮 |
(鈴木榮 64経経) |
浜木綿の風の寄り添ふ海難碑 |
秀 |
(内海秀夫 60経経) |
白扇の光揃へて本舞台 |
陽花 |
(野地陽子 69外英) |
洗礼のごと滝しぶき滝しぶき |
久美子 |
(根来久美子 80文国) |
掬ふ掌にみどりゆらゆら岩清水 |
幸子 |
(稲田幸子 67文教) |
陽の色をもらひ鬼百合咲き乱れ |
香文 |
(田中香文 79文国) |
一番星光りて夏炉焚く時間 |
陽花 |
(野地陽子 69外英) |
大暑かな鎧兜の信玄像 |
ザザ虫 |
(小池拓夫 64法法) |
江の電の少年夏草の匂ひ |
ちあき |
(國司千晶 74文仏) |
櫻木のくすぶりかをる夏炉かな |
喜久子 |
(徳丸喜久子 64外英) |
今日の一句(自薦)
病葉や我が歩の伸びぬ散歩道 |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
縄文の暮し体験夏炉燃ゆ |
ザザ虫 |
(小池拓夫 64法法) |
上高地を語るピッケル夏炉燃ゆ |
榮 |
(鈴木榮 64経経) |
無藝荘夏炉に小津を語り継ぐ |
久美子 |
(根来久美子 80文国) |
人混みを抜けて町の端遠花火 |
知子 |
(山田知子 79文国) |
呼び鈴を押して外せりサングラス |
都代子 |
(坂井都代子 66文英) |
掬ふ掌にみどりゆらゆら岩清水 |
幸子 |
(稲田幸子 67文教) |
山小屋の夏炉に恋を焼べてをり |
陽花 |
(野地陽子 69外英) |
蜩の昼の火照りを冷ますごと |
海村 |
(畔柳文雄 68理物) |
鉤下の点と炭火や夏の宵 |
克 |
(五十嵐克至 60法法) |
夕暮れに西空燃やす大暑かな |
香文 |
(田中香文 79文国) |
桐の花地上の花のやや上に |
静魚 |
(河内房夫 74文新) |
故郷の夏炉に揺れる自在鉤 |
占爐 |
(鈴木顯一 62文哲) |
夕暮れてしんしんといで舞ふほたる |
喜久子 |
(徳丸喜久子 64外英) |
夏の炉を囲み尽きせぬ山談義 |
岩渕 |
(岩渕純子 64外英) |
主人待つ老いし猟犬夏炉燃ゆ |
ちあき |
(國司千晶 74文仏) |
軒下の風鈴いくつ海の駅 |
まありい |
(吉迫まありい 73国際) |
曲り家に聞き入る民話夏の炉辺 |
秀 |
(内海秀夫 60経経) |
赤信号ハンケチ美人空仰ぐ |
さむ |
(新山修 71経経) |
大岳山滝壺藍く空青し |
楽酔 |
(石田順之助 60経商) |
ホームから一線越えて冷房車 |
健二 |
(江澤健二 60文英) |
燃ゆる薔薇萎れるなかれ崩れかし |
剛 |
(中村剛 66文英) |
次回例会
八月二十三日(木)十三時~十七時
(出句締切十三時半。十三時まで会場に入れませんのでお気を付けください)
句会場 かながわ県民センター1501会議室
兼題「墓参」「墓参り」他当季雑詠計五句
以上
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