ソフィア俳句会 平成三十年五月例会報告
2018年06月14日
五月例会は、名誉教授・大輪靖宏先生はご多忙でしたので、根来久美子代表のもとに開催されました。
後日、お忙しい中を大輪先生からも選をいただき、また、俳句専門誌「俳句界」の編集長で同窓の河内静魚氏のゲスト参加がありましたので、静魚氏の選も併せてお届けします。
日 時 |
: |
五月二十四日(木) 十三時~十六時 |
句会場 |
: |
ソフィアンズクラブ会議室 |
参加者 |
: |
二十名 |
兼 題 |
: |
「新茶」 五句出句 十句選 |
(注) |
*印はゲスト参加者 |
大輪靖宏先生選
(特選)
蝦夷春蟬堰止められし湖静か |
ちあき |
(國司千晶74文仏) |
草笛を吹けば母恋ふ少年に |
陽花〇 |
(野地陽子69外英) |
裸婦像の胸の眩しき新樹光 |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
濡れ縁で新茶飲み干す庭師かな |
幸子 |
(稲田幸子67文教) |
節くれの手もみにとがる新茶の香 |
榮〇 |
(鈴木榮64経経) |
びつしよりに濡れ噴水の落ちきたる |
静魚* |
(河内房夫74文新) |
迅きことは美しと竹皮脱ぎ捨つる |
久美子〇 |
(根来久美子80文国) |
胸元を少し開いて若葉風 |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
竹落葉音なき音を重ねけり |
榮 |
(鈴木榮64経経) |
禅堂の香煙ゆらり若葉寒 |
克 |
(五十嵐克至60法法) |
(並選)
茶揉みして甲に新茶の屑の筋 |
克 |
(五十嵐克至60法法) |
人の世のならひにも似て新茶古茶 |
海村〇 |
(畔柳文雄68理物) |
走り茶やかすかに匂ふよべの雨 |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
甘納豆一粒がよし新茶注ぐ |
占爐 |
(鈴木顯一62文哲) |
緑陰に語らひもなく老夫婦 |
まつ子 |
(中岡昭子67文教) |
八百万の神々と飲む新茶かな |
静魚*〇 |
(河内房夫74文新) |
一日のリズムに汲める新茶かな |
秀 |
(内海秀夫60経経) |
畳まれて夢をはぐくむ鯉のぼり |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
カーテンに流るる時間新茶汲む |
都代子〇 |
(坂井都代子66文英) |
田植機に孫の相乗る日和かな |
榮 |
(鈴木榮64経経) |
流鏑馬の的割る音や夏の空 |
克 |
(五十嵐克至60法法) |
老鶯とはげまし合ふて山下る |
海村〇 |
(畔柳文雄68理物) |
曼荼羅の砂の宇宙に風光る |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
これからのことなど新茶汲みながら |
静魚*〇 |
(河内房夫74文新) |
はためくは大志と未来鯉のぼり |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
その雫珠玉となりて青葉雨 |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
この町の自慢の水で新茶汲む |
明子 |
(中村明子70文史) |
薫風や庭球の音運びたり |
香文 |
(田中香文79文国) |
新茶淹れ最後の一滴香飲む |
占爐 |
(鈴木顯一62文哲) |
奢る薔薇百万本の息吹かな |
剛 |
(中村剛66文英) |
弥撒終へし教会の庭風薫る |
海村 |
(畔柳文雄68理物) |
川の面の光散り散り若葉風 |
健二 |
(江澤健二60文英) |
五月雨に雨だれ重し森の道 |
楽酔 |
(石田順之助60経商) |
根来久美子選
(特選)
人の世のならひにも似て新茶古茶 |
海村〇 |
(畔柳文雄68理物) |
母の日や褐色肌のマリア像 |
健二〇 |
(江澤健二60文英) |
これからのことなど新茶汲みながら |
静魚*〇 |
(河内房夫74文新) |
節くれの手もみにとがる新茶の香 |
榮〇 |
(鈴木榮64経経) |
とうめいな水見えてをり辰雄の忌 |
静魚* |
(河内房夫74文新) |
(並選)
八百万の神々と飲む新茶かな |
静魚*〇 |
(河内房夫74文新) |
封を切り弾け出でたる新茶かな |
香文 |
(田中香文79文国) |
数へ得ぬものに木々の葉新樹光 |
健二〇 |
(江澤健二60文英) |
新茶届く京の息子の一言と |
ちあき |
(國司千晶74文仏) |
ひとときを母在るごとく新茶汲む |
まつ子〇 |
(中岡昭子67文教) |
河内静魚選
(特選)
カーテンに流るる時間新茶汲む |
都代子〇 |
(坂井都代子66文英) |
(並選)
草笛を吹けば母恋ふ少年に |
陽花〇 |
(野地陽子69外英) |
母の日や褐色肌のマリア像 |
健二〇 |
(江澤健二60文英) |
老鶯とはげまし合ふて山下る |
海村〇 |
(畔柳文雄68理物) |
数へ得ぬものに木々の葉新樹光 |
健二〇 |
(江澤健二60文英) |
新茶汲む鳳凰堂を望むカフェ |
榮 |
(鈴木榮64経経) |
迅きことは美しと竹皮脱ぎ捨つる |
久美子〇 |
(根来久美子80文国) |
ひとときを母在るごとく新茶汲む |
まつ子〇 |
(中岡昭子67文教) |
新茶淹れ頷くだけの夫の居て |
幸子 |
(稲田幸子67文教) |
窓枠にをさまらぬ白山ぼうし |
香文 |
(田中香文79文国) |
今日の一句(自薦)
カーテンに流るる時間新茶汲む |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
雑巾を縫つて持ち寄る聖五月 |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
むき出しの肩まだ白き新樹かな |
剛 |
(中村剛66文英) |
ひとときを母在るごとく新茶汲む |
まつ子 |
(中岡昭子67文教) |
雨兆す喉ひくひくと雨蛙 |
秀 |
(内海秀夫60経経) |
草笛を吹けば母恋ふ少年に |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
この町の自慢の水で新茶汲む |
明子 |
(中村明子70文史) |
窓枠にをさまらぬ白山ぼうし |
香文 |
(田中香文79文国) |
芥子坊主一人旅の子今何処に |
幸子 |
(稲田幸子67文教) |
明易や商人宿の今むかし |
海村 |
(畔柳文雄68理物) |
母の日や褐色肌のマリア像 |
健二 |
(江澤健二60文英) |
禅堂の香煙ゆらり若葉寒 |
克 |
(五十嵐克至60法法) |
節くれの手もみにとがる新茶の香 |
榮 |
(鈴木榮64経経) |
新茶淹れ最後の一滴香飲む |
占爐 |
(鈴木顯一62文哲) |
葺きをはり屋根屋飲み干す新茶かな |
修 |
(新山修71経経) |
五月雨に雨だれ重し森の道 |
楽酔 |
(石田順之助60経商) |
達筆が無沙汰わびつつ新茶来る |
扇治 |
(児山智明86文新) |
とうめいな水見えてをり辰雄の忌 |
静魚 |
(河内房夫74文新)* |
幟立て新茶振る舞ふ国訛 |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
新茶届く京の息子の一言と |
ちあき |
(國司千晶74文仏) |
次回例会
六月二十八日(木)十三時~十六時三十分
句会場 ソフィアンズクラブ会議室
兼題「紫陽花、七変化、四葩」
他当季雑詠とも計五句
以上
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