ソフィア俳句会 平成三十年三月例会報告
2018年04月13日
三月例会は、大輪靖宏先生はご多忙でしたので、根来久美子代表のもとに開催されました。選句につきましては、後日、お忙しい中を大輪先生からもご提供いただきましたので、併せてお届けします。
なお、席上、根来代表より、合同句集『紀尾井坂』の創刊号が完成した旨の報告があり、当日に会員及び関係者へ配布されました。
日 時 |
: |
三月二十二日(木)十三時~十五時三十分 |
句会場 |
: |
ソフィアンズクラブ会議室 |
参加者 |
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二十五名 |
兼 題 |
: |
「入学または卒業」 五句出句 十句選 |
(注) |
作句者の〇印は選者共選 |
大輪靖宏 選
(特選)
春こたつ柱時計のギリシャ文字 |
榮〇 |
(鈴木榮64経経) |
水切りの石投げる子や巣立鳥 |
克 |
(五十嵐克至60法法) |
啓蟄やふわつととろつとオムライス |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
早生れ前から二番目入学す |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
入彼岸風化の墓誌を拾ひ読む |
秀 |
(内海秀夫60経経) |
春の川湧水砂を揺らしけり |
知子 |
(山田知子79文国) |
足跡の流され桜貝ひとつ |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
春の日につつまれ心ひろがりぬ |
明子 |
(中村明子70文史) |
啓蟄や谷は緑の雨に染む |
剛 |
(中村剛66文英) |
蛤の息をしてゐるボウルかな |
香文 |
(田中香文79文国) |
(並選)
先生はピンクのスーツ入学式 |
ちあき |
(國司千晶74文仏) |
啓蟄の小気味良く抜く瓶の栓 |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
饒舌の寡黙となりて卒業す |
都代子〇 |
(坂井都代子66文英) |
卒業や釦ひとつの青春譜 |
榮 |
(鈴木榮64経経) |
列島の開花日ニュース春動く |
榮 |
(鈴木榮64経経) |
卒業の門にしばらく手を当てて |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
花粉症病み不貞寝する捨て案山子 |
楽酔 |
(石田順之助60経商) |
しあはせのこのくらゐなりふきのたう |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
お日柄の佳き日蛇穴出でにけり |
都代子〇 |
(坂井都代子66文英) |
春の朝まぶしき兄のランドセル |
知子 |
(山田知子79文国) |
三番まで校歌歌ひて卒業す |
ちあき〇 |
(國司千晶74文仏) |
陽炎や道路工事の多きこと |
知子〇 |
(山田知子79文国) |
葉押しのけ押しのけて咲く紅椿 |
幸子 |
(稲田幸子67文教) |
川の面の不意に眩しき春日かな |
健二 |
(江澤健二60文英) |
家を継ぐ覚悟を決めて卒業す |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
野遊びの駆け廻る子ら弾む声 |
荻 |
(荻原久美子79文国) |
春愁や甘きビアノの滑る音 |
美音 |
(向瀬美音82外独) |
連山を従へ阿蘇の朧なる |
美音〇 |
(向瀬美音82外独) |
ひらひらと賜はるやうに花の雨 |
美音〇 |
(向瀬美音82外独) |
突堤に小魚乾せり島の春 |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
空高く角帽投げて卒業す |
まありい |
(吉迫まありい73国際) |
花かぞへ八十年は夢うつつ |
剛 |
(中村剛66文英) |
牡丹の芽円空仏の彫り粗し |
陽花〇 |
(野地陽子69外英) |
淡雪や金箔散らす治部煮椀 |
陽花〇 |
(野地陽子69外英) |
根来久美子 選
(特選)
祝祭の一日となりぬ春の雪 |
健二 |
(江澤健二60文英) |
戸惑ひとときめき少し春の雪 |
ちあき |
(國司千晶74文仏) |
憧れの制服ぶかぶか入学式 |
ちあき |
(國司千晶74文仏) |
大海のいかなる色や鳥雲に |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
仙人とささ酌み交はす朧夜ぞ |
まありい |
(吉迫まありい73国際) |
プルーストのにほひの記憶春霞 |
まありい |
(吉迫まありい73国際) |
今日の一句(自薦)
啓蟄の小気味良く抜く瓶の栓 |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
『沈黙』や五島列島霞みをり |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
饒舌の寡黙となりて卒業す |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
祝祭の一日となりぬ春の雪 |
健二 |
(江澤健二60文英) |
列島の開花日ニュース春動く |
榮 |
(鈴木榮64経経) |
花粉症病み不貞寝する捨て案山子 |
楽酔 |
(石田順之助60経商) |
見上ぐれば卒園記念の白椿 |
金八 |
(行方謹四郎60経経) |
ケキヨケキヨと小さき鳴き声彼岸入 |
克 |
(五十嵐克至60法法) |
若き人楽屋に届けしデージー花 |
節子 |
(國島節子78外英) |
憧れの制服ぶかぶか入学式 |
ちあき |
(國司千晶74文仏) |
分解のラッパ磨きて卒業す |
秀 |
(内海秀夫60経経) |
合格に破顔一笑沈丁花 |
まつ子 |
(中岡昭子67文教) |
春光や朝のおつかひパン屋まで |
明子 |
(中村明子70文史) |
色褪せし小さきざぶとん卒園す |
海村 |
(畔柳文雄68理物) |
春の川湧水砂を揺らしけり |
知子 |
(山田知子79文国) |
入卒を繰り返しての人の道 |
占爐 |
(鈴木顯一62文哲) |
春愁や安楽死のこと過りけり |
小園 |
(粕谷滋夫60外西) |
模様替へ意見合はずに桜餅 |
幸子 |
(稲田幸子67文教) |
雛飾り老母と終ふ一つづつ |
荻 |
(荻原久美子79文国) |
ひらひらと賜はるやうに花の雨 |
美音 |
(向瀬美音82外独) |
啓蟄や谷は緑の雨に染む |
剛 |
(中村剛66文英) |
春の川ふと浮き雲の影に乗り |
哲 |
(松尾哲94理機) |
空高く角帽投げて卒業す |
まありい |
(吉迫まありい73国際) |
蛤の息をしてゐるボウルかな |
香文 |
(田中香文79文国) |
牡丹の芽円空仏の彫り粗し |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
次回例会
四月二十六日(木)十三時~十六時三十分
句会場 ソフィアンズクラブ会議室
兼題「長閑」他当季雑詠とも計五句
以上
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