ソフィア俳句会 平成三十年一月例会報告
2018年02月01日
ソフィア俳句会は、名誉教授・大輪靖宏先生のご指導のもと4年目を迎えました。
今回は利用可能になった「紀尾井亭」にて新年会を兼ねた句会です。兼題は「初」としゲスト参加2名を加えた27人のもと、135句の鑑賞を楽しみました。その要旨をお届けします。
なお、読者よりお問合せのあった句の掲載順ですが、発足当初より清記表の表記順となっております。
日 時 |
: |
一月二十五日(木) 十三時~十六時四十五分 |
句会場 |
: |
紀尾井亭 葵の間 |
参加者 |
: |
二十七名 |
兼 題 |
: |
「初」 五句出句 十句選 |
(注) |
作句者の〇印は選者共選 |
大輪靖宏 選
(特選)
鄙びたる神社に淑気戻り満つ |
占爐 |
(鈴木顯一62文哲) |
暁闇に初木太刀執る男振り |
剛 |
(中村剛66文英) |
冬空を仰ぐ地の底切通し |
健二 |
(江澤健二60文英) |
娘の後に母しみじみと初鏡 |
ふぢな* |
(山本ふぢな84文国) |
初髪に襲名の声響きけり |
知子 |
(山田知子79文国) |
初富士のきつぱりと空切り抜きて |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
左義長の空割る太きほむらかな |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
寒椿父の湯呑みに挿してみる |
明子 |
(中村明子70文史) |
車椅子の膝に山茶花ひとつ置く |
ふぢな* |
(山本ふぢな84文国) |
借景は初比叡なり圓通寺 |
美音 |
(向瀬美音82外独) |
(並選)
棚雲を抜けて光へ初飛行 |
健二 |
(江澤健二60文英) |
初芝居音羽屋足裏まで白し |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
一点の小舟も置かず初日の出 |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
男手がになふわが家の雑煮膳 |
楽酔 |
(石田順之助60経商) |
鴇色の富士をそびらに初写真 |
秀 |
(内海秀夫60経経) |
初雪の一片舞ひて地に沁みて |
怜子 |
(和高怜子67文新) |
果てのなき広さ深さも初御空 |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
指し初めの緊張の解け歩を進む |
占爐 |
(鈴木顯一62文哲) |
太極拳円ゆるやかに初日受く |
陽花〇 |
(野地陽子69外英) |
信濃路の峠を越えて初日の出 |
元信 |
(矢ケ崎元信62経経) |
じんじんと湯が指に染む雪掻きて |
香文 |
(田中香文79文国) |
すべり台ジャングルジムも初景色 |
ちあき〇 |
(國司千晶74文仏) |
太箸を短く持ちて末の孫 |
まつ子 |
(中岡昭子67文教) |
根来久美子 選
(特選)
老教師大寒のこゑ使ひ切る |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
(並選)
我が希望ほどに広がる初御空 |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
初髪を誇る乙女の裾さばき |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
初鳩の海を向くもの山向くもの |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
日のあたるほどに乱れて雪の磴 |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
元日やいつもの顔の老夫婦 |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
生国の城が輝く初日の出 |
元信 |
(矢ケ崎元信62経経) |
おでん煮て寒波の予報受けて立つ |
ふぢな* |
(山本ふぢな84文国) |
今日の一句(自薦)
棚雲を抜けて光へ初飛行 |
健二 |
(江澤健二60文英) |
すれ違ふ笹の葉音や初戎 |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
産みたての卵の温み雪催 |
榮 |
(鈴木榮64経経) |
妙義山冬空に立てり厳然と |
千代子 |
(山下千代子67文英) |
年頭に一句を詠みて傘寿祝 |
占爐 |
(鈴木顯一62文哲) |
初茜今日あることのありがたき |
幸子 |
(稲田幸子67文教) |
秘密めく火鉢を囲む祖母の菓子 |
節子 |
(國島節子78文英) |
暁闇に初木太刀執る男振り |
剛 |
(中村剛66文英) |
初雪の一片舞ひて地に沁みて |
怜子 |
(和高怜子67文新) |
初場所や向正面美女二人 |
金八 |
(行方謹四郎60経経) |
結論をくだして後の寒さかな |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
初髪に襲名の声響きけり |
知子 |
(山田知子79文国) |
初雀日の出の空に群れて翔ぶ |
楽酔 |
(石田順之助60経商) |
日のあたるほどに乱れて雪の磴 |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
手を引く子わざところんで雪まみれ |
荻 |
(荻原久美子79文国) |
初富士のきつぱりと空切り抜きて |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
婚近き孫と寿ぐ今朝の春 |
秀 |
(内海秀夫60経経) |
初空や龍雲富士を駆け上る |
綏子* |
(藤井綏子74文国) |
寒椿父の湯呑みに挿してみる |
明子 |
(中村明子70文史) |
雪垂る音の続きて五六回 |
克 |
(五十嵐克至60法法) |
生国の城が輝く初日の出 |
元信 |
(矢ケ崎元信62経経) |
車椅子の膝に山茶花ひとつ置く |
ふぢな* |
(山本ふぢな84文国) |
老教師大寒のこゑ使ひ切る |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
年あらた同心円の赤き月 |
まつ子 |
(中岡昭子67文教) |
冬麗や陽に抱かれむと布団干す |
香文 |
(田中香文79文国) |
借景は初比叡なり圓通寺 |
美音 |
(向瀬美音82外独) |
すべり台ジャングルジムも初景色 |
ちあき |
(國司千晶74文仏) |
次回例会
二月二十二日(木) 十三時~十六時三十分
ソフィアンズクラブ会議室
兼題「薄氷(うすらひ)」他当季雑詠と計五句
以上
お問合せ先:
ソフィア俳句会の最新情報
2024年10月04日 |
|
2024年09月04日 |
|
2024年08月02日 |
|
2024年07月05日 |
|
2024年10月24日 |