ソフィア俳句会 平成二十九年十一月例会報告
2017年12月04日
名誉教授・大輪靖宏先生のご指導のもと、母校ソフィアンズクラブ会議室にて開催され、兼題の「立冬」を詠み込んだ句を中心に130句の鑑賞を楽しみました。
今回は、例会日を都合により第5木曜日に変更し、また会員増に対応し選句を10句から8句へ減らし途中に休憩を入れる等、句会運営方法にも新しい試みを取り入れました。
日 時 |
: |
十一月三十日(木)十三時~十六時三十分 |
句会場 |
: |
ソフィアンズクラブ会議室 |
参加者 |
: |
二十六名 |
兼 題 |
: |
「立冬」 五句出句 八句選 |
(注) |
作句者の*印はゲスト参加者、〇印は選者共選 |
大輪靖宏 選
(特選)
立冬のどんより浮かぶ大琉金 |
東耀 |
(鄭東耀69文史) |
顔見世や袖絞り上ぐ定九郎 |
まありい〇 |
(吉迫まありい73国際) |
冬帝が来るぞとポストに枯葉かな |
小園 |
(粕谷滋夫60外西) |
生き抜きし証の色に冬紅葉 |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
冬ざれの宿坊に咲く湯花かな |
まありい |
(吉迫まありい73国際) |
九十九里波頭伝ひて冬来る |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
袷着て冬の重さを感じをり |
占爐 |
(鈴木顯一62文哲) |
冬の月あした散る葉を照らしをり |
知子 |
(山田知子79文国) |
せせらぎに最後の舞を冬紅葉 |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
晩学の豊かさ硯洗ひけり |
美音 |
(向瀬美音82外独) |
(並選)
落葉焚き見知らぬ人も包みをり |
榮 |
(鈴木榮64経経) |
山眠る縄文土器を懐に |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
浜名湖の入り日に残る柿一つ |
剛 |
(中村剛66文英) |
柿すだれ越し甲斐駒のシルエット |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
しはぶきを二つ老婆は背を丸め |
金八 |
(行方謹四郎60経経) |
冬ざれの主なき蜘蛛の巣風にゆれ |
楽酔 |
(石田順之助60経商) |
俳諧は金の延べ打ち翁の日 |
美音 |
(向瀬美音82外独) |
寒椿花心に溜る先の雨 |
剛 |
(中村剛66文英) |
早朝の下駄音乾き冬に入る |
占爐 |
(鈴木顯一62文哲) |
山よりの風に痩せたる懸大根 |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
冬霞座すれば低し母の椅子 |
まありい |
(吉迫まありい73国際) |
膝揃へ背筋延ばして今朝の冬 |
ちあき |
(國司千晶74文仏) |
富士塚の頂上狭し冬すみれ |
陽花〇 |
(野地陽子69外英) |
眉月の尖りの先に冬立てり |
まありい〇 |
(吉迫まありい73国際) |
根来久美子 選
(特選)
凍鶴の孤影は闇に呑まれ行く |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
(並選)
山城の遺構に鎖冬に入る |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
亀の首一寸動き冬に入る |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
高鋏光る刃先の冬日かな |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
寒椿静かなり今朝も生きて在り |
剛 |
(中村剛66文英) |
老齢や飢ゑと寒さの過去を持ち |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
独酌や冬至の夜の気の重さ |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
今日の一句(自薦)
立冬のどんより浮かぶ大琉金 |
東耀 |
(鄭東耀69文史) |
実ならずとも豊かな葉々の柿落葉 |
荻* |
(荻原久美子79文国) |
冬なれどビール放さぬ男かな |
元信 |
(矢ケ崎元信62経経) |
一冊借りて一冊返す冬籠 |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
洋楽の冬のカフェにて句をひねる |
節子 |
(國島節子78文英) |
霧流る雑木林の秋思かな |
楽酔 |
(石田順之助60経商) |
顔見世や袖絞り上ぐ定九郎 |
まありい |
(吉迫まありい73国際) |
琥珀玉億年分の落葉かな |
怜子 |
(和高怜子67文新) |
葉の落ちぬ森の一木冬紅葉 |
榮 |
(鈴木榮64経経) |
無も空も解らぬままにまた師走 |
小園 |
(粕谷滋夫60外西) |
生き抜きし証の色に冬紅葉 |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
木枯や吹き散らしたる空の青 |
秀 |
(内海秀夫60経経) |
セロを弾く古稀の手習ひ冬に入る |
占爐 |
(鈴木顯一62文哲) |
九十九里波頭伝ひて冬来る |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
茶の部屋に侘助一輪生けてあり |
明子 |
(中村明子70文史) |
寒椿静かなり今朝も生きて在り |
剛 |
(中村剛66文英) |
冬の月あした散る葉を照らしをり |
知子 |
(山田知子79文国) |
南天の赤き実小鳥嬉ばせ |
金八 |
(行方謹四郎60経経) |
足裏にも皺ららららと日向ぼこ |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
石蕗の花売り家の隅に押し黙り |
幸子 |
(稲田幸子67文教) |
日時計の指針の影や冬日差 |
克 |
(五十嵐克至60法法) |
晩学の豊かさ硯洗ひけり |
美音 |
(向瀬美音82外独) |
どの局も同じニュースの冬日かな |
まつ子 |
(中岡昭子67文教) |
凍月が老女ひとりを生かしおく |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
メロディーに乗つて灯油車冬来る |
健二 |
(江澤健二60文英) |
膝揃へ背筋延ばして今朝の冬 |
ちあき |
(國司千晶74文仏) |
次回例会
十二月二十一日(木)十三時~十六時三十分
ソフィアンズクラブ会議室
兼題「師走または十二月」ほか当季雑詠とも計五句
以上
お問合せ先:
ソフィア俳句会の最新情報
2024年10月04日 |
|
2024年09月04日 |
|
2024年08月02日 |
|
2024年07月05日 |
|
2024年10月24日 |