ソフィア俳句会 平成二十九年九月例会報告
2017年10月05日
名誉教授・大輪靖宏先生のご指導のもと、母校ソフィアンズクラブ会議室にて開催され、兼題の「蟷螂」の句を中心に110句の鑑賞を楽しみました。今回は新会員1名ゲスト1名が参加され、一味違った楽しい句会となりました。
日 時 |
: |
九月二十八日(木)十三時~十六時三十分 |
句会場 |
: |
ソフィアンズクラブ会議室 |
参加者 |
: |
二十二名 |
兼 題 |
: |
「蟷螂」 五句出句 十句選 |
(注) |
作句者の*印はゲスト参加者 |
大輪靖宏 選
(特選)
店番の老婆動かぬ秋の暮 |
知子 |
(山田知子79文国) |
町ぐるみ花籠にして秋の虹 |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
望の月欠くる定めを輝かせ |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
蟷螂の子もをさな子もみどり色 |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
鶏頭の日出づるまでの黒さかな |
海村 |
(畔柳文雄68理物) |
残暑なほ床に転がるボールペン |
榮〇 |
(鈴木榮64経経) |
これがほら時間の姿秋入り日 |
収子*〇 |
(堀収子80文国) |
薄暮の田稜線光る秋の暮 |
香文 |
(田中香文79文国) |
阿蘇山の懐深し秋の蝶 |
美音 |
(向瀬美音82外独) |
露に濡れあちこちに散り殉教墓 |
幸子 |
(稲田幸子67文教) |
(並選)
引力がからだに響く萩の頃 |
剛 |
(中村剛66文英) |
秋扇の要少しくゆるびをり |
海村 |
(畔柳文雄68理物) |
重力に勝ちて飛びたる蜻蛉かな |
収子* |
(堀収子80文国) |
退院の歩を新涼に差し入れぬ |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
濁流のいつしか澄みて秋茜 |
ちあき〇 |
(國司千晶74文仏) |
虫の音の響く夜ひとりのウィスキー |
怜子 |
(和高怜子67文新) |
上ゲシ斧蟷螂振ルフヨリ他ハ |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
また一つ路地を曲れば萩の風 |
ちあき |
(國司千晶74文仏) |
色激しとも哀しとも曼殊沙華 |
都代子〇 |
(坂井都代子66文英) |
この先もこの後もない花野かな |
美音 |
(向瀬美音82外独) |
病得し友の庭にも萩咲けり |
明子 |
(中村明子70文史) |
初あらし北斎の波くだけ散る |
明子 |
(中村明子70文史) |
蟷螂の何を祈るか石地蔵 |
占爐 |
(鈴木顯一62文哲) |
サッシ窓そつと開けおく虫時雨 |
怜子 |
(和高怜子67文新) |
窓の灯を消して二人の良夜かな |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
蟷螂や睨みきかせて庭の番 |
香文 |
(田中香文79文国) |
根来久美子 選
(特選)
濁流のいつしか澄みて秋茜 |
ちあき |
(國司千晶74文仏) |
(並選)
さあ来いと蟷螂鎌を構へけり |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
表札の見えぬ山荘萩括る |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
墨痕の褪せし標や秋茜 |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
一湾の空ととのへり鱗雲 |
秀 |
(内海秀夫60経経) |
カマキリは緑の線画斧止めて |
占爐 |
(鈴木顯一62文哲) |
秋蝉よ鳴け鳴け明日は無き命 |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
今日の一句(自薦)
かまきりと坊やしやがみてにらめつこ |
幸子 |
(稲田幸子67文教) |
店番の老婆動かぬ秋の暮 |
知子 |
(山田知子79文国) |
蟷螂や拡大すれば異星人 |
健二 |
(江澤健二60文英) |
古墳跡火焔土器めく曼殊沙華 |
榮 |
(鈴木榮64経経) |
濁流のいつしか澄みて秋茜 |
ちあき |
(國司千晶74文仏) |
望の月欠くる定めを輝かせ |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
蟷螂の貌は三角ソクラテス |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
一湾の空ととのへり鱗雲 |
秀 |
(内海秀夫60経経) |
子育ての地蔵やさしき萩の寺 |
純子 |
(梅本純子82文仏) |
蟷螂の子もをさな子もみどり色 |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
色激しとも哀しとも曼殊沙華 |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
鶏頭の日出づるまでの黒さかな |
海村 |
(畔柳文雄68理物) |
鰯雲野球少年二人連れ |
まつ子 |
(中岡昭子67文教) |
秋昼寝目覚むや空に星二つ |
克 |
(五十嵐克至60法法) |
台風過網戸にすがる鳴かぬ蝉 |
怜子 |
(和高怜子67文新) |
初あらし北斎の波くだけ散る |
明子 |
(中村明子70文史) |
世の中は蟷螂の斧一茶あり |
占爐 |
(鈴木顯一62文哲) |
西の紅八月尽の陽の余り |
剛 |
(中村剛66文英) |
これがほら時間の姿秋入り日 |
収子* |
(堀収子80文国) |
秋蝉よ鳴け鳴け明日は無き命 |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
薄暮の田稜線光る秋の暮 |
香文 |
(田中香文79文国) |
阿蘇山の懐深し秋の蝶 |
美音 |
(向瀬美音82外独) |
次回例会
十月二十六日(木)十三時~十六時三十分
ソフィアンズクラブ会議室
兼題「秋の果物」 他当季雑詠とも計五句
以上
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