ソフィア俳句会 平成二十九年八月例会報告
2017年08月30日
名誉教授・大輪靖宏先生のご指導のもと上野 東京文化会館会議室にて開催され、残暑厳しい中、兼題の「蜩」の句を中心に115句の鑑賞を楽しみました。句会後には、合同句集発行に向け協議が行われ、句集名称や原稿締切日等主要事項が決まり大きく動き出したところです。
日 時 |
: |
八月二十四日(木)十三時~十六時三十分 |
句会場 |
: |
上野 東京文化会館 |
参加者 |
: |
二十三名 |
兼 題 |
: |
「蜩」 五句出句 十句選 |
(注)作句者の〇印は選者共選
大輪靖宏 選
(特選)
かなかなや男は無口貫いて |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
かなかなの声に抱かるる父祖の墓 |
元信 |
(矢ケ崎元信62経経) |
かなかなや帰郷近づくかぐや姫 |
まありい |
(吉迫まありい73国際) |
胡桃割る天井高き山の宿 |
海村 |
(畔柳文雄68理物) |
どの畦を行くも水音夏の朝 |
知子 |
(山田知子79文国) |
原爆忌誓ひの子等の白まぶし |
幸子 |
(稲田幸子67文教) |
手に余る水の重さの西瓜切る |
榮〇 |
(鈴木榮64経経) |
秋めくや一筆箋のくづし書き |
健二 |
(江澤健二60文英) |
蜩や硯に向かひ座す独り |
占爐 |
(鈴木顯一62文哲) |
群青の海の深さと牽牛花 |
美音〇 |
(向瀬美音82外独) |
(並選)
日照雨あと風に伸びやか百日紅 |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
花殻を摘む人無口むくげ垣 |
怜子 |
(和高怜子67文新) |
外風呂や虫鳴き寄せる月の留守 |
剛 |
(中村剛66文英) |
友逝きしあの日のやうな夕焼かな |
海村 |
(畔柳文雄68理物) |
日暮や昔庄屋の長屋門 |
榮 |
(鈴木榮64経経) |
島唄の風まつたりと扇風機 |
陽花〇 |
(野地陽子69外英) |
打ち水や盛り塩白き古暖簾 |
剛 |
(中村剛66文英) |
幾度もおのが居場所を問ふ夜長 |
美音 |
(向瀬美音82外独) |
かなかなのかなしかなしとよびあひつ |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
江ノ電の車掌を気取る帰省の子 |
まありい |
(吉迫まありい73国際) |
風がかぜ乾かしてをり狗尾草 |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
男の児は坐つてゐるだけ赤のまま |
海村〇 |
(畔柳文雄68理物) |
かなかなの包む鞍馬の木の根道 |
榮 |
(鈴木榮64経経) |
夏山を背負ふ学舎の大時計 |
知子〇 |
(山田知子79文国) |
驟雨来る野盗潜みし羅生門 |
ちあき |
(國司千晶74文仏) |
勤行にかなかな和せり高野山 |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
初恋は苦瓜をまだ知らぬ頃 |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
かなかなや灯りほつほつニュータウン |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
根来久美子 選
(特選)
手に余る水の重さの西瓜切る |
榮 |
(鈴木榮64経経) |
(並選)
蜩の声して歩みゆるめけり |
明子 |
(中村明子70文史) |
下駄の音して秋の立つ佃島 |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
廃線の赤さび鉄路秋暑し |
榮 |
(鈴木榮64経経) |
おだやかに終ふ日の辛子茄子ひとつ |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
蜩の終の森なる古墳かな |
健二 |
(江澤健二60文英) |
今日の一句(自薦)
かなかなや男は無口貫いて |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
すくと立つ百合の白さや老いのいろ |
克 |
(五十嵐克至60法法) |
かなかなの声に抱かるる父祖の墓 |
元信 |
(矢ケ崎元信62経経) |
花殻を摘む人無口むくげ垣 |
怜子 |
(和高怜子67文新) |
想ひ出を抱いて少女の夏終る |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
胡桃割る天井高き山の宿 |
海村 |
(畔柳文雄68理物) |
どの畦を行くも水音夏の朝 |
知子 |
(山田知子79文国) |
早起きが好きになりけり秋茗荷 |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
原爆忌誓ひの子等の白まぶし |
幸子 |
(稲田幸子67文教) |
伊豆栄の鰻も目当て上野山 |
金八 |
(行方謹四郎60経経) |
手に余る水の重さの西瓜切る |
榮 |
(鈴木榮64経経) |
蜩のはたと鳴き止み夜は隣 |
占爐 |
(鈴木顯一62文哲) |
ひぐらしの同じ音八月十五日 |
小園 |
(粕谷滋夫60外西) |
江ノ電の車掌を気取る帰省の子 |
まありい |
(吉迫まありい73国際) |
大夕立路面をうねり急降下 |
香文 |
(田中香文79文国) |
秋めくや一筆箋のくづし書き |
健二 |
(江澤健二60文英) |
踏絵の地聖堂となりてカンナ咲く |
明子 |
(中村明子70文史) |
たちまちの火の花現か闇深し |
剛 |
(中村剛66文英) |
盆休み置いてきぼりの赤い毬 |
秀 |
(内海秀夫60経経 |
驟雨来る野盗潜みし羅生門 |
ちあき |
(國司千晶74文仏) |
勤行にかなかな和せり高野山 |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
おだやかに終ふ日の辛子茄子ひとつ |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
群青の海の深さと牽牛花 |
美音 |
(向瀬美音82外独) |
次回例会
九月二十八日(木)十三時~十六時三十分
ソフィアンズクラブ会議室
兼題「蟷螂」 他当季雑詠とも計五句
以上
お問合せ先:
ソフィア俳句会の最新情報
2024年10月04日 |
|
2024年09月04日 |
|
2024年08月02日 |
|
2024年07月05日 |
|
2024年10月24日 |