ソフィア俳句会 平成二十九年六月例会報告
2017年07月06日
名誉教授・大輪靖宏先生のご指導のもと母校・ソフィアンズクラブ会議室にて開催され、兼題の「うなぎ」を中心に120句の鑑賞を楽しみました。
また、6月30日には大輪靖宏先生による「俳句の魅力」のご講演ならびに懇親会が母校2号館にて開催されました。多数の関係者が出席し俳句の奥深さ楽しさを学んだ一時でした。
日 時 |
: |
六月二十二日(木)十三時~十六時三十分 |
句会場 |
: |
ソフィアンズクラブ会議室 |
参加者 |
: |
二十四名 |
兼 題 |
: |
「うなぎ」 五句出句 十句選 |
(注)作句者の○印は選者共選
大輪靖宏 選
(特選)
菖蒲田の花殻摘むや笠の人 |
克 |
(五十嵐克至60法法) |
潮の香を日傘に入れて畳みけり |
ちあき |
(國司千晶74文仏) |
気に病みしこと断ちきりて更衣 |
扇治 |
(児山智明86文新) |
父の日を朝刊に知る外は雨 |
榮 |
(鈴木榮64経経) |
梅雨の月絹の衣に滑り込み |
美音 |
(向瀬美音82外独) |
新宿の路地の魔界やダリヤ咲く |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
願ひ事かなふ神社や茄子の花 |
まありい |
(吉迫まありい73国際) |
咲くまへのあぢさゐにゐて寛げり |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
鰻屋の煙載せ行く神輿かな |
幸子 |
(稲田幸子67文教) |
恙なく金婚迎へ鰻食ふ |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
(並選)
ビル風に弄ばれて梅雨の蝶 |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
鰻食ふ病と孫を語らずに |
占爐 |
(鈴木顯一62文哲) |
切株に座せば青葉の包囲かな |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
蜂鳥の蜜の催促窓に夏 |
まありい |
(吉迫まありい73国際) |
緑蔭の滝にはじまる川光る |
明子 |
(中村明子70文史) |
少年と思へぬ棋士や夏つばめ |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
蛍行きわが掌は闇に呑まれたり |
剛 |
(中村剛66文英) |
大利根の水満々に大青田 |
秀 |
(内海秀夫60経経) |
青竹にさうめん踊る夏衣 |
剛 |
(中村剛66文英) |
鰻重を重ねて祝ふ誕生日 |
元信 |
(矢ケ崎元信62経経) |
裂かるるを知らぬ鰻の黒びかり |
扇治 |
(児山智明86文新) |
十薬や天上の星あこがるる |
扇治 |
(児山智明86文新) |
竜宮に鰻の母屋あるらしき |
哲 |
(松尾哲94理機) |
目打ちする男の指先跳ね鰻 |
占爐 |
(鈴木顯一62文哲) |
後期高齢心の衣更へにけり |
榮 |
(鈴木榮64経経) |
鰻焼くおやぢの顔の燻されし |
まありい |
(吉迫まありい73国際) |
鰻好き鰻嫌ひもゐて家族 |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
雨脚にあぢさゐの鞠はづみけり |
扇治 |
(児山智明86文新) |
地下鉄で地上へ出れば緑雨なり |
健二 |
(江澤健二60文英) |
千年の京の都を日傘さし |
ちあき |
(國司千晶74文仏) |
生垣に若葉あふれて道光る |
扇治 |
(児山智明86文新) |
絶壁のレンガの縁をたどる蟻 |
健二 |
(江澤健二60文英) |
杖代り角で道知る蝸牛 |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
今日の一句(自薦)
紫陽花の藍となりにし今朝の雨 |
秀 |
(内海秀夫60経経) |
特上の鰻丼賭けて縁将棋 |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
潮の香を日傘に入れて畳みけり |
ちあき |
(國司千晶74文仏) |
蜂鳥の蜜の催促窓に夏 |
まありい |
(吉迫まありい73国際) |
満月や雲の切れ間に美顔を見せ |
金八 |
(行方謹四郎60経経) |
緑蔭の滝にはじまる川光る |
明子 |
(中村明子70文史) |
蛍行きわが掌は闇に呑まれたり |
剛 |
(中村剛66文英) |
コンビニのうの字大きく鰻の日 |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
梅雨の月絹の衣に滑り込み |
美音 |
(向瀬美音82外独) |
白焼きに添へし山葵の清しこと |
まつ子 |
(中岡昭子67文教) |
新宿の路地の魔界やダリヤ咲く |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
あぢさゐの人の悲しさ抱いてさく |
東耀 |
(鄭東耀69文史) |
うなぎ焼く色に固執の九十歳 |
榮 |
(鈴木榮64経経) |
裂かるるを知らぬ鰻の黒びかり |
扇治 |
(児山智明86文新) |
咲くまへのあぢさゐにゐて寛げり |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
竜宮に鰻の母屋あるらしき |
哲 |
(松尾哲94理機) |
ジャズカフェで私のこころあぢさゐ花 |
節子 |
(國島節子78外英) |
「う」の字見て喰ひ気そそらる老いのあり |
占爐 |
(鈴木顯一62文哲) |
鰻屋の煙載せ行く神輿かな |
幸子 |
(稲田幸子67文教) |
江戸前の鰻一筋老舗かな |
元信 |
(矢ケ崎元信62経経) |
鰻筒父と仕掛けた得意顔 |
怜子 |
(和高怜子67文新) |
絶壁のレンガの縁をたどる蟻 |
健二 |
(江澤健二60文英) |
明易し車の上の雨の粒 |
克 |
(五十嵐克至60法法) |
カーテンの風鈴の音影絵かな |
小園 |
(粕谷滋夫60外西) |
次回例会
七月二十七日(木)十三時~十六時
ソフィアンズクラブ会議室
兼題「雷」 ほか当季雑詠とも計五句
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