ソフィア俳句会 平成二十九年五月例会報告
2017年06月01日
名誉教授・大輪靖宏先生のご指導のもと緑滴る上野の森にて開催され、兼題の「若葉」を中心に85句の鑑賞を楽しみました。今回は参加者がやや少なかったものの合同句集の発行への意見交換も行われ、意義ある句会でした。
日 時 |
: |
五月二十五日(木)十三時~十六時 |
句会場 |
: |
上野「東京文化会館」会議室 |
参加者 |
: |
十七名 |
兼 題 |
: |
「若葉」 五句出句 十句選 |
(注)作句者の○印は選者共選
大輪靖宏 選
(特選)
眼に良しと若葉の径を遠回り |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
東山緑みどりに滴れり |
占爐 |
(鈴木顯一62文哲) |
ふるさとや目に入るものすべて夏 |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
柿若葉の滴の個個に朝日影 |
克 |
(五十嵐克至60法法) |
ガラス窓拭いて緑雨の家居かな |
健二 |
(江澤健二60文英) |
母の揚げくれしドーナツ麦の秋 |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
大屋根の反り頼もしき若葉風 |
剛〇 |
(中村剛66文英) |
突風や青蔦にあるおもてうら |
美音〇 |
(向瀬美音82外独) |
空のあを小さくなりて山若葉 |
香文〇 |
(田中香文79文国) |
真昼間の小暗がりより黒揚羽 |
ちあき |
(國司千晶74文仏) |
(並選)
青山河幾重も越えて我が故郷 |
美音 |
(向瀬美音82外独) |
名作も若葉の庭も美術館 |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
若葉してふくらむ森の深呼吸 |
健二 |
(江澤健二60文英) |
ほうたるや一途の恋の水に消ゆ |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
千万の囁き呟き夜の新樹 |
ちあき |
(國司千晶74文仏) |
筍を探す眼となる足裏かな |
ザザ虫〇 |
(小池拓夫64法法) |
泉涌寺山の深きに若葉雨 |
占爐 |
(鈴木顯一62文哲) |
若葉雨棘のみどりの柔らかし |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
若葉道抜け忽然と伯耆富士 |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
茶畑を懐に抱く五月富士 |
榮 |
(鈴木榮64経経) |
美音 |
(向瀬美音82外独) |
|
弓を張る少女のまつげ若葉風 |
美音 |
(向瀬美音82外独) |
根来久美子 選
(特選)
乗鞍の窓にはみ出す夏館 |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
(並選)
春の川のたり大地の水準器 |
剛 |
(中村剛66文英) |
陽の光すべてを受けて若葉萌ゆ |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
ポスト喰ふ入山票と若葉風 |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
肩車の子のにぎりたる藤の房 |
克 |
(五十嵐克至60法法) |
指先に光浴びたる茶摘みかな |
美音 |
(向瀬美音82外独) |
今日の一句(自薦)
縄文の里に戯るる橡若葉 |
秀 |
(内海秀夫60経経) |
ふるさとや目に入るものすべて夏 |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
柿若葉の滴の個個に朝日影 |
克 |
(五十嵐克至60法法) |
ガラス窓拭いて緑雨の家居かな |
健二 |
(江澤健二60文英) |
できる子もできぬ子もなし青葉風 |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
わかば風ゆつくり回る観覧車 |
榮 |
(鈴木榮64経経) |
大屋根の反り頼もしき若葉風 |
剛 |
(中村剛66文英) |
一所に舟寄せ合ひて烏賊釣火 |
幸子 |
(稲田幸子67文教) |
ドゴールといふ名の青き薔薇ひらく |
明子 |
(中村明子70文史) |
古民家はギャラリーとなり若葉寒 |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
若葉森園児の列が吸ひこまれ |
怜子 |
(和高怜子67文新) |
突風や青蔦にあるおもてうら |
美音 |
(向瀬美音82外独) |
空のあを小さくなりて山若葉 |
香文 |
(田中香文79文国) |
零歳と卒寿仲良く窓若葉 |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
若葉ぬけ零れる日射円かなる |
占爐 |
(鈴木顯一62文哲) |
宿り木の身ゆゑ若葉も色淡く |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
真昼間の小暗がりより黒揚羽 |
ちあき |
(國司千晶74文仏) |
次回例会
六月二十二日(木)十三時~十六時
ソフィアンズクラブ会議室
兼題「うなぎ」 他当季雑詠とも計五句
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