ソフィア俳句会 平成二十九年三月例会報告とお知らせ
2017年04月17日
名誉教授・大輪靖宏先生のご指導のもと、紀尾井坂ビル会議室での最後の句会は、これまで最多の24名の参加となりました。例会後は、会員経営の弁慶橋傍のチャイナ・ダイニング「サクラ」にての懇親会も開かれ、春の宵に和気藹々の華が咲いた一時でした。
平成二十九年三月例会報告
日 時 |
: |
三月二十三日(木)十三時~十六時 |
句会場 |
: |
紀尾井坂ビル五階 第三会議室 |
参加者 |
: |
二十四名 |
兼 題 |
: |
「燕」 五句出句 十句選 |
(注)作句者の○印は選者共選
大輪靖宏 選
(特選)
白木蓮しづかな寝息立ててをり |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
教会の聖水受けに燕くる |
怜子 |
(和高怜子67文新) |
春の色ステンドグラス通り抜け |
克 |
(五十嵐克至60法法) |
だんだんと話大きく亀鳴けり |
美音〇 |
(向瀬美音82外独) |
時差ぼけも見えず飛び交ふ初燕 |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
春宵や秒針の音の統べる部屋 |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
くしけづる度に艶めく春の夜 |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
花衣脱ぎすて床に絹の渦 |
まありい |
(吉迫まありい73国際) |
持ち慣れぬ花束匂ふ春の夜 |
知子 |
(山田知子79文国) |
なで肩も怒り肩をも山笑ふ |
榮 |
(鈴木榮64経経) |
(並選)
五線紙をとかれ伸びらか蝌蚪の群 |
榮〇 |
(鈴木榮64経経) |
屋根修理の足場の奥や彼岸寺 |
克 |
(五十嵐克至60法法) |
窓も戸も開け放されて燕待つ |
怜子 |
(和高怜子67文新) |
真つ青な空飛ぶ燕みづみづし |
元信 |
(矢ケ崎元信62経経) |
四万十の岸の花菜も川となり |
幸子 |
(稲田幸子67文教) |
軒に居て「おはやう」「おやすみ」燕の子 |
占爐 |
(鈴木顯一62文哲) |
そこまでの旅に会ひたり初燕 |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
うすらひや触れたきものに君の爪 |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
小動(こゆるぎ)の小さき浜に若布干す |
まつ子 |
(中岡昭子67文教) |
主なき荒れ畑に照る春日かな |
香文 |
(田中香文79文国) |
大利根や声ばかりなる揚雲雀 |
剛〇 |
(中村剛66文英) |
降り立ちし駅舎の軒につばくらめ |
秀 |
(内海秀夫60経経) |
自動ドア自在に行き来する燕 |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
春陽の光満ちたり相模湾 |
まつ子 |
(中岡昭子67文教) |
燕来る頭上一閃白き腹 |
秀 |
(内海秀夫60経経) |
子育てを指揮者の如く親燕 |
まありい |
(吉迫まありい73国際) |
菜の花の宿りし土に力あり |
東耀 |
(鄭東耀69文史) |
晴れて来て一筆書きの春の雲 |
秀 |
(内海秀夫60経経) |
根来久美子 選
(特選)
梅古木いのちの果ての花開く |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
(並選)
里燕いざ鎌倉と反転す |
健二 |
(江澤健二60文英) |
あれからと数へし地にもつばめかな |
知子 |
(山田知子79文国) |
信ずべきもの世にありや四月馬鹿 |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
燕来て年の半は家族なる |
占爐 |
(鈴木顯一62文哲) |
つばくらめ一途に飛びて空開く |
幸子 |
(稲田幸子67文教) |
黄砂降るロダンの太き首根にも |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
今日の一句(自薦)
里燕いざ鎌倉と反転す |
健二 |
(江澤健二60文英) |
花に酔ひ人には蒸せし醍醐かな |
榮 |
(鈴木榮64経経) |
春の野に青蛙跳ね子等走る |
明子 |
(中村明子70文史) |
真つ青な空飛ぶ燕みづみづし |
元信 |
(矢ケ崎元信62経経) |
花疲れ手にもてあそぶイヤリング |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
だんだんと話大きく亀鳴けり |
美音 |
(向瀬美音82外独) |
小動の小さき浜に若布干す |
まつ子 |
(中岡昭子67文教) |
主なき荒れ畑に照る春日かな |
香文 |
(田中香文79文国) |
ゴルフ場打球と競ひ飛ぶつばめ |
楽酔 |
(石田順之助60経商) |
くしけづる度に艶めく春の夜 |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
産院の泣く子寝る子や燕の子 |
克 |
(五十嵐克至60法法) |
大利根や声ばかりなる揚雲雀 |
剛 |
(中村剛66文英) |
やきもちを風に流して黄水仙 |
幸子 |
(稲田幸子67文教) |
花衣脱ぎすて床に絹の渦 |
まありい |
(吉迫まありい73国際) |
燕飛ぶ故郷の田の広さかな |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
小窓から冬が出て行く桃の花 |
小園 |
(粕谷滋夫60外西) |
燕来る頭上一閃白き腹 |
秀 |
(内海秀夫60経経) |
黄の口でお喋り賑やか軒燕 |
占爐 |
(鈴木顯一62文哲) |
バスを待つ人それぞれの春の月 |
怜子 |
(和高怜子67文新) |
持ち慣れぬ花束匂ふ春の夜 |
知子 |
(山田知子79文国) |
菜の花の宿りし土に力あり |
東耀 |
(鄭東耀69文史) |
赤信号すいと通りしつばくらめ |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
臘梅が盛りの庭は空家なり |
金八 |
(行方謹四郎60経経) |
桜東風鼻の押しゆく人力車 |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
次回例会
四月二十七日(木)十三時~十六時
ソフィアタワー六階会議室
兼題「花」 他当季雑詠 共 計五句
入会ご希望の方は「ソフィア俳句会」にご連絡ください。
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