ソフィア俳句会 平成二十八年三月例会報告とお知らせ
2016年06月29日
日時: |
三月二十四日(木) 十三時~十六時 |
句会場: |
紀尾井坂ビル五階 第三会議室 |
参加者: |
二十名 |
兼題: |
「雛」 五句出句 十句選 |
大輪靖宏選
(特選)
花いとふねぢけごころに風やさし |
剛○ |
(中村剛66文英) |
匂やかに闇の息づくひゝなの間 |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
菜の花のビル街と和す浜離宮 |
榮 |
(鈴木榮64経経) |
啓蟄や万物うごく音のして |
美音○ |
(向瀬美音82外独) |
飾りつつ憶ふ佳き日や古ひひな |
秀 |
(内海秀夫60経経) |
漫ろ神の導く先や灌仏会 |
克 |
(五十嵐克至60法法) |
うすく濃く山笑ひたるローカル線 |
小園 |
(粕谷滋夫60外西) |
年取らぬ雛の重ねし齢かな |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
口元に何か言いたげ雛の恋 |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
古びたる雛を飾りて共白髪 |
元信 |
(矢ケ崎元信62経経) |
(並選)
卒業の晴着ゆつくりたたみけり |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
薄紙の古びて柔し雛納め |
知子 |
(山田知子79文国) |
春泥の如き屈託土手走る |
剛○ |
(中村剛66文英) |
家中(なか)を撫でてゆくなり春の風 |
知子 |
(山田知子79文国) |
花の間に月と木星寄り添ひて |
香文 |
(田中香文79文国) |
啓蟄や土竜もたげる土の色 |
秀 |
(内海秀夫60経経) |
雛に似てほっぺふっくら立っちの子 |
明子 |
(中村明子70文史) |
ホテルロビーに寺の鐘聞く朧かな |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
娘らは見る雛のささめき夢の中 |
楽酔 |
(石田順之助60経商) |
春噴水命の鼓動めざめさせ |
怜子○ |
(和高怜子67文新) |
初蝶やロシアへ続く波荒く |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
屋根越しに仰ぐ富士の峰霞みけり |
明子 |
(中村明子70文史) |
なかなかに視線の合はぬ雛かな |
美音○ |
(向瀬美音82外独) |
臨終に手作り雛が立ち会へり |
幸子 |
(稲田幸子67文教) |
本堂の大屋根の上春の富士 |
明子 |
(中村明子70文史) |
鶯の片鳴き続く小雨中 |
克 |
(五十嵐克至60法法) |
飛石は和服の歩幅木の芽和 |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
友逝きし朝に鶯鳴き初むる |
占爐 |
(鈴木顯一62文哲) |
復興に東風吹く海や大漁旗 |
秀 |
(内海秀夫60経経) |
誕生の電話の遅き春の夜 |
小園 |
(粕谷滋夫60外西) |
黒髪の艶の増したる春の夜 |
美音 |
(向瀬美音82外独) |
亡き母の思ひの丈やつるし雛 |
占爐 |
(鈴木顯一62文哲) |
手の掌に手づくりの雛まろくあり |
怜子 |
(和高怜子67文新) |
つくし生ふ昨夜の雨粒煌めかせ |
秀 |
(内海秀夫60経経) |
啓蟄や杭打つ響き被災の地 |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
根来久美子選
(特選)
人あまた鬱の字ほどの花見かな |
小園 |
(粕谷滋夫60外西) |
(並選)
生は苦ぞ死は永遠の無ぞ実朝忌 |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
藤棚を抜けて浮世の匂ひかな |
美音 |
(向瀬美音82外独) |
座布団に余る正客雛の間 |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
男雛のみ寂しく売られ道具市 |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
(大輪靖宏選の作句者に〇を附したものは根来久美子選と共選となっています)
今日の一句(自薦)
薄紙の古びて柔し雛納め |
知子 |
(山田知子79文国) |
花いとふねぢけごころに風やさし |
剛 |
(中村剛66文英) |
花の間に月と木星寄り添ひて |
香文 |
(田中香文79文国) |
雛に似てほっぺふっくら立っちの子 |
明子 |
(中村明子70文史) |
娘らは見る雛のささめき夢の中 |
楽酔 |
(石田順之助60経商) |
春噴水命の鼓動めざめさせ |
怜子 |
(和高怜子67文新) |
鈴鳴らし安産祈る初詣 |
金八 |
(行方謹四郎60経経) |
啓蟄や万物うごく音のして |
美音 |
(向瀬美音82外独) |
初蝶やロシアへ続く波荒く |
陽花 |
(野地陽子69外英) |
飾りつつ憶ふ佳き日や古ひひな |
秀 |
(内海秀夫60経経) |
臨終に手作り雛が立ち会へり |
幸子 |
(稲田幸子67文教) |
彼岸日の里に繙く名蹟集 |
榮 |
(鈴木榮64経経) |
うすく濃く山笑ひたるローカル線 |
小園 |
(粕谷滋夫60外西) |
男雛のみ寂しく売られ道具市 |
靖宏 |
(大輪靖宏名誉教授) |
年取らぬ雛の重ねし齢かな |
久美子 |
(根来久美子80文国) |
口開けて雛見る少年浜に雨 |
都代子 |
(坂井都代子66文英) |
亡き母の思ひの丈やつるし雛 |
占爐 |
(鈴木顯一62文哲) |
口元に何か言いたげ雛の恋 |
ザザ虫 |
(小池拓夫64法法) |
古びたる雛を飾りて共白髪 |
元信 |
(矢ケ崎元信62経経) |
閼伽桶に桜花弁二つ三つ |
克 |
(五十嵐克至60法法) |
次回例会
平成二十八年四月二十八日(木) 十三時~十六時
紀尾井坂ビル五階 第三会議室
兼題「蝌蚪」 当季雑詠 共 計五句
どなたでもご参加をお待ちしております。
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