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ソフィア俳句会 平成三十年十月例会報告

2018年11月08日

名誉教授・大輪靖宏先生のご指導のもと、神奈川県立近代文学館中会議室にて開催されました。
俳句会代表の根来久美子氏、俳句専門誌「俳句界」の編集長で同窓の河内静魚氏の選も併せてお届けします。

平成三十年十月例会報告

日  時

十月二十五日(木)十三時~十七時

句会場

神奈川県立近代文学館 中会議室

参加者

十九名

兼  題

「芭蕉忌」「時雨忌」「翁の忌」「桃青忌」五句出句十句選

大輪靖宏先生選
(特選)

翁の忌出番待ちたる旅鞄

幸子

穭田に忍者歩きのさぎ一羽

まつ子

ちさき碑を訪ふ時雨忌の御堂筋

久美子

肩に落つ一葉軽し翁の忌

陽花

夕闇のそこだけ遅る吊し柿

海村

古炬燵家族の秘密抱へ込む

さむ

雨音に聴き入るほどの秋思かな

健二

夢のかけら枯野に探す桃青忌

時雨忌や生家の土間に蓑と笠

ザザ虫

空の黙盗んでゐたり秋の水

静魚

(並選)

芭蕉忌やバナナ商ふ香具師の声

さむ

秋薔薇の刺に無防備なる小指

芭蕉忌や六根清浄月の山

岩渕

同じ姓多き集落柿たわわ

ザザ虫

駅伝の練習生や雁渡し

空港の書店にHAIKU翁の忌

ちあき

アンナの恋巻置きてふと秋深し

時雨忌や風の白きを今日見たし

占爐

ガラス越し眼がさよならを言うて秋

都代子

満席の市民講座や翁の忌

ザザ虫

根来久美子選
(特選)

鵙高音ひたと寺山修司の眼

ちあき

(並選)

芭蕉忌や旅の鞄に常備薬

ザザ虫

祝福は名もなき者へ秋夕焼

知子

月光に輝く海を見に行かむ

靖宏

時雨忌や百円ショップで買ひし傘

靖宏

檸檬絞る妻の腕の若やぎて

海村

月の出を待ちとりあへず浅酌す

靖宏

罪あるとすればこの色秋の薔薇

古炬燵家族の秘密抱へ込む

さむ

満席の市民講座や翁の忌

ザザ虫

河内静魚選
(特選)

芭蕉忌や旅の鞄に常備薬

ザザ虫

駅伝の練習生や雁渡し

芭蕉忌や褪せし表紙のパスポート

空港の書店にHAIKU翁の忌

ちあき

肩に落つ一葉軽し翁の忌

陽花

(並選)

翁の忌出番待ちたる旅鞄

幸子

秋惜しむ海を臨める丘に来て

都代子

月光に輝く海を見に行かむ

靖宏

読みかけの頁の上まで秋夕日

檸檬絞る妻の腕の若やぎて

海村

今日こそは句へ意気示せ桃青忌

靖宏

雨音に聴き入るほどの秋思かな

健二

元町の墓碑の傾げる雁渡し

久美子

芭蕉忌や俳句を作る留学生

健二

芭蕉忌や玉こんにやくに酒少し

岩渕

今日の一句(自薦)

秋の蝶大湿原をあてもなく

靖宏

(大輪靖宏名誉教授)

ちさき碑を訪ふ時雨忌の御堂筋

久美子

(根来久美子80文国)

洗濯機よく廻りをり秋の暮

静魚

(河内房夫74文新)

秋惜しむ海を臨める丘に来て

都代子

(坂井都代子66文英)

肩に落つ一葉軽し翁の忌

陽花

(野地陽子69外英)

時雨忌の出向会社初出社

(鈴木榮64経経)

発句しても唇寒し芭蕉の忌

(五十嵐克至60法法)

おでん鍋いくつになつても迷ひ箸

幸子

(稲田幸子67文教)

秋薔薇の刺に無防備なる小指

(後藤洋68理物)

雨音に聴き入るほどの秋思かな

健二

(江澤健二60文英)

名画座をあとにゆるりと冬の坂

さむ

(新山修71経経)

銀杏散る上野の森の裸婦の指

(中村剛66文英)

遠い眼をして西安の柘榴売

岩淵

(岩淵純子64外英)

空港の書店にHAIKU翁の忌

ちあき

(國司千晶74文仏)

祝福は名もなき者へ秋夕焼

知子

(山田知子79文国)

芭蕉忌に拙き一句奉じけり

占爐

(鈴木顯一62文哲)

檸檬絞る妻の腕の若やぎて

海村

(畔柳文雄68理物)

時雨忌や生家の土間に蓑と笠

ザザ虫

(小池拓夫64法法)

行き帰りこの道が好き草紅葉

まつ子

(中岡昭子67文教)

次回例会

十一月二十二日(木)十三時~十七時
(出句締切十三時半。十三時以前は、会場に入れませんのでお気を付けください)
句会場 かながわ県民センター1501会議室
兼題「落葉」五句出句十句選

以上

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