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ソフィア俳句会 平成二十九年七月例会報告

2017年08月02日

名誉教授・大輪靖宏先生のご指導のもと母校・ソフィアンズクラブ会議室にて開催され、兼題の「雷」を中心に115句の鑑賞を楽しみました。句会後には、合同句集発行に向け活発な意見交換が行われ一部仕様も決まりました。
なお、7月29日には、大輪靖宏先生の句集『海に立つ虹』が第五回與謝蕪村賞を受賞し贈賞式・祝賀会が中野サンプラザにて開催されました。昨年の横浜文学賞に続く慶事です。

日  時

七月二十七日(木)十三時~十六時三十分

句会場

ソフィアンズクラブ会議室

参加者

二十三名

兼  題

「雷」 五句出句 十句選

(注)作句者の○印は選者共選

大輪靖宏 選
(特選)

群るるほど闇を濃くする蛍かな

海村

(畔柳文雄68理物)

雷神に覗きこまるる十五階

健二

(江澤健二60文英)

初蝉の声生れ出づ慈雨のあと

(内海秀夫60経経)

風鈴に山よりの風通ひ来る

ザザ虫〇

(小池拓夫64法法)

遠雷や叱つてくれる人減つて

久美子

(根来久美子80文国)

雷去りて子供の声の戻りけり

占爐

(鈴木顯一62文哲)

夏帽の長きリボンに遊ぶ風

まありい

(吉迫まありい73国際)

ラムネ飲む喉に過ぎし日はじけをり

扇治

(児山智明86文新)

人恋し仄かに燻る蚊遣香

都代子

(坂井都代子66文英)

教室を独り占めする大西日

知子〇

(山田知子79文国)

(並選)

落蝉の見上ぐる空の高さかな

扇治

(児山智明86文新)

弟の上いく姉の日焼かな

都代子

(坂井都代子66文英)

打つ水の黒き端より薄れけり

扇治〇

(児山智明86文新)

雨上り闇に滲みし蛍の火

怜子

(和高怜子67文新)

日の燃ゆるまでの一時夏の朝

健二

(江澤健二60文英)

朝刊のインクの匂ひ明易し

美音

(向瀬美音82外独)

山頂に雲押し寄せて日雷

(松尾哲94理機)

迷ひ蝶炎天の町に影も無く

(中村剛66文英)

遠雷や首を擡げて亀並ぶ

秀〇

(内海秀夫60経経)

炎昼や命咳き上げ泣く赤児

剛〇

(中村剛66文英)

門灯を点すや芋殻の燃えし跡

(五十嵐克至60法法)

わだかまりすつと消えたる土用干し

まありい

(吉迫まありい73国際)

老鶯と葉おとの寺に蓮開く

香文

(田中香文79文国)

蒲焼を待つ間も楽し冷し酒

(鈴木榮64経経)

向日葵の黄を刈る腕たくましく

陽花

(野地陽子69外英)

梅雨明けの鳥海山や雲に浮く

知子

(山田知子79文国)

根来久美子 選
(特選)

老いたれど心に黴は許すまじ

靖宏

(大輪靖宏名誉教授)

(並選)

雷に老女ひとりの家しづか

靖宏

(大輪靖宏名誉教授)

半夏生値あがり分の切手足す

都代子

(坂井都代子66文英)

はたたがみ片耳だけのピアスかな

美音

(向瀬美音82外独)

雷鳴を人伝に聞く地下勤め

(内海秀夫60経経)

今日の一句(自薦)

山の子は沖の岩場に泳ぎきる

まありい

(吉迫まありい73国際)

群るるほど闇を濃くする蛍かな

海村

(畔柳文雄68理物)

猫の髭ぴりり遠雷きこえ来る

扇治

(児山智明86文新)

雷雲の去りて風立つ野は広し

靖宏

(大輪靖宏名誉教授)

むくげ咲く母亡き庭に我立てり

節子

(國島節子78外英)

隠沼に鳴く声するや蟇

(五十嵐克至60法法)

雷神に覗きこまるる十五階

健二

(江澤健二60文英)

故郷の山を下り来るはたた神

元信

(矢ケ崎元信62経経)

マンハッタンを見下ろす闇のはたた神

(鈴木榮64経経)

朝顔市風情商ふ風情かな

(中村剛66文英)

雨上り闇に滲みし蛍の火

怜子

(和高怜子67文新)

初蝉の声生れ出づ慈雨のあと

(内海秀夫60経経)

風鈴に山よりの風通ひ来る

ザザ虫

(小池拓夫64法法)

遠雷や叱つてくれる人減つて

久美子

(根来久美子80文国)

朝刊のインクの匂ひ明易し

美音

(向瀬美音82外独)

日覆にマネキン白き足揃へ

陽花

(野地陽子69外英)

籐椅子や亡父呼び起こす飴光

幸子

(稲田幸子67文教)

老鶯と葉おとの寺に蓮開く

香文

(田中香文79文国)

ディズニーシー七つの海に閻魔様

(松尾哲94理機)

人恋し仄かに燻る蚊遣香

都代子

(坂井都代子66文英)

雷鳴に叱られ犬の小屋籠り

占爐

(鈴木顯一62文哲)

墓参り亡びしもののなつかしく

金八

(行方謹四郎60経経)

教室を独り占めする大西日

知子

(山田知子79文国)

次回例会

八月二十四日(木)十三時~十六時三十分
上野 東京文化会館会議室
兼題「蜩」 他当季雑詠とも計五句

以上

お問合せ先:

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