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第3回上智大学建学の精神を学ぶ旅 ~ラオス・カンボジアの旅~ を終えて

2015年08月27日

 石澤良昭先生のご案内による本学建学の精神を学ぶ旅の第3回ツアーは8月6日(木)~12日(水)に総勢28名の参加者にて実施されました。今回の旅の前半の訪問地はラオスで、8月6日の夕刻に首都ビエンチャンに到着。7日はビエンチャン市内の黄金の仏塔「タート・ルアン」、かつてエメラルドの仏が安置されていたという「ワット・パトゥーサイ」他いくつかの寺院を見学したのち夕刻に古都ルアン・パバーンに移動。8日はボートでメコン川を遡って住民たちが願いをこめて無数の仏像を安置した「パクウー洞窟」を見学。そしてアンリ・ムオの墓所に詣でました。

 アンリ・ムオはフランスの博物学者・探検家で1860年にアンコール遺跡群を初めてヨーロッパに紹介した翌年にラオスのルアン・パバーンを旅行中病に倒れ、若干35歳でこの地に客死したのですが、奇しくも石澤先生がポール・リーチ先生の案内で初めてカンボジアに足を踏み入れた1961年のちょうど100年前のことでした。

 その後ルアン・パバーンに戻ってモザイク画で有名な「ワット・シェントーン」を見学。この美しいモザイク画はカラフルなガラスの小片で仏教の数々の逸話を描いたもので、字の読めない人々が聖書の内容を理解できるように作られた西洋の大聖堂のステンドグラスの絵を連想させられました。その後プーシーの丘から世界遺産である町の景観を楽しみ、翌9日の早朝には僧侶たちの托鉢と信徒たちが喜捨によって出家者をささえる上座仏教の修行風景や「王宮博物館」を見学してラオスを後にし、カンボジアのシェムリアップへ移動。

 第1回の旅にはミャンマーのパガン遺跡訪問とヤンゴン市内観光を加え、昨年の第2回の旅にはプレアンコール時代のサンボール・プレイクック遺跡や首都プノンペンの「国立博物館」、ポルポト時代の政治犯収容所「トゥール・スレン博物館」を見学先に加えて旅行にアクセントをつけてくれましたが、今回のラオスの寺院見学も一人では行き難いところなので大変助かりました。

 10日、11日のアンコール遺跡群見学では、インド古代叙事詩「ラーマーヤナ」、「マハーバーラタ」他の壮大な浮き彫りや女神デヴァダー他の浮き彫りなどで欠かすことができない「アンコール・トム」と「アンコール・ワット」、発見された当時のままの姿で残されている「タ・プロム」の人気スポットの他にソフィアミッションが274体の廃仏を発見した「バンテアイ・クディ」の発掘現場を見学。現地で王立芸術大学の学生たちに発掘研修を行っている丸井雅子先生に発掘当時の模様を解説していただいた後、発掘した廃仏が展示されている「シハヌーク・イオン博物館」そして「文化省アンコール保存事務所」を訪問しました。

 なお、8月9日にはアジア人材養成研究センターにてエック・ブンタ会長ほか数名のカンボジアン・ソフィアン、現地の学童たちに英語を教えているSTP(Summer Teaching Program)の17名の現役学生たちも参加して第3回カンボジア・ソフィア会総会を開催。またその夜のホテルでの夕食会にはカンボジア在住ソフィアン数名もジョインしてくれました。

 一人で訪れることが困難な新たな見学ポイントを採り入れて非常に充実した、しかし日本と変わらない厳しい暑さのなか大変ハードなスケジュールでしたが、おかげさまで全員無事帰国しました。常にわれわれの先頭に立って歩き案内してくださった石澤先生のエネルギーには驚嘆のほかありませんが、ツアーの案内に引き続き近隣5カ国の遺跡保存担当官たちと上智モデルのセミナーを開催するため現地に残られた先生のうしろ姿にツアー参加者一同上智大学建学の精神を再確認させていただきました。

風間烈(1965外仏)

アンコールワットでは虹が歓迎してくれました

アンコールワットでは虹が歓迎してくれました

アンリ・ムオの墓

アンリ・ムオの墓

ワット・シェントーン寺院のモザイク画

ワット・シェントーン寺院のモザイク画

廃仏発掘現場で丸井先生の説明

廃仏発掘現場で丸井先生の説明

シハヌ―クイオン博物館で全員集合

シハヌ―クイオン博物館で全員集合