フランス文学科同窓会: 仏文カフェ開催報告
2017年06月09日
5月28日日曜、ASFの日にフランス文学科同窓会活動の一環として仏文カフェを開きました。同窓生が飲み物片手に旧交を温めるこの会も今年で5回目となりました。
同窓会総会では永井敦子先生からフランス文学科の現状について詳しいご説明がありました。
またこの3月に「フランス語 名詞・動詞連語辞典」(春風社)を上梓された石川三千夫先生(71年卒)からも、ご勤務先の桜美林大学の話題を交え、昨今の大学事情についてお話しいただきました。
今年は田崎洋子さん(88年卒)がアコーディオン演奏をしてくださいました。機知に富んだ爽やかなトークを交え、お馴染みのシャンソンや自作の曲などを、情感をこめて披露していただきました。
「枯葉」の演奏の後、西川宏人先生がこの名曲にまつわる思いを語ってくださいました。
「皆さん、この歌詞、海は砂の上の別れた恋人たちの足跡を消し去る、これは何のことか分かりますか。これは戦争という波のことなのです」と切りだされました。愛し合った者同士が戦争によって引き裂かれ、幸福だった日々は永遠に戻らない、その痛切な思いがこもった歌だったのです。「枯葉」には失恋の感傷ではなく、反戦への思いがにじんでいたのでした。また西川先生は、この曲を聴くと、学生の頃身体を壊して入院していたとき、若い奥さんが傷痍軍人の夫を献身的に看病していた姿がよみがえる、という話もされました。戦争から帰って寝たきりになった夫のために来る日も来る日も病室に通い、黙々と世話をする妻、そして隣のベッドでその姿を見守る、感受性豊かで聡明な少年。およそ七〇年の時を経てお話を伺っている私たちにも、その息詰まるような光景が目に浮かぶようでした。
仏文カフェは、事前に出欠の確認もない、ささやかな即席の行事ですが、このような思いがけない展開が時に生まれます。アコーディオンの調べと恩師の追想が見事に出会い、充実した時間になりました。
至らぬ幹事でしたが、ご助力くださいました皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。
2017仏文カフェ幹事 小林かおる 小泉滿利子 清水珠代(85年卒) (文/清水珠代)
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