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学校法人上智学院 創立記念行事 参加報告

2016年11月09日

11月1日は上智大学の創立記念日であり、2013年には創立100周年をお祝いしたことは記憶に新しいところです。ただ、例年は、11月1日は休日で、2日に先哲祭ミサと教職員の永年勤続表彰、そして創立記念祝賀会が開催されていました。
カトリックの典礼暦では、11月1日は諸聖人の日(すべての聖人と殉教者を祝う日)、2日は死者の日(すべての死者を記念する日)です。
本年より、1日の諸聖人の日に創立記念行事を行うこととなりました。参加者も4月に法人合併された4つの中高と、上智大学短期大学部、上智社会福祉専門学校、聖母看護学校の全教職員と幅広く、さらにはソフィア会にもお声がけいただいたので常任委員として参加いたしました。

9時半より、「創立記念 先哲祭ミサ」が髙祖敏明理事長の主司式、上智学院の神父様方の共同司式でたてられました。
お説教の中で髙祖先生は、今年から記念行事を変革したことについて説明されました。

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例年11月2日に先哲祭ミサをたててきたが、その日は死者の日であり、亡くなった方の追悼の意味合いが強かった。創立100周年には、11月1日の創立記念日に、ローマのファリーナ枢機卿をはじめ世界各国から神父様や関係者が集い、創立記念日をお祝いした。今日11月1日は諸聖人の祝日である。諸聖人とは聖書に招かれ、イエス・キリストにならって生きた人のことをさす。有名な聖人はだれもが知っているが、実は無名の聖人の方が数多い。そのような人たちに支えられて上智大学の今があることを感謝し、創立の志をみんなで確認し、創立の喜びを共有する日として創立記念日をお祝いするよう、1年かけて準備をしてきた。今日は、学院のため、自分のため、こられなかった方のため、先哲のために祈り、神からの招きに応え、感謝の心をもって、気づきを深め、行動し、よりよいmissionを一緒に果たせるように考える日としたい。
上智大学は戦前戦後を通して、順調な歩みばかりではなかった。教職員、学生、そして顔も名前も知らない人が祈り献金し、支えてくださった。人は自分で判断し行動していると考えがちだが、だれもが多くの人に支えられている。世界から、国内から、多くの人とつながり助けられている。「叡智は世界を結ぶ」の言葉の通りネットワークがあるが、そこには先につないでくださる神(御父)がいる。上智学院は「他者のために、他者とともに」いる人=御子に似た者(Ⅰヨハネ3.1-3)を育てる教育をしている。
このあと、「互いを知る、上智を語る、未来を考える」のメインテーマの下、4つのテーマで参加型のプログラムがあるので、神の子として招かれている私たちがその意味を深めていくよう過ごしましょう。
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ミサ後、ソフィア会関係者は、創立記念プログラム「イエズス会教育と上智」(於10号館講堂)に参加しました。

李聖一 中等教育担当理事の司会ではじまり、冒頭に、佐久間勤 総務担当理事のビデオメッセージがありました。
次に、創立100周年記念コンテンツの映像が流され、ホアン・アイダル カトリックセンター長より、「カトリック、イエズス会、上智について」解説がありました。
イエズス会創始者のイグナチオ・デ・ロヨラは、彼以前の修道者のように、神に仕えるために何かを捨てるのではなく、神とポジティブな関係であったことを指摘、イエズス会の霊性による教育の特徴は何かを次のように語りました。

  1. 他者への卓越した奉仕
  2. 共同性 多様性をうけいれる
  3. 総合的教育 すべてをもって人を大切にする。人間のすべてを大切にする。

その後、「ペドロ・アルぺ―その生涯と遺産―」の映像を視聴、川中仁 学生総務担当副学長より「ペドロ・アルぺ神父について」解説がありました。
ペドロ・アルぺ神父はスペイン出身のイエズス会士で、医学を修め、広島・長束修練院修練長だったときに原爆に遭い、被爆者救護に従事。その後、イエズス会初代日本管区長、イエズス会第28代総長を務めました。上智大学との関わりは、アルぺ神父がイエズス会日本管区長だったときに、法学部、神学部、外国語学部、理工学部が増設されたこと、男女共学となったこと、学生寮が開設されたことなど、総合大学としての発展に寄与されました。
上智大学の教育方針である「Men and Women,for others,with others」はアルぺ神父の言葉から採られたものであることを、川中先生は時系列による文献で解説されました。

最後にこいずみゆり作詞作曲の「Man for Others-仕えるために―上智大学バージョン」を、神学部の李聖一先生、瀬本正之先生、アントニウス・フィルマンシャー先生のギターと森裕子先生のピアノ伴奏、聖歌隊の先導で、全員で歌いました。

懇親会は2号館学食にて行われ、短期大学部学長の山本浩先生のご挨拶のあと、乾杯。日頃お世話になっている教職員の皆さま方と親交を深めるよいひとときでした。
髙祖理事長からは、ソフィア会からも参加していただいて、とてもよい創立記念行事となりましたとお言葉をいただきました。

文・写真/鈴木真理子(常任委員・1982文仏)