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<3・11からまもなく1年 (5)> 「卒業生の皆さまへ―お礼とご報告」上智大学学生センター長からのメッセージ

2012年03月08日

昨年3月11日に発生した東日本大震災から、まもなく1年になろうとしています。3月2日(金)掲載の第1回から5回にわたって、ソフィアンによる支援と行動を含めて東日本大震災関連の記事を掲載してきました。

第5回は、上智大学学生センター長の谷洋之様からメッセージ「卒業生の皆さまへ―お礼とご報告」を頂戴いたしましたので、それを掲載いたします。

卒業生の皆さまへ―お礼とご報告

上智大学学生センター長
谷 洋之

未曾有の被害をもたらした東日本大震災から1年を迎えようとしています。亡くなられた多くの方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆さまに心からお見舞い申し上げたいと思います。不幸中の幸いと申し上げるべきでしょうか、本学におきましては、学生にも保証人にも犠牲者は出ませんでしたが、それでも100名ほどの学生とそのご家族が何らかの被害を受けられました。
上智大学学生センターでは、震災直後から東北3県をはじめとする被災地を住所とされている保証人様に電話をかけるなどして被害の実態把握に努め、被災学生の皆さんが安心して勉学・研究を続けられるよう、経済支援を図ってまいりました。私どもにとりましても初めてのことでしたので、必ずしも円滑に進んだことばかりではありませんでしたが、これまでに88名の被災学生に対し表1のようなさまざまな経済支援を行ない、支援総額は7500万円あまりに上っております。海外のカトリック教会や交換協定締結大学から震災後いち早く多くの援助が寄せられたことは本学の大きな特徴ですが、それと並んでここで特筆しなければならないのは、この7500万円のうち、およそ4200万円が卒業生の皆さま、在学生のご父母の方々、SJの神父様方をはじめとする本学教職員等による募金・寄付金を原資とするものだったということです。多大なご協力をくださいましたソフィア会の皆様に改めて御礼を申し上げたいと存じます。
2012年度におきましても支援の継続が必要です。先ごろ行なわれた一般入試では、罹災証明書が添えられれば検定料を免除しましたが、延べ400名の受験生がこの枠で入試に臨みました。また罹災の程度に応じ授業料の減免を行なうほか、入学金は全額免除しています。また、所得の制限を設けることになりますが、施設設備費等の免除および生活支援金(月額で自宅生3万円、自宅外生5万円)の給付も継続します。本学は他学と比べてもかなり手厚い支援を行なうことができていると思っておりますが、これを続けていくためにはさらなる原資が必要です。震災から時間が経つとともに、例えば復興ボランティアの数が少なくなってきているなどの報道がなされておりますが、同じことは被災学生への支援についても言えるかと思います。引き続き温かいご支援を賜れますよう、重ねてお願いを申し上げたいと存じます。
学費の減免や生活支援金の給付を行なった学生の保証人の方々から、学長宛、あるいは学生センター長宛に多くのお手紙をいただいています(写真)。読んでいて印象的だったのは、こうした経済的支援が勉学の継続に直接役立ったことはもちろん、すべての人々が大変なこの時期に、大学が支援の手を差し伸べてくれたことそのものが、学生本人はもとよりご家族の皆さまにとっても、精神的に大きな励みになったという言葉でした。ソフィア会の皆様の暖かいお志が、奨学金・生活支援金という形をとって、被災学生一人ひとりの力になっているのはもちろんですが、彼らが勉学を継続できることは、上智大学にも、そして広く社会全般にも大きな糧となるであろうと思います。今後とも力強いバックアップをいただければ幸いです。

表1 東日本大震災被災者支援金給付実績(2012年2月17日現在)

 

給付額(円)

対象者数(人)

1. 学納金減免

52,640,300

72

2. 一時見舞金支給

7,900,000

79

3. 生活支援金支給

14,760,000

27

  1. 授業料は罹災状況に応じ全額・半額・1/3相当額のいずれかを免除
    その他の学生納付金は全額免除
  2. 罹災状況に応じ20万円・10万円・5万円のいずれかを給付
  3. 一定以下の家計水準の者に対し月額3万円(自宅生)・5万円(自宅外生)を給付

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