2024年ASF史学科同窓会の部屋のご報告
2024年06月05日
初夏の爽やかなお天気に恵まれ、1号館周辺の工事も終わり、新たな風景の中で和やかな集まりを持つことができました。今年は本学で長く教鞭をとられた大澤正昭先生にご登壇いただきました。
大澤先生は、2012年から2019年まで11回もの中国江南の農村への調査旅行を敢行され、その時の異文化体験を「Deep江南 Surprise旅行」というタイトルでお話いただきました。研究の成果は『記憶された人と歴史』や『上智史学』掲載の農書訳注稿3つで発表されております。
観光地や大都市では絶対に経験できない真冬でも暖房のないホテルや食堂での寒さや、命がけのトイレ事情、移動の苦労などを、初めはびっくりするけれども、次からは今度は何が起こるのだろうと期待してしまうと、ユーモラスにお話いただきました。腹が立ったりあきれたり、凡人ならば文句ばかり言ってしまそうですが、伝統的に自然のままの空気を好み、孫文の「散沙」＝きわめて自由だが、自己責任も大きいという個人裁量の世界として受け止められたとのこと、さすが大澤先生だと感銘を受けました。一方で2018年ころからはスマホやネットの普及の影響によるのか、当局による全国規模での個人管理システムが進み、中国人伝統の自由さに変化が感じられるとの感想ももらされました。興味の尽きないお話をいただき、本当にありがとうございました。講演会後にはサリ理事長も来場してくださいました。
「史学科同窓会の部屋」では毎年ささやかですが飲み物と食べ物を用意して卒業生やご家族をお待ちしております。ASFのおりにはぜひお立ち寄りください。ワインやサンドイッチ、お稲荷さんなど差し入れてくださった諸先輩、カンパへのご協力、受付や片づけのお手伝いなど、この場を借りて御礼申し上げます。
史学科同窓会
井野 睦子（1981文史）
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