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経鷲会女子部会:"江戸小紋"を体験して伝統文化の一端を理解しました

2019年05月28日

 5月9日(木)、経鷲会女子部会では、「江戸小紋に挑戦」をテーマに体験講座を開催しました。
ウィークデイの昼間の時間帯にもかかわらず、募集人数を超える23名の老若男女が各地から集まりました。国内はもちろん、ロシアからの留学生、アメリカ在住の卒業生、香港出身の卒業生、年代も20代から80代と、彩り豊かな参加者でした。
 全員、初めての体験でしたが、「有限会社 大松染工場」の中條隆一社長、康隆常務の伝統工芸士をはじめ、スタッフ、ご家族総出でご指導いただいたおかげで、誰一人脱落することなく、立派な江戸小紋染めのテーブルセンターを完成することができました。
 当日は、午後1時に京成曳舟駅に集合しましたが、一人の遅刻者もなく、スタートからスムーズでした。そこから体験場所の「有限会社 大松染工場」まで徒歩で移動し、工場では、伝統工芸士の中條社長はじめ専務(奥様)、コーディネーター(ご長女)のお出迎えを受けて、工場に移動しました。
《作業手順》
 工場で行った作業手順は、次のとおりです。(注:写真の番号は、作業工程の番号に準ずる)
 ①ベニヤ板(縦横50cm程度)で、実際に糊をつけて、へらを動かす練習を約20分間。板の右側に置かれた糊を少量とり、へらを45度に傾けて、上から下へ、左から右へ(左利きの人は右から左へ)、まんべんなく糊をつける(簡単そうで難しい) ⇨ ②型紙の図柄を30種類の中から選ぶ ⇨ ③型紙の水分を取り除く(実際にはスタッフにお手伝いいただきました) ⇨ ➃白生地を板にピンと張り、型紙を次々に継いでいく「型づけ」の練習(型紙の継ぎ目に空白が出ないように継ぐのは職人技、練習でも緊張の極み) ⇨ ⑤好きな地色を8色の中から選ぶ(23種類の図柄と8色の地色の違いで23人が別々の作品になる) ⇨ ⑥選んだ色のテーブルセンターの上に型紙を真直ぐに置き、金糊をへらにつけて色づけ(糊の分量を同じにつけるのは至難の技、最後は伝統工芸士の腕で、修正していただく) ⇨ ⑦型紙をそっと剥がす ⇨ ⑧乾燥させて完成(乾燥作業はスタッフにお任せ) 注:写真の番号は、作業工程の番号に準ずる
乾燥はお任せして、「江戸小紋博物館」に移動し、社長のお話、ビデオ視聴、質疑応答、博物館見学、など、30分ほどかけて江戸小紋の歴史や知識、技などについて学んだところで、乾燥していただいた一人一人の「江戸小紋テーブルセンター」が工場より届き、全員、自分の作品を手にしました。
完成品は伝統工芸士やスタッフのお手伝いのおかげで見事な出来映えになっていて、全員があたかもすべてを自分で制作したかのような錯覚に陥りました。
 実際には、最初の工程の「へら」を上下から左右に動かす作業をマスターするには10年かかるそうです。最初に、その工程を20分といわれた時に、参加者からは「えー!」「そんなに!」という声が発せられましたが、実際には10年かかることを、体験の中から理解しました。
 型紙を継いでいく工程は、生地を染める時に型紙の2隅に開けられた「星」(針のような穴、金色に染まって残る)を探し、金色の「星」の真上に型紙の「星」を合わせる、という作業の繰り返しで、未経験者には至難の技でした。型紙をはがすと、前の図柄との間に空白ができていたり、上下が違っていたりと、この作業は10年でも難しいと感じました。
 これらの実際の作業は、準備と片づけをすべて工場のスタッフがご担当いただき、未経験者のためのシステムができていて、失敗しないように工夫がされていました。参加者は王様かお姫様のようにおいしい部分のみ担当したということかもしれません。それでも、実際の作業の難しさの一部を感じ取ることができましたし、貴重な体験をしたことを喜んでいただきました。
 現在、都内に江戸小紋の工場は9軒しかなく、毎年減っているとのことですが、大松染工場には、跡継ぎの伝統工芸士がいらっしゃいますので、社長も安泰でしょう。
 型紙のデザインは1万種類あるそうで、今回はその中から30種類を選んでいただきました。また、社長が独自に葛飾北斎の「富岳三十六景」をモチーフにした着物をすでに27着完成させていて見せていただきました。完成には1着3~4か月かかるとのことで、その仕事に対するエネルギーと大変さも実感しましたが、江戸小紋の域を超える見事な作品でした(写真ご参照)。
 女子部会としては外部での体験講座は初の試みでしたので不安もありましたが、参加者の大人の対応と、お引き受けいただいた「有限会社 大松染工場」の中條社長をはじめとするスタッフの皆さんのおもてなしの心とご指導により、成功裡に終えることができました。

(文責:女子部会長 福田)

江戸小紋博物館

中條社長より最初の講義

①へらを使って糊づけの練習

④星に合うよう型紙をずらす「型づけ」

⑥選んだ色の布に型紙を置いて

⑥型紙の上に金糊を置く

⑦最高齢の男性の作品

⑦ロシアからの留学生の作品

伝統工芸士のご指導で完成したテーブルセンター

伝統工芸士のご指導で完成したテーブルセンター


富岳三十六景をモチーフにした江戸小紋の着物

ご指導いただいた中條隆一ご夫妻

ご指導いただいた大松染工場のスタッフご一同様


お世話になりました。よい経験をさせていただきました。

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