【開催報告】杉村美紀学長講演会『持続可能な社会と国際高等教育の役割』
2025年07月07日
2025年5月25日(日)、オールソフィアンズフェスティバルにおいて、第8回目となるASF学術講演会を開催しました。今回は、本年4月に上智大学学長に就任された杉村美紀先生をお迎えし、「持続可能な社会と国際教育の役割」をテーマにご講演いただきました。
冒頭、ソフィア会の鳥居正男会長の挨拶から始まり、講演では、上智大学が推進してきた国際教育・国際連携の具体的な実践例を紹介するとともに、大学が持続可能な未来社会の構築にどのように貢献できるのかという本質的な問いが投げかけられました。とりわけ、コロナ禍を経た現代において、高等教育は国際化をめぐる競争や地政学的な緊張の影響を受けながらも、国境を越えた連携と協働を通じて、異なる社会的・文化的背景を持つ人々が共に学び合う国際高等教育の実践が進んでいる点が強調されました。また、国際高等教育ネットワークにおいては「集合」や「統一」ではなく「調和」が重要であることも述べられました。
杉村学長は、こうした実践が上智大学の教育理念である「他者のために、他者とともに」と深く結びつくものであると語り、人間の尊厳を尊重し、多様な文化と価値観を共有しながら、平和で持続可能な未来社会に向けて課題解決に取り組む教育の意義を訴えました。
さらに、上智大学が文部科学省「スーパーグローバル大学(SGU)創成支援事業」において、10年間にわたり3回連続で最高評価「S」を獲得していることにも言及。加えて、地域社会との連携にも力を注ぎ、「学びと知のプラットフォーム」としての役割を果たしていることも紹介されました。
本講演は、今年もソフィア経済人倶楽部(SBC)の後援を賜り、受験生、現役学生から杉村学長の教え子の皆様を含む幅広い世代に渡る卒業生ソフィアンまで、多くの方々にご来場いただきました。講演後も会場に残って学長と対話する参加者の姿が見られ、杉村学長のお人柄の温かさが感じられる、和やかで実り多いひとときとなりました。
※「ASF学術講演会」はホームカミングの機会に母校上智大学及びソフィアンの学問研究の成果に接することにより、会員相互の親睦を深め、改めて「上智の精神と教育理念を」を共有することを目的とした企画です。
上智大学ソフィア会 ASF2025実行委員会 学術講演会担当
江波戸隆明(1984法法)
鈴木久子(1984外露)
高橋喜代子(1985文教)
