2025年度会務報告
- 会員大会の報告に代えて
2025年05月20日
ソフィア会会長 鳥居正男
2025年春季全国代議員会が5月10日に開催されました。お足元の悪い中、沢山の代議員にご参集頂きありがとうございました。ご来賓のサリ理事長、杉村学長、ご参加下さった代議員・会員の皆様、準備に当たられた方々にこの場を借りて感謝申し上げます。
まずは、昨年の春以降多くの卒業生及び教職員がご逝去されましたので、ご冥福をお祈りし、ご参加の皆様と冒頭に黙とうを捧げました。
さて、少子化が進み大学運営が岐路に立っているこの大事な時期に学長という大役を引き受けて頂いた杉村学長にソフィア会を代表して感謝申し上げます。ご就任早々の慌ただしい時期ではありましたが、学長及び副学長5名には、代議員会前にご挨拶申し上げております。
新体制は全員が新たに選任されたということで、新たなスタートという新鮮な雰囲気を感じました。「上智らしさとは何か」、「どう上智らしさを伝えていくか」という、これからの上智の発展の原点になる課題に、真っ先に取り組んでいらっしゃることを強く感じました。
3月末に公表された文部科学省「スーパーグローバル大学創成支援事業」の最終評価で、上智大学は最高評価の「S」評価を獲得しました。「S」評価は「今後も持続的な発展が確実に期待できる」とされる最高評価です。これまでの中間評価でも2回連続で「S」評価を受けており、今回の最終評価を含めた3回すべてで「S」評価を達成したのは採択大学全37大学のうち上智だけということです。さすが上智です。グローバル教育で他校が「上智に追いつけ、追い越せ」との掛け声で力を入れてますが、グローバルブランドの上智の地位は揺るぎません。
アメリカの政権が交代し100日経ち某大統領に世界が振り回されていますが、事実に反するいわゆる嘘を繰り返しても、我々が驚かなくなってしまっていることに恐ろしさを感じてしまいます。社会の格差は広がる一方で世界は混乱状態ですが、この混沌としている世界を正しい方向に導くのが、少し荷が重いかもしれませんが日本の役割かもしれません。この点からも、上智大学の学生が卒業後に果たせる役割は大きいと思います。グローバルの土俵で活躍しインパクトを与える存在になって欲しいと願っています。
そのためには意欲のある学生に上智に来てもらう必要があります。毎回お話ししていますが、上智大好き人間の私は、我が母校の認知度が他のマンモス私学と比べてまだ低いことに歯がゆい思いをしています。皆さんも同じだと思います。上智大学が提供している素晴らしい教育と教育環境がもっと社会に知られて正しく評価され大学の知名度が高まることが重要です。ソフィア会の活動が上智の知名度アップに結び付き素晴らしい大学だと広く認知されるよう、これからも積極的に学院・大学に貢献をしていきたいと考えています。引き続き代議員の皆様のご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。
では、今回の全国代議員会の報告を致します。
審議事項・報告事項
今回の代議員会では、審議事項4件、報告事項4件について、私と各担当委員長・副委員長・岩手ソフィア会会長が説明を行いました。審議事項4件は満場一致で可決されましたので御礼申し上げます。
- 審議事項1.「2024年度事業報告・決算報告及び監査報告について」
- 審議事項2.「2025年度事業計画及び予算案承認について」
- 審議事項3.「新規代議員の承認について」
- 審議事項4.「新規登録団体の承認について」
- 報告事項1. 「代議員制度改正について」
- 報告事項2.SOPHIA未来募金「ソフィア会奨学基金」へのご寄付のお願い
- 報告事項3.地域ソフィア会全国大会2025岩手大会について
- 報告事項4.ASF(オールソフィアンの集い)2025開催について
ソフィア会の運営について
現体制でソフィア会活動を支えてくれている委員会は、全国代議員会設置委員会が2つ、常任委員会設置委員会が11あります。役員選考委員会の委員長は前ソフィア会会長の戸川宏一さんが務められ、会長、副会長、監事の選任を致します。次の選任の時期は現在の役員の任期が満了する来年の2026年春季全国代議員会となります。被顕彰者選考委員会の会長は日比谷ソフィア会副会長です。ソフィア会活動に顕著なご貢献をされた方を選考する役割を担い、被顕彰者は今年の秋季全国代議員会で表彰されます。専門委員会(常任委員会設置委員会)は11あり、ソフィア会活動の実行を担ってくれています。委員は約70名で、各委員会活動を支えています。
2024年度を振り返って
- 将来ビジョンに沿って策定し昨年春の代議委員会でお示しした今年度の目標は、全て実行できました。将来ビジョンについては、2024年度秋の代議員会でもご説明しましたように、2020年4月に5年間のスコープで策定されましたので、2024年度(2025年3月末)で終了ということになります。将来ビジョンで掲げた精神は、今後のソフィア会の活動に反映して参ります。
- 上智学院・大学との協調体制は深化・強化されました。ソフィア会の公式行事やいろいろなイベントに理事長、理事、学長、副学長がお忙しいなか出席してくださっていますし、総務局、ソフィア会連携室を中心に、実務レベルでソフィア会事務局長や委員長とコミュニケ―ションの頻度が増え、密度も深まっております。
- 世界ランキングQS Global Employer Surveyへの協力ですが、提出リストは昨年より大幅に増えました。
- 学院・大学関係役職については、私自身が学院や大学をサポートする役割を頂いております。日比谷ソフィア会副会長と共に学院の評議員を務めておりますが、日比谷副会長は次期理事に、東ソフィア会副会長も次期理事にご就任予定です。社会人プログラムのSophia Professional Studiesのアドバイザリーボードメンバーも私と西口副会長で務めております。
- ソフィア会奨学金給付については、生活支援奨学金を20名に学生に1000万円給付しました。授与式、成果報告会は6月28日に開催し、新入生5名に奨学生証授与、2年生以上15名の奨学生からは学業成果報告を発表して貰いました。また、留学支援奨学金は、計13名(長期交換留学:4名、短期留学:9名)に519万円給付しました。学生課外活動支援金贈呈式は昨年7月31日、本年3月26日に実施され、両日合わせて文科系30団体、体育会43団体に総額1000万円の支援金を贈呈致しました。
- OB・OGキャリア交流会も、キャリアセンター主催、ソフィア会後援で2回開催されました。昨年12月15日の開催では、OB・OG 7名、学生48名が参加し、2月16日の2回目の交流会では、OB・OG7名、学生61名が参加しています。学生の就職活動支援として実施していますが、積極的な意見交換が行われており好評です。
- 「国家公務員と話そう」も例年通り開催されました。藤崎一郎元駐米大使の基調講演のあと、パネルディスカッションで上智出身の外務省・財務省・防衛省の職員、そして、外務省・防衛省の人事担当のキャリアの総勢6名が出席し、特許庁内定の4年生も参加しました。40名を超える学生とパネリストと活発な意見交換が行われました。
- ソフィア祭は11月1日~4日の間に実施されますが、ソフィア祭実行委員会に60万円の運営支援金を提供しております。
- 今春の卒業生には、記念品レザー・トレーとトート・バッグを記念品として贈呈しております
- 卒業生とのネットワーク強化については、海外ソフィア会ハノイ大会を2024年9月14~16日ベトナム・ハノイにて実施しました。100名あまりが参加され、パリ在住でユネスコ世界遺産条約専門官の林 菜央さんによる、実際に遺跡を見ながらの説明・講演が行われました。サリ理事長、曄道学長はじめ学院・大学の代表者にもご参加頂きました。昨年から海外ソフィア会大会と国内大会を交互に開催することになりましたので、今年の地域ソフィア会全国大会は盛岡で開催されます。
- 第4回の地域ソフィア会代表者会議は本年3月8日に開催されました。地域ソフィア会43団体45名の代表者が参集し総勢61名が集まり、有意義な情報交換が行われました。また、地域ソフィア会・各種ソフィア会総会へも積極的に出席しております。ソフィア会からは組織委員長或いは副委員長、また会長ご指名の場合は会長が参加しております。どの会合も熱気があふれており、強いソフィア愛を感じております。
- 卒業生とのネットワーク強化については、金・ルビー・銀・銅祝式典の祝賀会を2023年度から2月の第4土曜日に開催しています。式典は大学主催、同じ日の祝賀会は実行委員会主催、それをソフィア会がサポートしています。卒業5年ソフィアン交流会も本年2月1日に開催しました。2019年に第一回が開催されましたが、その後コロナ禍もあり中断しましたので、開催できなかった期間の卒業生を含めて6学年合同開催と致しました。盛況ではありしたが、卒業5年は仕事が忙しく、職場が変わって連絡先のアプデ―トをしないケースもあるので、母校への帰属意識とソフィア会への関心を持ってもらう観点から今後も継続致します。
- 第9回ソフィア会学部学科同窓会連絡会は、3月14日対面で開催され、学部学科同窓会20団体の代表者32名が参加し、有意義な情報交換ができました。24年度支援費は19団体に3,280,109円の支給となりました。
- 社会貢献活動推進については、ASF2024でメンストにPRテントを出展。学生及び卒業生の9団体も参加し、PR活動や寄付型販売を実施しております。聖母看護学科同窓会のメンバーが個人的に本活動に参加してくれたおかげで、組織的連携も実現しております。
- ソフィアンズクラブについては、利用者拡大のため、卒業式、金祝などや、卒業5年交流会などのイベント時のオープン・デイを4回実施、延べ650名以上のソフィアンが来館しました。「子育てを語ろうby Sophians」は、ASFとASCの日に2回開催。ASF 85名、ASC 80名が来場されました。本年3月7日には第1回女性ソフィアン・リーダーズサロンも開催されました。目的は、社会の第一線で活躍する女性ソフィアンとの交流促進、次世代リーダーの育成支援です。卒業生28名が参加しました。
- ASF(オールソフィアンズフェスティバル)は昨年5月26日にハイブリッド開催され、四谷キャンパスに5,400人、オンラインで700人が参加しています。講演会等各種催し物、野外ステージ、模擬店等楽しんでいただいたASC(オールソフィアンのクリスマス)は昨年12月14日に開催され、11号館地下ラウンジにて過去最大の540名が参加しました。特に家族連れが多く、キッズコーナーが賑わいましたし、ソフィア会実行委員会の学生が大活躍していました。
- 講演会は、大学共催講演会として三菱ふそうバストラック副社長林春樹氏(外・英1980卒)をお招きし、7月17日に「グローバル社会を生き抜くヒント」と題して開催され、120名の参加をえました。若いソフィアン、現役学生の参加が多く喜ばしい限りです。ビデオ講演会(発信は11月)については、「誰もが、その人らしく生きられる社会を目指して」と題して、世界の子供にワクチンが届く活動を推進している剱持睦子さんをお招きして実施しました。今年で33回となるマスコミ・ソフィア会との共催であるコムソフィア賞は、三宮麻由子さんに贈呈され、授賞式と記念講演会を本年1月16日に開催致しました。三宮さんは4歳の時に光を失った全盲のエッセイストです。昨年出版された『わたしのeyePhone』で描かれた、目の見えない方のスマホ活用術を実演され感銘を受けました。
- 第6回ザビエル杯日本語スピーチコンテストは昨年12月8日に実施され、13大学13か国16名の留学生の登壇し、「日本に来て学んだこと」をテーマに開催されました。日本語の素晴らしさと鋭い観察力に驚いた次第です。
- 2024ソフィアンズカップゴルフ大会は、昨年9月30日、程ヶ谷カントリー倶楽部を貸し切りにして開催されました。好天にも恵まれ、143名のソフィアンが名門コースでのプレーを楽しんでおります。当日集めたチャリティ募金の224,000円はSOPHIA未来募金へ寄付致しました。
- 財務計画達成の達成状況ですが、終身会費納入率98.9%と前年より上昇。学部生では99.4%となりました。終身会費未納者には、年度始めに会費納入依頼文書を大学と連名で発信予定です。維持会費(運営協力費)はソフィア会の運動資金となりますが、収入の目標の250万円を上回る281万円となり、698名の卒業生に貢献して頂きました。昨年より100名以上多くのソフィアンからご協力頂いております。
- 2024年度積立金は期首残高の2億9323万円から3000万円積み増して3億2328万となりました。
2025年度に向けて
2025年度の重点施策には、2020年度から2024年度までの5か年計画として策定された将来ビジョンの具体的施策を踏襲したものが含まれています。上智学院・大学との協力・連携し、上智大学の知名度向上を目指します。学院そして杉村学長はじめ新しい大学の執行部と良好な協力・連携の関係をさらに進め、母校の知名度アップに貢献する所存です。学生へのサポート強化もこれまで同様活動の柱の一つです。現役学生向けの活動を継続し多くの学生に参加してもらうよう、開催方法や情報伝達方法を工夫致します。卒業生とのネットワークを強化し新しい仲間を増やします。卒業生に帰属意識を持ってもらうべく、魅力あふれるイベント開催することにより、ソフィア会の活動に関心を持ちイベントに参加する仲間や活動を企画・実行する側になってくれる仲間を増やします。健全な財務を維持し、今期も特別な支出にも対応できるよう、積立金の積み増しを目指します。具体策としては次の通りです。
- ソフィア会と学院・大学との実務レベルでのコミュニケ―ションの一層の強化
- 金・ルビー・銀・銅祝祝賀会開催調整
- 海外在住や海外経験豊富な卒業生による、現役学生へのグローバルなセンスを磨く「教育」の場の提供
- 世界ランキングQS Global Employer Surveyへの協力強化
- 「熱い上智」・「強い上智」実現のため課外活動活性化を支援金でサポート。ソフィア会奨学金給付、学生センター・グローバル教育センターとの連携強化。学生課外活動支援の増額。総額1000万円から100万円増額の予定。
- OBOGキャリア交流会年2回開催、第10回ソフィアン国家公務員と話そう開催
- 第13回地域ソフィア会全国大会岩手大会開催(9/13-14)。盛岡市は、2023年1月12日にアメリカのニューヨーク・タイムズが「世界で訪問すべ都市52か所」を発表した際、イギリスの首都ロンドンに続く2番目に紹介された場所。
- 第5回地域ソフィア会代表者会議開催、地域ソフィア会・各種ソフィア会訪問。ご要望があれば組織委員会メンバーを中心に積極的に参加。どのようなサポートをすればよいか検討し実行。
- 卒業5年ソフィアン交流会。参加者に好評であり継続。開催案内の伝達方法を工夫し広く伝わるように改善。
- 5年祝賀会で要望があった卒業10年ソフィアン交流会準備
- 2027年12月に90周年を迎えるソフィア会90周年記念行事準備。総務委員会と事務局中心に実行委員会を立ち上げて準備を開始。
- 社会貢献活動推進。ASFでのテントスペース拡大し学生の社会貢献活動の紹介、聖母看護学科同窓会との連携を企画。社会貢献関連ビデオ講演を2回ほど実施予定。
- 学部・学科同窓会活性化推進。今年度も連絡会を開催し活性化のための課題の共有、改善策検討。
- ソフィアンズクラブ利用者拡大を目指し様々な工夫を継続。サロン・ド・ソフィア活動推進。ソフィア会活動に女性の参加を推進するため、オンラインを活用して女性会員ネットワークの拡大を図る
- ソフィア会ホームページの改善。
- ASF等の定例イベントの内容を工夫し、魅力溢れる内容にアップグレード。
- ASCは、12月13日に開催予定。7月に実行委員会を立ち上げ、引き続きファミリー層が参加しやすい企画とする。
- ザビエル杯日本語スピーチコンテスト。より多くの留学生が参加してレベルの高いコンテストになるように工夫。
- ソフィアンズ・カップは9月29日に茨木の大利根カントリークラブで開催。
- 大学との共催講演会はすでに2つ決定。1回目は5月19日。会計検査院長を本年3月19日で退官された田中弥生氏(文・心1982卒)講演会。2回目は7月の京セラ 谷本秀夫社長(理工学部1982卒)の講演会。あと1回来年1月に予定。
- 第34回コムソフィア賞授賞式は11月で計画。マスコミ・ソフィア会との共催。
- 募金協力依頼。ソフィア会奨学基金は2020年に設置され基本財産が1億円。毎年ソフィア会からの予算支出分1000万円に加えて、2020年から2029年までの10年間続けることで2億円を達成する計画。3月末の累計が1億5215万円。今年度の累計の目標は1億6500万円。
- ソフィア会維持費(運営協力費)の今年度目標は250万円。
おわりに
ソフィア会スローガンである、「つなげよう、拡げよう、深めよう、ソフィアンの絆(きずな)」を脳裏に刻み、素晴らしい母校に誇りを持つ仲間の輪が力強く広がっていくよう、皆さんと一緒に進んで参りますので、引き続きご支援・ご協力を宜しくお願い致します。