HOME > イベント > 【開催報告】藤崎一郎元駐米大使講演会  講演テーマ: 国際情勢 -裏からの見方-   「変わる米国変わらぬ中国」イベント

【開催報告】藤崎一郎元駐米大使講演会
講演テーマ: 国際情勢 -裏からの見方-
「変わる米国変わらぬ中国」

2023年06月23日


 5月28日(日) 11時より、第6回ASF学術講演会において、藤崎一郎元駐米大使をお迎えし、「変わる米国変わらぬ中国」をテーマに国際情勢 -裏からの見方-についてお話いただきました。
 講演では、藤崎先生の豊富な経験に基づき、米国と中国について比較しながら、国際情勢を理解する上で重要なポイントが紹介されました。藤崎先生は、1969年に外務省に入省し、北米局長、外務審議官、在ジュネーブ国際機関日本政府代表部大使、駐米大使を歴任し、また上智大学では、上智大学特別招聘教授、国際関係研究所代表、国際戦略顧問としても御活躍されました。
 講演の最初には、米国において数十年間にわたる白人比率、製造業人口、富の分配等の変化を蜘蛛の糸のカンダタの心理に例えて、米国の大統領選挙結果の歴史的変化を解説されました。また、2024年大統領選挙については、トランプ氏訴追が影響を及ぼす可能性や、realclearpoliticsの調査に基づく候補者の支持率についても言及されました。但し、「自由重視、一国主義の米国」と「平等、民主主義、国際協調重視の米国」の「二つのアメリカ」という傾向が顕著になる中で、選挙結果を予測するのは極めて難しいと指摘されました。
 一方、中国に関しては、日米中のGDPと防衛費を比較し、リーダーによる大衆の心理操作や、中国が直面する課題、4つのD(格差社会=Discrepancy, 高齢社会=Demography, 債務増大=Debt, 外交=Diplomacy)について解説されました。また、台湾や尖閣についても触れながら、国際情勢を考える上でリーダーと国民の心理や実際の出来事の歴史的な背景の重要性を強調されました。
 講演を通じて、藤崎先生の長年にわたる経験に基づく、国際情勢の見方や重要な視点を学ぶことができました。
 なお、今回の学術講演会もオンライン配信とさせていただきましたが、藤崎先生には収録時に貴重なお時間をいただきました。改めて、心から感謝申し上げます。


当日の講演アーカイブは、以下のURLからご覧いただけます。是非、ご視聴ください。


URL: https://www.youtube.com/live/1eGwMhAaO1Q?feature=share&t=1843


※「ASF学術講演会」はホームカミングの機会に母校上智大学及びソフィアンの学問研究の成果に接することにより、会員相互の親睦を深め、改めて「上智の精神と教育理念を」を共有することを目的とした企画です。


ASF2023実行委員会 学術講演会チーム
鈴木久子(1984外露)、高橋喜代子(1985文教)、江波戸隆明(1984法法)