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【開催報告】森下哲朗副学長講演会
講演テーマ:「交渉学の現在」

2022年06月17日

 5月29日(日) 10時半より、第5回ASF学術講演会において、森下哲朗副学長をお迎え、「交渉学の現在」をテーマにお話いただきました。
 森下哲朗先生は、2021年4月より上智大学グローバル推進担当副学長として就任されており、研究分野としては、交渉学、国際取引法、金融法を専門とし、2021年のインターカレッジ・ネゴシエーション・コンペティションにおいては、英語の部の交渉部門で上智大学チームを世界大会進出に導く指導をされています。
 今回の講演では、大学の授業で「交渉」ということについて、どのように扱っているのかその一端を御紹介していただく内容でお話いただきました。
 まず、交渉とは、生活のありとあらゆるところに存在し、2人以上の人の間のやり取りで相手に影響力を行使する、或いは、説得をするという意図をもって行われるコミュニケーションであること、良い交渉ができることの効用は大きいこと、交渉についての誤解をなくして、交渉の基礎理論や交渉のためのポイントを理解し、それらをうまく使いこなせるように練習することで必ず上達することをお話されました。
 また、交渉には、「内容」「プロセス」「人・関係」という3つの側面があり、交渉によって、これらの3つの側面の重要度は異なるが、どのような交渉においても、この3つの要素が大切であることは忘れてはならないという旨を前提に、交渉の成功のための基本的な枠組みについて説明されました。
 更に、交渉は相手を知ることが出発点であり、相手についてなるべく多くの情報を収集することが大切で、実際の交渉においては「Active Listening」によって、相手の発言の意図に気を配ること、前提としての信頼関係を築くこと、自分も情報を提供することの重要性を強調されました。
 昨今の交渉研究では、交渉の内容より、感情、バイアス、心理的なものが交渉に与える影響等に重きを置いているとのことですが、交渉の世界を客観的に見てみると、どのような交渉であっても注意する着眼点を押さえることで、より良い交渉のできる手掛かりが得られるとのことから、今回の講演では、より良い交渉を行うための基本的な視点や大切なエッセンスを伺うことが出来ました。
 今年の学術講演会もオンライン配信となりましたが、AFS2022がハイブリッド開催となったため、四ツ谷キャンパスでのAFS会場では交流スクエア(6号館304教室)においても講演会を投影し、訪れた方々に視聴いただきました。


当日の講演は、下記アーカイブより、視聴することができますので、是非ご覧ください。
URL: https://youtu.be/WZD2SD3NKHk



※「ASF学術講演会」はホームカミングの機会に母校上智大学及びソフィアンの学問研究の成果に接することにより、会員相互の親睦を深め、改めて「上智の精神と教育理念を」を共有することを目的とした企画です。


ASF2022実行委員会 学術講演会チーム
鈴木久子(1984外露)、江波戸隆明(1984法法)、高橋喜代子(1985文教)