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オンライントークショー
「内なる声を聴き"撮る"」開催報告

2021年08月04日

7月19日、上智大学と上智大学ソフィア会共催のオンライントークショー 「世界を駆けるソフィアンたち」シリーズでミラノ在住のフォトグラファー 仁木岳彦さんにご登場いただき「内なる声を聴き"撮る"」を開催しました。
仁木さんは1994年に新聞学科を卒業されニューヨーク州立ファッション工科大学などで写真を学びニューヨークで6年、その後ミラノに転居され20年ほどお暮しです。
世界各国の雑誌や新聞に掲載された仁木さんの作品を見せていただきながら、皆様からの質問にもお答えし、ミラノに住んでいるいきさつなどについても伺いました。

<作品のモデルは街で見つける>
まず、チラシの写真です。実は仁木さんの後ろに映っている8角形の建物は17世紀にペストが大流行した時の隔離施設の礼拝堂です。写真を選んだ仁木さん自身、気づかずに選び出したということですが、ミラノの大聖堂のマリア様もレイアウトされ、まるで疫病退散を願ったかのようなチラシになっていたことに驚きを禁じ得なかったということでした。

イタリアのラグジュアリーブランドのファッションデザイナージョルジオ・アルマーニ氏のポートレートを撮影した時のこと。周りに人が大勢取り囲みザワザワした環境で、しかも撮影時間は10分ほどしかもらえませんでした。通常、身体の角度など細かく声をかけながら撮影するのですが、次第にカメラマンが言うせりふをアルマーニさんが言い出すほどのってきてくださって、仁木さんの投げかけるエネルギーを増幅させて倍のエネルギーを返してくれたように感じたそうです。

自分の作品のモデルは、いつも街で声をかけますが、その人の周りだけ別の時間が流れているように見えます。これはトリエンナーレ特別賞を受賞した作品で、街で見かけた学生さんでした。いまは、テレビにも出演する人気のインスタグラマーになっています。
人物写真を撮るときに気を付けているのは、相手と同じ目線で撮ること。そして中庸であること。また、肉眼で見るよりも、カメラのほうが凝視するし目に焼き付けることができるのでいつもカメラは持っていたい。そして撮影の時に大事にしているのは「内なる声センサー」で、自分の心の針が振れることを大事にしているということでした。

ちょい不良オヤジの雑誌として知られる「LEON」の撮影もたくさんしています。日本の男性ファッション誌が取材に行くと尊敬の目で見られます。日本人のクリエーションの評価が高く、日本で売れるものは他国でも売れるという立ち位置が出来上がっているからです。
日本でタレントとしてご活躍のジローラモさんともお仕事されることが多く、ジローラモさんのお人柄に触れるエピソードもお話しいただきました。

<Photographerになったわけ>
高校時代から写真を撮ったり文章を書いたりするのが好きで新聞学科に入学した仁木さんは、学生時代写真部に所属していました。なかでも、友達が多くて目立っていた同級生の「奈っちゃん」の写真をたくさん撮っていましたが、3年生の時に突然病気で亡くなってしまいます。その時、たいへんなショックを受け、生きた証として写真と言うのは力がある、もっと勉強してうまく撮りたいと留学することを決意しました。
N.Y.で写真を学ぶうち、出会った画廊主から「美術館だけを見て歩く時間を作って本物を知れ」とアドバイスをもらいます。世界の美術館を回るうち、フィレンツェのピッティ宮殿にあるラファエロの聖母子像の絵から、揺らいだ陽炎が見えたのです。これが仁木さんにとっての「内なる声センサー」で、そこからセンサーが少しでも振れるように、「自分の声」を聴いて撮影をしていこうと決めました。

実は学生時代ずっと、足腰に強烈な痛みがあり毎日痛み止めを飲んでやり過ごしていました。それが、なぜかイタリアに行ったとたんに痛みがピタリと止まったのです。さらにフィレンツェのウフィッツィ美術館のボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」の前で感情があふれ出し号泣してしまう経験をしました。「死ぬまでにイタリアに住めるのだろうか」というほどの感情がわき、イタリアに住むことにしました。

<時代と並走する写真の仕事>
写真の仕事の魅力は、時代と並走することの楽しさです。旬な人やモノ、あるいは旬になる少し前に出会えること。そして撮影するということは、撮るものが愛しくないと撮れないため、愛しいものが増えるということ。

また「内なる声」は、それを深めていくと自分の内面の声なのか、相手の声なのか、天使の声なのか、地球意識の声なのか差がなくなってくる。「内なる声」が聴こえた時は迷いがないと語ります。さらにシンクロニシティ(意味のある偶然)と言うものが存在し、それも「内なる声」に由縁するのかもしれないと話されました。
最後に新聞学科のデヴェラ先生との交流についても触れられ、ソフィア愛の一端を見せてくださいました。
・・・・・・・・・

たくさんの質問に丁寧に答え、時間をかけて準備をし、真摯にトークショーに向き合ってくださった仁木さん。皆様にお見せした以外にも数多くの写真をご用意いただきましたが、すべてをお見せすることができず残念です。

岩崎由美(1980文国)


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