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ASF2021開催報告
3チャンネルを駆使したバーチャルASF
より進化した形で世界に配信

2021年06月09日

 ソフィア会は5月30日(日)、公式行事として「オールソフィアンの集い(ASF)」を開催しました。コロナウイルス感染予防のため今年も昨年に続きオンラインでのバーチャル開催となりましたが、同時に3つのプログラムをYouTubeやFacebookで配信するなど、内容は大幅に進化。国内はもとより、海外からも多くのソフィアンが参加し、視聴者は延べ1万人を超えました。またこの3チャンネルと並行して当日は学部・学科同窓会や各種ソフィア会などが独自のオンライン・イベントを開催するなど、あたかも四谷キャンパスで実際に繰り広げられたような、盛りだくさんの1日となりました。

●充実の講演会チャンネル

 3つのチャンネルは「ナビチャンネル」を中心に、四谷キャンパスのASFでも定番の講演会だけを集めた「講演会チャンネル」、そして昨年のASFで好評だった、世界のソフィアンを結ぶ「Sophians around the world」で構成。それぞれ昨年を大きく上回る充実の内容でした。
 講演会チャネルでは10:30から曄道佳明上智大学長が登場。いつもは学長挨拶などで上智大学の現状などを伺うことがほとんどでしたが、このASFでは「日本の大動脈を支える安全への向き合い~鉄道力学の立場から」をテーマに講演、力学分野の日本を代表する学者としての姿を改めて認識させられることとなりました。
 講演では、日本の大動脈である新幹線を例に、地震大国といわれる日本でこれまで60年間にわたり死傷者を出したことがないその安全性への取り組みを高度なメンテナンス技術、車両開発技術などから解説。ほとんどがその分野では門外漢であるソフィアンが聞いても理解しやすい話しぶりで、まさに"目から鱗"の講演となりました。
 続くのは、今回のASFで実行委員長を務めたフリーランス・ジャーナリストの浜田敬子さん(1989法国、元朝日新聞「アエラ」編集長など)の講演「ポストコロナ時代の働き方」。そして14:00からは外葡卒で、「ロンドンハーツ」、「アメトーーク」、「テレビ千鳥」などの人気バラエティー番組を手掛けたプロデューサー、加地倫三さんの講演「なんで?から始まる番組作り。バラエティー制作はツッコミ的クリエイティブ」。いずれもさまざまな分野で活躍するソフィアンの、興味深い話を直接伺うことができる貴重な時間となりました。
 そして講演会チャンネルの最後は、ASFでは欠かせないプログラムとなった晴佐久昌英神父の「コロナ禍から見えてきたこと」。今回は、この講演会の発案者であり、これまで毎回支えてきた鈴木真理子さん(1982文仏)との対談という形で話が進みました。

●ソフィア会のスローガンを実現したSophians around the world

 この講演会チャンネルは、いわばASFのオーソドックスなプログラムのオンライン版といえますが、昨年のASFで一躍人気コンテンツに浮上したのが、もうひとつの「Sophians around the world」。
 世界各地のソフィアンに、太陽が地球をグルっと巡るような形でお話を伺うという、まさにオンラインならではの企画。ナビゲーターは昨年のASF実行委員長で、このSophians around the worldを企画・担当した豊田圭一さん(1992経経)。仕事柄、世界を飛び回ることが多く、現地の状況を踏まえながら話を進めるその手法は、まさに独壇場の感がありました。
 ご自身でも「これまでのようなリアルのキャンパスでの開催ではなかなかできなかった"世界のソフィアンが繋がる"というように頭を切り替えた」という発想で誕生した企画で、オンラインの世界でこそ実現されると同時に、世界44カ国65都市にソフィア会がある上智大学ならではのプログラムといえます。
 今年は昨年を上回る世界6つの地域をカバー。10:30からの南北アメリカから11:30からの日本、12:30からの東南アジア、そして13:30からの南アジア・オセアニア、14:30からのドイツ、イタリアなどの若手海外ソフィアン、そして15:30からのヨーロッパ・アフリカと、現地では夜だったり朝だったりという状況の中で、一人で世界23都市のソフィアンに現地のお話を伺うという形になりました。世界各地の、さまざまなソフィアンの姿が浮き彫りになりました。
 このプログラムの中で、豊田さんはなんどもソフィア会のスローガン「つなげよう、拡げよう、深めよう、ソフィアンの絆」を口にしていましたが、まさにこのスローガン通りの企画でした。コロナが収束し、来年のASFがかつてのように四谷キャンパスで行われるようになっても、このSophians around the worldは継続されることになるでしょう。

●準備段階からオンラインで

 そして、この2つのチャンネルをまとめるような形になったのがナビチャンネル。ASFのオープニングを告げるお祈りから最後のグランドフィナーレまで、ASFを長年支えてきた総指揮の金谷武明さん(1995法法)とASFの総合司会としてすっかり定着した森重有里彩さん(2016総社福)、そして今回の実行委員長である浜田敬子さんの3人が文字通りASF全体をナビゲーションするように、それぞれの進行にも目配りしていました。
 今回のASFは、特に講演会などは事前収録された映像を流すケースがほとんどでしたが、それを滞りなくオンラインで配信していったのは当日ソフィアンズクラブに集まったASF実行委員会のスタッフたち。特に、学生の放送研究会(SBC)などの力に負うところが多かったのですが、全体のプログラムを滞りなく進行させていったのも、このナビチャンネルだったようです。
 今回のASFはオンラインのバーチャル開催となりましたが、その手法は準備段階からだったようです。打ち合わせは直前までオンラインで行われており、「1週間前になってはじめて実際に顔を合わせた」といスタッフがほとんど。コロナで緊急事態宣言が出される中でも、安全安心なASFつくりを心がけてきたことがわかります。
 今回は3チャンネル同時配信ということで、ソフィアンの視聴スタイルもさまざまだったようです。すべてのチャンネルを開けておき、頻繁に切り替えながら全体をざっと見たという人、反対にひとつのチャンネルに集中してじっくり見たという人。いずれにしてもこれだけのプログラムでは、見逃したシーンも多いと思います。そのためすでにアーカイブが用意されており、ソフィア会のWebサイトからいつでも振り返って見ることができます。また、プログラムによっては担当者が詳細なレポートを作成、掲載していますので、ぜひチェックして今年のASFを振り返ってください。

宍戸周夫(ソフィア会広報委員長、1971法法)

ナビチャンネルの3人。左から総合司会の森重有里彩さん、今年の実行委員長浜田敬子さん、そしてASFの総指揮、金谷武明さん


後援会チャンネルのトップバッターは曄道佳明上智大学長。


人気バラエティー番組を手掛けたプロデューサー、加地倫三さんの講演「なんで?から始まる番組作り。バラエティー制作はツッコミ的クリエイティブ」


Sophians around the worldのヨーロッパ・アフリカ編。ジュネーブ、アイルランド、フランス、ベルギー、そしてザンビアのソフィアンが登場。仕切るは豊田圭一さん


3チャンネル同時配信を手掛けた学生、若手ソフィアンたち。ソフィアンズクラブが放送局のように


ASFの最後は、オンラインでもチアリーダー・応援団による演舞と校歌