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ウェビナー開催報告
「コロナ禍に考える:スポーツのチカラと難民アスリート」

2021年03月08日

 2 月 23 日、ソフィア会(オリンピック・パラリンピック支援特別委員会)・上智大学・UNHCR 駐日事務所、国連 UNHCR 協会の共催ウェビナー「コロナ禍に考える:スポーツのチカラと難民アスリート」が開催されました。
 曄道佳明上智大学長の開会の挨拶に続いて、UNHCR 駐日事務所のディアナ・ビティティ氏が「スポーツと難民保護」をテーマに基調講演を行いました。UNHCRの活動や果たしている役割、難民の現状などについて語り、スポーツが難民保護や受け入れコミュニティとの関係構築のために重要な役割を果たしていることについて説明がありました。リオ五輪で初めて結成された「難民選手団」にも触れ、難民アスリートの活躍が全世界の難民の希望になっていることも紹介されました。
 続いて、国連 UNHCR 協会報道ディレクターも務めるキャスターの長野智子氏(85年外英)をモデレーターに迎え、ビティティ氏、元オリンピック・マラソン選手の瀬古利彦氏、藤井里奈さん(外独4年在学)が参加し、パネルディスカッションを行いました。
 瀬古氏はマラソン選手としての経験を通じて、藤井さんはドイツ留学中に難民キャンプでのボランティア経験を踏まえて、それぞれの難民とのかかわりをもとに、スポーツの持つチカラとは?、難民にとってのスポーツとは?、日本人、とりわけ若い人が難民問題にどう関わるのか?について活発な議論が交わされました。
 難民の半分以上が 18 歳未満であることから、「若者に対するスポーツの取り組みは重要であり、スポーツが原動力となり自信や生き抜くチカラにつながっている。すべての人が平等にスポーツにアクセスできる環境が大切」とビティティ氏は伝えていました。
 最後にソフィア会の鳥居正男会長が、UNHCRの活動への敬意と共に、世界の現状に対して関心を高める必要性について語り、「日本から支援の輪が広がっていくことを願っている」との閉会の言葉を寄せました。
 チャットにも多数の質問が寄せられ、参加者の関心の高さがうかがわれました。
 本ウェビナーでは難民たちがどのような環境下にあり、その中でスポーツが難民支援の現場でどのような役割を果たしているのかについて考える機会となりました。その上で私たちが関心を持つこと、伝えていくことの重要性を強く訴えるものとなりました。

本イベントのアーカイブはこちらから。 https://youtu.be/9r8Mes5-ElQ

松本明子(オリンピック・パラリンピック支援特別委員会副委員長、1983文史)