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ソフィア会・上智大学共催講演会レポート
「Daddy Long Legs~あしながおじさん」上映会&トークショー

2017年10月31日

ソフィア会は上智大学と共催で、2017年10月26日(木) 2号館17階会議室で「Daddy Long Legs~あしながおじさん」の上映会とトークショーを開催しました。講演者は篠田伸二監督(1985外葡)。初上映はぜひ母校でとの監督の希望で実現しました。篠田氏とあしなが育英会(以下「あしなが」)との出会いは在学中のブラジル企業での「働きながら学ぶ」というインターン留学。その制度を「あしなが」の玉井義臣氏が創設・推進してきたことに始まります。
交通遺児の教育支援で知られる「あしなが」は2000年からウガンダで「レインボーハウス」を運営し、極貧生活を送っているエイズ遺児を教育面から支援しています。子供達の現状を目にした玉井氏は「教育こそが絶望を希望に変える」ことを訴えるために、ウガンダの子、東北の津波被災の子、小説「あしながおじさん」の作者ジーン・ウェブスターの出身校ヴァッサー大学の学生で、NYブロードウェイのステージに立つという途方もない企画を思い立ちます。これを映像化したのが篠田氏です。
ウガンダの子供達の卓越したリズム感、東北の子供達のやり場のない想いを込めた太鼓の音、環境に恵まれた裕福なヴァッサー大学生。誰もが難しいと感じたコラボレーションを見事にまとめたのは英国の名演出家ジョン・ケアード。コーラスの指導はヴァッサー大学のクリスティーン。ウガンダ、東北での練習を経て、舞台はいよいよ日本プレ公演、そしてブロードウェイへ。それぞれの子供達の日常を追いながら映像は進みます。観客の皆さん涙を拭きながら、食い入るように映像を見つめていました。
絶望の淵に立つ子供達が目標を持つことで希望を見出し、夢を持つようになる。「あしなが」はアフリカのやる気あふれる子供達を日本、欧米の大学で教育を受けさせ、いずれは母国の発展の礎となるように育てる活動をしています。上智大学でも2名(在学生1名)が学んでいます。「教育こそ希望」、この想いはまさに上智大学の"Men and Women for Others , with Others"と通じます。
篠田氏は言います。「ドキュメンタリーという形にしたのは映像の持つ力を信じるから。日本語版と英語版を制作し(フランス語版も準備中)日本のみならず海外での放送、そしてインターネットを通じて、多くの応援者を増やしたい。来年6月頃には劇場公開を目指すが、その後は上映会などこの映像を利用したい人に無償で貸出も想定している。この作品がアフリカの若者たちに関心を持つきっかけになれば、その先で支援の気持ちが芽生えてくれたら嬉しい。ソフィア会の皆様も上映会の企画、SNSの発信などぜひご協力頂きたい」と。
講演会後はソフィアンズクラブに場所を移し、懇親会を行い、会員間の交流を深めました。

松本明子(1983文史)