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たくきよしみつ氏講演会「裸のフクシマ~原発30km圏内で暮らしていた著者が真実を語る~」開催報告

2013年03月22日

高知ソフィア会は、3月9日(土)に高新文化ホール(高知市本町3丁目)で『たくきよしみつ氏講演会「裸のフクシマ~原発30km圏内で暮らしていた著者が真実を語る~」』と題した講演会を開催。講演会には約120人が参加した。
作家兼作曲家のたくきよしみつさんは上智大学(外英)卒の57歳。福島県川内村に住んでいた2011年に原発事故に遭う。事故後、原発周辺で何が起こっていたかを詳細にリポートした「裸のフクシマ 原発30km圏内で暮らす」(講談社)は、各書評・メディアで話題となっている(最新刊は「3.11後を生きるきみたちへ 福島からのメッセージ」(岩波ジュニア新書))。

数多くのスライドを使って分かりやすく説明するたくき氏

熱心に聴講する多くの参加者

参加者の質問に答えるたくき氏

まず初めに同氏は、「今回の原発事故はこの程度で済んだということを認識してほしい」と話し始めた。もし、福島第一原発が東京にあったら23区全域が警戒区域で立ち入り禁止となり、賠償金総額はGDP超えで日本は破産しただろうと説明。また、今回の放出放射性物質のほとんどは太平洋側に流れた。西日本がほとんど汚染されなかったのに対して、アメリカ西海岸などは広く汚染された。たまたま事故当時、風が西から東に吹いたために西日本は助かったのだと、放射能飛散の複雑さを説明した。

また、たまたま事故が平日の昼間に起こったから、東電関係者が多く原発内におり対応を取ったが、もし地震が夜間に起きていたら原発内は完全停電の中、作業員はせいぜい100人しかおらず、原子炉は暴走し対応は不可能だっただろうと述べた。また、仮に地震が1年早く襲っていたら免震重要棟は未完成で、事故の状況はもっとひどいものになっていたと推測。確率論的観点から見て、この程度で済んだのは奇跡だとした。

日本各地にある原発についても言及。半島の先に橋がかかった所にあるものや、トンネルを通って山を越えないと行くことのできないものなど、一旦、放射能漏れが起きたら外から近づくことのできない場所に建てられているものが多く、活断層以前の問題だとした。また、高知の人は愛媛にある伊方原発のことを心配するかもしれないが、日本の西側には韓国や中国の原発があり、そちらのことも考えないといけないと隣国の原発事情にも触れた。

次に、福島県が汚染の事実を知りながらもデータを隠し、周辺自治体の人たちを間違った誘導で無為に被曝させたり、沿岸部の汚染は薄かったのに救助に入らず、餓死や衰弱死を多く出した事実に触れた。福島では子どもと一緒に避難したくてもできない状況にある人を、「こんな放射能の数値が高い場所に子どもを置いて!」と罵る人が出たり、東京電力からの補償金が被災状況などによって差がつき、住民間に複雑な感情が生じているのだそう。同氏は、「たとえ福島を離れ放射能から逃げられたとしても、生きがいやアイデンティティとなる場所やコミュニティを失い、心の健康は阻害されるだろう。私はいちがいに福島を去ることの方が正しいとは言い切れない」と心境を話した。

最後に、2005年まで5期20年間という長きに渡って双葉町長を務めた故岩本忠夫氏について紹介。福島県議時代は社会党の論客として反原発運動の先頭に立ってきた人であったが、その後、町長の立場として「住民が望むなら」と原発との共存共栄という道を選択した経歴を持つ。たくき氏は、国策としてある一点のものに税金を大量に投入すると利権構造ができ、人間はもっと甘い汁をほしがり、正常な判断ができなくなる環境を生みだすとした上で、問題の本質は、原発の放射能の問題以前にこうした社会構造そのものだと締めくくった。

高知ソフィア会としてこのような講演会を催すのは初めてのことで、手探り状態での出発であったが、結果的に100人を超える県民の方に参加いただけた。金銭的に余裕はなかったが、扱うテーマ、タイミング、内情を熟知している講師がそろい、これはより多くの方に聴講してもらわねばとノウハウがない中で奮闘した。幸い、高知ソフィア会には県教育長を始め、県議会議員、高知大学教授、高知放送社長らがおり、彼らを通じて地元紙高知新聞、高知放送ラジオ、NHKなどに開催告知を取り上げてもらい、多くの動員を図ることに成功した。当日、関西ソフィア会から参加いただいたソフィアンもいた。まだまだ認知不足の同会であるが、講演会を通じて「高知ソフィア会」の名を広めるのに、一定役割を果たせたのではないかと思う。講演会後は、ちょうど観光シーズンの始まりであったので、町をあげての宴会「土佐のおきゃく」(街中の広場に座敷を設置しみんなでワイワイ飲む宴会)にお連れし、講師を囲んでの楽しい夜を過ごした。

参照:高知新聞ホームページ - 東日本大震災情報

講演会後、講師の本が飛ぶように売れた。
著書にサインをするたくき氏

高知ソフィア会メンバーで講師を囲んでの打ち上げ

高知ソフィア会 会長 岡内紀子(1976経営)
永野健生(1977外英)
吉良富彦(1977文史)
川戸佳織(2002文英)

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