SOPHIAからパリへ、世界へ!―
ソフィアンの映画、フランス語版を制作、上映
2018年07月18日
2017年10月、篠田伸二監督(1985外葡)の母校上智大学でお披露目上映を行い、共感の輪を広げてきた映画「シンプルギフト ~はじまりの歌声 ~」(「Daddy-Long-Legsあしながおじさん」から改題しました)。日本語版、英語版に続き、フランス語版製作にあたり、ソフィア会会員でもある中村雅治上智大学名誉教授、戸川宏一ソフィア会会長のご協力をいただきました。そうして完成した映画(フランス語タイトル)「Papa-Longues-Jambes」がパリでデビューしました。
「欧州アフリカ映画祭」とは、「映画を通じてアフリカ諸国との対話をはかる」ことを目的としたまだ5回目の比較的新しい映画祭で、アフリカ諸国と関係の深いフランスならではの映画祭です。
今回は11カ国から27作品が選ばれ、本作品は映画祭のオープニング上映作品にも選ばれて、2度の上映機会を得ました。
1回目は6月16日、フランスの日本文化の発信基地であるパリ日本文化会館にて駐仏のアフリカ各国大使、日本大使、ユネスコ大使、それにフランスとアフリカ各国の映画人ら約120名を集めました。2回目はブルキナファソ大使館を会場に、一般の映画好きなお客様らが中心でした。「子供にもわかるようにと制作した作品ですが、果たして外国の方々に届くのか」
篠田監督も多少の不安があったそうですが、それはまったく杞憂に終わり、日本人以上にストレートに響いた印象だったとのこと。上映後のトーク・セッションでは活発な質疑応答があり、「シンプルギフトのメッセージは心に残った」、「感動的な映像で、強く普遍的なメッセージを伝えている」、「教育は家族と人材の重要なカギだ」、「破壊的で非情な世の中での癒しだ」と好意的な言葉が続きました。
日本人にとってアフリカは遠い国の出来事ですが、フランス人やアフリカの人々のリアクションには、ヨーロッパ旧宗主国とアフリカ諸国との関係が日本とは比較にならないほど歴史的、政治的、文化的にも深いことを感じさせられたということです。
7月5日にフランス・シェルブールで開催されたFestival des Continentsで上映されたほか、来年2月にブルキナファソで開催される全アフリカ映画祭をはじめ、セネガル、マリ、モロッコなどのアフリカ各国やモントリオールの映画祭まで、いろいろ国からぜひとも紹介したいとのオファーがあり、フランスのテレビ局も関心を示すなど大きな反響を呼びました。
「ソフィア会の皆様からいただいたお力のお蔭で、一歩ユニークな場を創ることができた」と篠田監督は感謝の気持ちを伝えてくれました。
上智大学でお披露目された映画がパリで、アフリカで、そして世界中へ。映画のエンドロールには、Association des anciens élèves de l'Université Sophia(上智大学ソフィア会)Sous la direction de Masaharu Nakamura(監修:中村雅治)と刻まれたことをご報告いたします。
松本明子(広報委員、1983文史)

パリ日本文化会館での上映会

トーク・セッションで質問に答える篠田監督


アンゴラの映画監督、ドン・ペドロ氏と

アフリカからのあしなが留学生たち



