ダウニィ神父様のお言葉

皆様、卒業15周年おめでとうございます。銅祝の祝いを心より申し上げます。麗しいアルママーテルが皆様のご来校を大歓迎します。お帰りなさい。きょう一日中、旧き大学時代の思い出を味わいながら、学友との親交を深め、明日への発展のエネルギーをぜひ吸収していってください。

卒業してからの15年は早く過ぎたでしょうか?おそらく激しいペースで去っていったと思います。その間、大学も皆様もさまざまな変化があったのです。
ごらんのように校内では懐かしい建物がいくつか姿を消しています。学生寮と上智会館が新理工学部の研究棟の建設を待つ空き地になっています。長いあいだ駐車場だった旧2号館には今立派な新2号館が聳えています。新宿通りに面してもうひとつ新しい建物が完成に近づいています。

大学の雰囲気を変えているのは建築物の変化だけではありません。昔、外国から市谷キャンプスで勉強した留学生などが、今は四ッ谷校内で授業を受けています。その結果、毎日メーンストリートやこの食堂では英語、フランス語等さまざまな言語が聞こえてきます。上智の国際性がますます色濃く生かされています。教育の内容も変わりつつあります。学部学科の再編成が早いペースで行なわれ、21世紀が必要とする教育を模索しながら、大学は活発に動いています。

皆様のほうでもこの15年間はさまざまな変化があったと推測します。人生の伴侶を見つけて新家庭を築いた人は多いかと思います。職場では責任も会議もストレスも増しているでしょう。大学時代よりも卒業以後のほうが勉強が真剣になっているのではないでしょうか?業績の評価方法ももっと厳しいでしょう。そして今は勉強する傍ら、教える立場になっている人は皆様の中で多くなっているに違いないでしょう。「先生」という肩書きがなくとも、皆様が家族の中でも職場においても人を育てる責任を課されているでしょう。教えるソフィアンとしてぜひ「Sophia」(知恵)や「Lux Veritatis」(真理の光)を伝えてください。

そして最後に、忙しくなっておそらく15年前と比べて運動する時間が少なくなった皆様に、ひとつの言葉を分かち合って私の短い挨拶をしめくくりたいのです。英語の”heart”という言葉の二つの意味、すなわち「心臓」という意味と「こころ」という意味を同時に表しているので多少翻訳しにくい文書です。そのため、まず英語の原文で引用します:”No exercise is better for the human heart than reaching down to lift up another person.” 意訳しますと、「人間の心臓(こころ)にもっとも健康的な運動は、他人を引き上げることです。」いまは言葉や行いをもって教える立場になった上智の卒業生として、これから子供や部下や社会の底辺にある人を引き上げる運動によって、皆様の心の健康をぜひ保っていってください。お一人として、また他人と協力しながら、このような運動を広めましょう。皆様のHeartのご健康を祈りつつ、私の挨拶にします。
あらためて母校へようこそ。


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